第7話 飲み会と次の日、作戦目標

湿気シケってないで飲みに繰り出すぞ」というグラーシェンカ殿の一号令と供に皆が、動き出す。


 ロック様もこの飲みには付き合うようだ。


 私も付き合うことにした。




 顔合わせはそこまでだった。



 あとは記憶があやふやになっておりあまり覚えていないが、お兄様とグラーシェンカ殿が飲み比べたりしていたような記憶はあった。


 目覚めたのは次の日の自分の部屋のベッドの上だった。



「お兄様が船まで運んでくれたのですよ、ほどほどになさってください」とロイヤルメイド長アリーシャは、注意も追加で語ってくれた。


 時間を見ると体内時計は正確なようでいつもの起床時間だった。


「朝食をすぐにお持ちしますね」とアリーシャが出て行く。


 ここは船だという感覚を自分で持ち、ストレッチを実行する。


 頭の中が冴えてきた、正常には動いているらしい。


 酒に弱いのはいつものことであるのでそこは気にしなかったが、はしたない所を見せなかったかどうかは心配であった。


 直ぐに“コンコン”とノック音がして、「ご朝食お持ちいたしました」とアリーシャの声が響いた。


「入って」と答えて即座にいつもの衣装(衣装は抗菌・抗virusは当たり前になっている)に着替えた。


 朝食をとってから少し経って、デッキに出るとギルド徽章付きのフローティングFパワーPトロリーT(以下FPTと略す)がグラーシェンカ殿の旅団の一機、一番艦のラージLフライングFパワーPトランスポーターT(以下L-FPTと略す)-スタンダードSタイプTに乗るところであった。


 データパッドに「これからグランシスディア・ゼロまで行くので着いて来てくれ」というメールが、来ていた。


 ほんの数秒前のことである。


 他のリザードたちは各隊ともそれぞれのL-FPT-STに乗っていくところである。


 ウチの部隊は元々展開してないので、警備役の一部分隊がこれより出発準備に入りますと、私のところに来て敬礼をしたところであった。


迅速じんそくな行動で、礼とせよ」、というと私もトップ・デッキからブリッジに戻るべく急ぎ下りた。


 私がブリッジに戻ると、「適度な時間で」と艦長が敬礼する。


「グラーシェンカ殿の旅団の後ろに付く、ナビゲーター、速度・距離・高度の維持を」といって専用席に座る。


「グランシスディア・ゼロまでは何時間くらいですか?」と艦長に聞く、艦長は「三日少々の距離となります、三交代制を取りますので姫君も休むときはお休みくださいませ」といった。





 それより約三日後、グランシスディア・ゼロのドーム都市部最上段にある空港に全機がそろって円陣を組んで居た。


 各ブリッジに結界内通信を繋ぎ、そのまま会議と洒落込んでいる。

 もちろん秘匿ひとく通話である。


 ロック様が話し始めた。


「本件はグランシスディア・ゼロからの依頼ではあるが、事象が起こっているのはペテラネグロ鉱脈と言う場所のいさかいらしい。だが我々は国同士の諍いには関与しない」と、ハッキリといい切った。


「代わりに、カイラズ国国内に潜んでいると思われるタランチュラ悪の組織殲滅せんめつあるいは、タランチュラが掘り起こしている遺跡の正常化だ!」といった。


「ギルド冒険者筋の情報ではタレコミのあった町、カイラズ国キワダに所属不明の傭兵団が居るらしい。と言うのとキワダの街中でタランチュラの関係者を見たとかいう情報が上ってきている。現時点ではそれだけだ! 我々はまずキワダまで行って情報収集を行う、以上」と、いってロック様の話は終わった。


 そしてキワダ領域の手前で、グラーシェンカ殿が「補給ついでにその傭兵団に挨拶をしてくる」という話が出たのである。


 私は「我々は一旦ここで待機します。必要とあれば、補給名目でキワダに侵入します。あと、設計者デザイナーと分かる服に着替えて来ます」といってブリッジをあとにする。


 着替えるのは直ぐだった。


 マジックMライブLラインLイルミネーターIも四本装着する。


 時間がかかるものでは無い、だがデザイナーと分かる服というのは特別扱いされているようであまり好きにはなれなかったが、仕方が無い。


 そして再び、ブリッジに戻った。


「状況に変化ないですか?」と艦長に聞き、何もないのを確認すると、「周囲索敵、厳に!」と命じ待機した。

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