3話 結婚

3.結婚


彩は、ある時女子会で、「恋人として遊ぶなら近藤さんだけどあの人結婚しても浮気しそう。

やっぱり、高谷さんかな、結婚しても奥さんを大切にしてくれそうだよね」 


と話してるのを聞いて、始めて高谷の存在を意識するようになった。


よく見ると、女子社員に仕事を教えていたり、大変そうな時は手伝ったりして、感謝されていた。


よくそのお礼にと言って女子社員から食事に誘われた。


時々、高谷と同じ課の佐々木香緒理とも食事に行っているようなので、佐々木香緒理に高谷の事を聞いてみたところ、彼はとても親切で困っている女子社員がいるとやさしく丁寧に仕事を教えてくれ、みんなそのお礼にと食事に誘ってくるんだけど、自分で言えないから、私に頼んでくる。


向こうの課の柴田裕子ちゃんからはもう何回も頼まれた。


というのを聞いて、興味を持ち、近藤とつきあっていたが、香緒理に頼んで 場をセッティングしてもらった。


そんな事は知らず、彩から食事の誘いが頻繁来るようになり、そのうち毎週2人で食事するようになった。


ある時、食事の後、場所を変えて飲んでいたら、

「帰りたくない、一緒にいよ♡」と言われ、そのままホテルに行って朝まで愛し合った。


体もすごいし、色々とすごかった。


それからは金曜に飲みに行って、そのままホテルで朝まで というのが定番になり、それが、朝ホテルから出たらそのままデートするようになり、いつのまにか俺の部屋に来て土曜は俺の部屋に泊まって日曜に実家に帰るようになった。


そしてある時から、

「実家に帰りたくない、ずーっと一緒にいたい」と何回も言われるようになり、


「じゃあ結婚しようか」と言ったら、目をうるうるさせて俺を見つめ「いいの?」と言ってきたので「うん」と答え、その日のうちにウインストンで婚約指輪を買った。

金曜日にレストランで食事をして、正式に「彩さん、僕と結婚してください」と言って先週買った指輪を渡した「ハイ よろしくお願いします」回りから見るとカッコいい婚約が成立した。


次の日の土曜に彩の実家に行って、両親にお願いし、次の日曜に俺の両親に挨拶に行って婚約の報告をした。バタバタと婚約までいっきに決まった。


月曜に出社したら、何故か皆が、彩と婚約した事を知っていて、いつから付き合ったんだ、とか、どうやって落としたんだ、とか隠れてつきあって・・・・とかいろいろ

言われたが、一応みんな「おめでとう」と言ってくれた。


結婚式をハワイで挙げ、披露宴をホテルホークマで行い、新婚旅行は仕事があるので長い休みがとれず、結婚してから2人で海外旅行しようと約束し、ちょうど良い距離だったのでシンガポールにした。


結婚後の克己は、仕事が終わったら真っ先に家に帰り、土日休める日はデートしたり、結婚記念日や誕生日などはちゃんとレストランを予約しホテルで一泊や、ちょっと休みがあると1泊2日の小旅行をするなど、家庭を大切にしていた。それを聞いた女子社員たちは、やっぱり結婚するなら高谷さんだったね、彩ちゃん幸せそうね、と噂していた。


克己は結婚6年目になってもそれを続けていた。


結婚3年目に、だんだん海外出張が増えはじめ、彩1人の時が多くなってきたので、彩の実家に近いところ(通勤には多少時間はかかるが)のマンションを購入し、克己が海外出張している時は気軽に実家に帰れるよう配慮までした。

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