一年で祝う事が私には無い・・・

 毎年クリスマスが楽しみにしてる子供達は沢山いますが

私の家族でクリスマスをしたのは一度だけだった。


 小学生の頃四年生の時の一回、兄妹は四人いたけど誰も

プレゼントが欲しいって言わなかった、うちが裕福では

無かったから、誕生日もお願いはした事が無い、お年玉は

親に全部渡してたから、月のお小遣いも貰った事が無い。


 お母さんが台湾の人だったからおせち料理も食べた事が

無かった、それでも家族が一緒だと安心出来た

小学生一年生の時にクリスマスの夜にサンタクロースに

お願いしたけどプレゼントは来なかった、その時居ないと

理解した、それからお願いはしなくなった。


 友達の家に遊びに行った時、友達が自分の母親に

「うるせいババア」

 と言ったのを聞いて凍りついた、自分のお母さんに

そんな事言えるのに言葉が出て来なかった、言われた母親も

慣れた様子で気にしないでいたのにもびっくりした。


 私は施設で育ったから、両親の居る事がとても大切だと

思っていたから、それでも子供を四人育てるのは大変だと

兄妹は話さなくても分かっていると思ってた、だけど子供が

成長すると負担は増える、それは家族のご飯のおかずで子供でも

分かる、おやつも無いから自分で料理して作った。


 お母さんがご飯を作っている時、側でいつも見て覚えた

質問もした、どうしてそうするの?

とか聞いて優しく教えてくれた、だからお母さんが

風邪をひいた時は兄妹でご飯を作ったりして、だからうちの

兄妹はみんな料理が出来る、小学生一年生の頃からお手伝い

をみんなでしてた、それで一度だけクリスマスを家で準備した時

楽しかった、プレゼントは言って無かったから無いと思った

そう思っていたけど、欲しい気持ちはあった、その時お母さんが

私に一枚の紙を渡して来た、読んで見ると

今年の成績が悪いのでプレゼントはありませんと書いてあった

私は凄く泣いたけどお母さんは笑っていた、そうしたら

自転車を奥から持って来た、この日のために私にバレないように

隠してたみたいで知らなかったのは私だけで、みんなで笑ってた。


 正直言ってそのサプライズは私にはトラウマになってしまった

嬉しくなかったのだ、なんでかと言うと、黙っていて知らないのが

私だけで、成績が悪いのでプレゼントはありませんが凄くショックで

自転車が欲しいって思って無かったから、その後のクリスマスは

凄くつまらなかった、その時に私はもうクリスマスはしたく無い

って言ったから家族のクリスマスは一回で終わってしまったのだ。


 その後のお正月にはうちは特に何もしない、なので

初詣をした事が無い、その存在を知ったのも中学生に知った

友達に教えてもらった、その頃には家族が崩壊しかけてた

父親は朝早く仕事で出て行く、母親はスナックを経営し始めて

夕方には家を出る、両親の時間は少なくなり、母親は朝帰って来る

ので父親とはすれ違い、全部子供を高校に行かせたいと思っての

共働きだったけど、その代わりに家族で一緒にご飯を食べる時間が

無くなった。


 それでも世間では毎年クリスマスを楽しみなイベントとして

取り上げる、でもうちのはそのイベントはもう無い

お正月も何も無い、なので私は今でもクリスマスは無いし

お正月も無い、だけどなんでか年越しそばは食べるようにしている

なんとなく、気分だけでもと思って初詣は行かない、今まで

行かなくても何も起こらなかったから、年末は休みが多い日

それだけのこと、だけど一年の始まりの日は好きだ

毎年、今年の目標を作れるから、それで私は充分幸せなんです。


 もうあの頃の家族は集まる事は無い、離婚したので両親は

揃わない、兄妹もそれぞれ違う道を歩いて行った、あるのは

思い出だけ、それでもあるだけ私は幸せだと思う、世界は広い

私よりも苦労している子供は沢山いるのは知っているから

だから、私はしないけど、それで幸せそうな家族を見るのは

嬉しく思うから、その笑顔で私も笑顔になれるだからしなくても

何も問題無い、子供の頃の気持ちは今でもあるからそれで

私は幸せなんです。

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