第三章 カレッジ
第7話 カレッジ
本来は最難関といわれる、スクーデリア国立カレッジの入試の試験は簡単にクリアした、といっていいほど私にとっては簡単だった。
そしてハイスクール最後の日、卒業がやって来た。
書くのは簡単だが、色々と感慨深いものがあった。
しっかりとして悔いのない学園生活を送ってきたつもりである。
生徒会の後輩にも、しっかりとバトンを渡したつもりだ。
卒業の日、早咲きの桜に見送られながら、エクレールと一緒に卒業した。
当然卒業生代表として恥ずかしくない程度のエールを後輩に贈ってからではあるが、しっかりとバトンを渡して挨拶をカッチリと決めて出て来たのであった。
そして、カレッジに新入生総代として入るのである。
エクレールも同じカレッジだ、多少異なるのは仕方がない。
総代としてこなすべきことは全て終わった、ここからが本番である。
まず四月の入学式シーズンにある、一大イベントをクリアすることである。
学外の話で申し訳ないのだが、学内の話ではない、世界的に権威のあるデザイナーの試験を受けるのだ、それも同時に四つ。
私の受けるべき区分は魔導工学(略称:魔工)設計者、錬金設計者、機関設計者、魔機設計者の四区分である。
多くても普通、二つか頭のイカレタヤツでも三つまでしか受けない。
そこを四つといったのだ、試験時間的には問題ない四日に分けて受けるだけだからである。
全ての区分は魔工、錬金、魔機、船舶、機関、導剣、刀匠、砲匠、法匠、薬系の十区分に分かれている、新規で建築も入れるかどうか今審議が行われている最中だと聞く、仮に入れば十一区分に増えるが、実際は自身の関係するところだけを受ければいい方式で十日プラス一日設計者基礎工程の試験がある。
私の場合は五日試験を受けてそれをクリアすればいいだけなのである。
それをクリアできればMLLI(マジック・ライブ・ライン・イルミネーター)というものが受かった数の区分に従った色分けされたものがいただけるというわけである。
書簡や記念品ももらえるが、実質MLLIだけあれば他のものはしまってあっても構わないといわれるのだ。
下記の最初に乗っている色分けがなされる、機関設計者というのは下記には記載がない。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054935913286/episodes/1177354054936604458
機関設計者の正式名称があまりにも長いので略して機関といわれるだけである、MAPCTECE:魔導増幅光子変換式外燃機関、略称はマップテックのことである、この世界のどこにでも使われているありふれたエンジンの話だ、内燃機関などというものもあったが、すでにこの世界では博物館行きの代物だ。
略称でも長いため機関と称される。
それだけの話である、私の場合すべて受かれば、艶消し灰色、煌めく艶アリ赤色、金色、艶消し桃色の四色のMLLIをその身にまとうことになる。
マジックライブラインとは、輝くというかそれ自体が煌めく光の線で長さと幅と厚みも細かく規定がある。
長さ三十センチメートル、厚さ一点五ミリメートルで特殊な魔法素材でできており、焼き切ったりレーザーですら切ったりすることができないモノでもある。
詰まり魔化されているのでもある、実際の魔化強度は百あったりする。
百といったが比較対象が無いので分かり難いと思うが、その辺にあるマンホールの蓋で魔化十であり、最高のランクの貨幣の魔化強度が八十といわれるのでそれよりも固いということがお分かりいただけるだろう。
国際規格の証紋なので、簡単に消えてもらっては困るのでその強度なのである。
長くなった、つまり五日試験を受け全てをクリアすれば晴れて私もデザイナー(設計者)を名乗れるわけだ。
自信はある、本来はすでに持っているものだからである、アストライアを名乗った段階で白紙に戻されただけで、知識も経験もしっかりと持っている。
今回受けるのはアストライアとして受けたという、証拠固めのための試験なのだ。
試験結果は全て電子的に通知されるものだ、テスト自体は受けに行って結果をデータパッドで受け取るだけなのだ。
公表されない理由はある一定数の秘匿性の為からだが、結果としてMLLIを付けたり、学生である場合お祝いのメールが学校側に通達が行ったりする場合があるからそこでバレるのだ。
試験に落ちても受けに行かなかったとかいえば、受けてないを通せるのだ。
失格者を発表するような、合格者の貼りだしを行うことはない。
そういう意味では秘匿性は保たれるのである。
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