第46話 ほろ酔いサキュバス

「んぁ……」


 初夏特有の湿気と暑さの入り交じった外気を感じてうつらうつらと眼を覚ます。


 あれ?昨日どうやって寝たんだっけ。

 ……

 …………


 あ~、最後はかすみに連絡して、相沢さんにも返信して……そのまま6時間勉強を……

 あれ、勉強したっけ。

 気絶するように寝たからなぁ、ちょっと記憶がない。

 というか寝たはずなのに全然ねむい。

 二度寝しよっかな。


 ん~、でも今何時だ?

 外はまだ暗いけど。

 スマホを見ればまだ深夜の3時半。

 ぎりぎり深夜のこの時間帯。


 ってライン来てる。

 何件か来てるけど、一番上にはピン止めしてあるかすみのメッセージ。

 ん-と。


 かすみん:『お待たせ!!今から会いにいくね✨』


 これが二時間前。

 だから深夜の1時。


 え、どうやって来るの?

 電車止まってないか?


 というかなんかラインのテンション高くない?

 こんな感じだったっけ?


「2時間前ならもうついててもおかしくないかな?」


 かすみはうちの合鍵持ってるはずだから、入れるはずだけど。

 でも家の中で物音はしない。


 というか下半身が妙に心地いいというかスース―するというか。


 布団を見れば下半身の部分が妙にもっこりしている。

 というかもぞもぞしてる。


 一瞬で血の気引いた、眠気もさえた。


 あれだよ、ほんこわとかでみるあれ。

 布団をめくったらそこには……みたいな。

 出てくるんでしょ?

 髪の長い女の人が?


 しかも「……はりゃ?へにょった?」


 とか言ってるし!


 こ、ここはめくるべきかめくらざるべきか。

 見ないふりして、いやあえて勇気を出して力を込めて布団を。


「わっ、いきなりおっきくしないでよぉ」

「んぅっ」


 なぜか力が抜けてふ、布団がめくれない。

 幽霊なはずなのに妙に、気持ちいい。

 てかまずいです、なにがとは言わないけどまずいです。

 限界です。


 お、俺の弱点を的確に攻めてくるッ?!


「あ、そろそろかにゃ?」


 そして動きは激しく……って。

 見覚えっていうかこの感触覚えがある。


 布団の下にいたのは、白色のワンピースを着た黒髪の女性。

 ではなく、良く見知った年上の女性。

 というか……


「何やってんの、かすみ!」

「んにゃ?!」


 布団をめくれば、すこし顔を赤らめた様子のかすみ。


「およ?起きちゃった??」

「いや、まぁ心地良くて……」

「ふむふむ、んじゃそのまま一回心地良くなりんしゃい~、さっきはあとちょっとだったから一旦気持ちよくなってからね?」


 あ、これかすみ酔っているな。


「あーかすみ一回水でも飲んで落ち着いたら?」

「今から飲み物飲むからおっけーだよ!」


 やべぇ、もう逃げ道塞がれた。

 しょうがない。


「てかごめん、もう我慢できない」

「ふふ、そっかじゃぁいっぱいどーぞ?」

「ぐぅっ」


 俺は火曜の早朝から無事とろけた。




「んでいつ来たのー?」

「2時半とかかな?」


 おれも落ち着いて、かすみもちゃんと飲み物を飲んで。

 水のおかげで、酔いもさめてきたらしい。


「それでシャワーとか借りて、服借りて、そしたらたくみが寝てるから悪戯しようかなーって思っていじってたら……」

「たら?」

「我慢できなくなっちゃった……」


 恥ずかしそうに顔を背けるかすみ。

 うんかわいい。

 はい正義。


「なら起こしてくれたら」

「だからおこしたじゃん?」


 もしかしてこれちょっとまだ酔っぱらってるな?


「下ネタ的な話じゃなくて!」

「わかってるよぅ、でも寝てるたくみを見ながらっていうのもまたおつなもので……えへへ」


 えへへー、て。

 かわよ。


「……来るの明日だと思ってた、あえて嬉しいけどさ!」


 多分俺はにやけ面を隠せてないだろう。


「いやたくみに会いたくて、バイトめっちゃ急いで終わらして飲み会もちょっとで済まして、タクシーで来ました!」

「……ん、んうっ! た、タクシーって、お金かかったんじゃない?」

「そのくらいは払えるぐらいには稼いでるのです、ま、エルとかの方が持ってるけど」


 あぁこないだあった相沢さんの姉ねー。


「そういえばこないだエルとあったんでしょー?」

「ああ、昨日、いや一昨日ちょっとね」

「そこでエルの妹のめちゃかわ同級生を助けてあげたって聞いたよ?」


 めちゃかわ同級生……あぁ相沢さん。


「助けた……は言い過ぎかな勝手に助かっただけだよ相沢さんが。俺はその手助けをしただけ~」

「ふむふむ、そうやって女の子を手玉に取ってく訳だ?」


 あれれ?少しとげがあるぞ?


「手玉になんて取ってないから!ただただ……」

「ふふ、そんな焦んなくていいよ、分かってる、ごめん意地の悪い言い方したね、たくみの優しさはすごくいいんだけど、なんか感覚的に?ちょっと嫉妬しちゃった!」


 てへへ、ごめんね?と。


「そっか、ごめん!心配させたね?」

「いやし、心配はしてないけど……お姉さんですし?どーんと?」

「いやでもどこか心配させる部分があったんだよこれは、だから!」

「……だから?」

「かすみに分かってもらう必要があるね?その身体に」


 かすみの身体を後ろから抱きしめる。

 ぎゅっと話さないと。

 かすみは顔を前を向けたまま。


「え~分かってるって」

「いや芯の芯までわかってもらわないと」

「……でも大丈夫?さっき一回やっちゃったけど?」

「若さ溢れる高校生だよ?余裕よ?」

「あー言ったね?私もぴちぴちのJDだよ?」


 2人して顔を向き合わせて、身体の奥でつながるようなそんな口づけを交わした。




 深夜4時から繋がって。

 今は朝の6時過ぎ。


 ベッドのシーツに二人でくるまりながら、朝をゆっくりと過ごす。


「まだまだだねぇ?」

「……くっ!?」


 無事負けた。

 サキュバス女神には勝てなかった。


「そういえば昨日真希来なかった?」

「……え?」


 ー------------------------------------

 次回に続く!!

 呼び鈴は真希でした!!


 久々のかすみ回!

 イチャイチャ、甘い、コーヒーがぶ飲みしましたよ作者は。

 今日で休みが終わる(´;ω;`)

 休み終わりかけてるでテンションダダ下がりの作者です。

  

 いつも応援して頂きありがとうございます。

 応援数が1万を超えて、僕の作品にそんな応援してもらったことないので、感無量です!

 星もありがとうございます、めっちゃモチベになってます!!

 後、感想とか、誤字脱字とか助かってます!


 今サポーター様向けにもなんかSSでも書こうかなと思ってます。

 要望あったら教えてね!!(切実)


 ではでは!

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