第334話 夜の事情4
いろいろ気にはなったが、今はジョニーの事は忘れて店へ入る事にする。
お店の外観は宿屋と同じような感じだ。
俺店の看板には『妖精の泉』と書かれていた。
何となく嫌な予感がする‥。
お店の中に入るとそこにはカウンターがあって、やはり宿屋と同じ作りである。
お店の中には他の客は一人もおらず、とりあえずカウンターに向かった。
カウンターの中にも誰もいないのでお店の従業員を探そうと店内を見回すが誰もいなかった。
ん?ジョニーに騙された??
ジョニーに対して不信感を募らせていると突然カウンターから声を掛けられる。
「いらっしゃいませ。」
えっ、今誰も居なかったよね?
そこには黒いスーツを着た50代ぐらいの男性が立っていた。
「いや、ジョニーじゃん!!」
さっき別れたジョニーが目の前にいて、さらに驚いてしまった。
「ジョニー?私はアドューと申します。今後とも宜しくお願いします。」
アドューが頭を下げて挨拶してくる。
とりあえずお店に初めて来た事を伝えておく。
「初めてでしたら、『お任せ』の方が宜しいかと思います。」
アドューに勧められて『お任せ』を選ぶ事にした。
「お客様に何かご希望はありますか?」
「特には‥。」
「多少お高くなっても宜しいでしょうか?」
セオリから大量のお金はもらっていたので素直に答える。
「全然大丈夫です。」
俺の答えにアドューの目が怪しく光るのであった。
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