第69話
『獅子の立髪』のスキルを模倣した後、しばらくアムテルさんに槍の取り扱いを見せてもらった。
やはりBランクで槍鬼までスキルを昇華している冒険者だ。
動きに無駄がない。
俺は今まで剣のみを鍛錬してきたから、槍についてはよくわからない。
そんな俺が見てもはっきりとわかるほどである。
円の動きというのだろうか、動作の合間に淀みがない。
流れるような動きで、打ち込む隙が見当たらない。
さすがだな‥
「あんまり見つめないでくれないかい。少し恥ずかしいのだけど‥」
さすがだな‥
男をドキッとさせるのもBランク冒険者ゆえか‥
少しアマンダさん達と話をして参考になりましたと告げ、次の目的地へと向かう。
次はBランクパーティの『雷鳴の音』が滞在している宿に来た。
お昼も過ぎ夕刻になっていたため不在の可能性も考えていたが、運良く今日は依頼を受けていないようで、パーティ全員が宿で休んでいた。
さっそくアマンダさんたちに伝えたのと同じように闘技会に参加するように勧められた事と、自分のスキルの事と訓練の仕方を学べないかと尋ねた。
ドラゴン討伐時に他のパーティの手助けをした事で印象が良かったのか、何の疑いもなく相談に乗ってくれる事となった。
「俺は【下肢筋力向上】で発現確認型のスキルだから参考にならないな。」
「私も【属性魔法:水・土】だからな。どちらかと言うと私の訓練方法は君のパーティにいる赤髪の子がいいんじゃないかな?」
スコルさんとストールさんがギルドカードを見せながら、そう言ってくれる。
(ピコーンッ)
『模倣スキルを発現しました。スキル【下肢筋力上昇】を模倣しました。』
(ピコーンッ)
『模倣スキルを発現しました。スキル【属性魔法:水】【属性魔法:土】を模倣しました。』
よし。
属性魔法は四属性だったとしても、同じでなければ模倣できるようだ。
それにストールさんの申し出はありがたいな。
今度アキーエに伝えてみよう。
「俺は【格闘鬼】で常時発現スキルではあるけど、【剣闘士】は盾も使うんだろう?だとしたら俺よりオーファンの盾での立ち回りの方が役に立つんじゃないか?」
アックレさんは徒手空拳での戦いのため、教える事ができないと言われた。しかし無手での立ち回りならばアックレさんの事もアキーエに伝えるべきだろう。
「そうだな。俺は【盾鬼】で基本的なところは伝える事は出来ると思うが、どちらかと言うと立ち回り的にはマルコイのパーティ小さな女の子の動きになるからな。それでもいいならいいぞ。」
(ピコーンッ)
『模倣スキルを発現しました。スキル【盾士】は統合しています。スキルを模倣できません。』
ピコーンッ)
『模倣スキルを発現しました。スキル【格闘士】を模倣しました』
『模倣スキルのレベルが上がりました。模倣スキルを譲渡出来るようになりました。』
『対象に模倣スキルを譲渡しますか?』
うんうん。やっぱり盾士も同じく模倣できないか。
格闘士は模倣できたからよかったな‥
は?
模倣スキルを譲渡出来るようになりました?
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