第118話 説明


神様との会話が終わって、意識を戻すと目の前で嫁達が土下座していた。


「とりあえず椅子に座ろうか。」


反応がない。


「緋莉、皆んな顔すら上げてくれないけど‥。」


「イチロー様、それは仕方がないと思います。目の前に神様がいらっしゃるので。」


「とにかく話をしたいので、椅子に座って!」


何となく嫁さん達と距離を感じたので少しだけイラッとしてしまい、言葉が少し強くなった。

あっ、ニーナが少し涙目になってる。


うーん、神化はぜんぜん特にならないよね?嫁さん達と距離が出来てしまった‥。


俺が怒った事で、皆んなが椅子に座ってくれたが誰も目を合わせてくれない。

何とか皆んなとの距離をつめなければ‥。


「落ち着いて聞いて欲しいけど、緋莉の言う通り神になりました。」


数人が土下座しそうになったので慌てて止める。


「神になったけど、特に能力は変わらないよ。指先一つで世界を滅ぼしたり出来ないから安心して。それより俺が神になった事が他の人に知られると大変なことになると思うので、この事は秘密にして欲しい。皆んなと静かに暮らすために協力してほしい。」

皆んなに頭を下げてお願いする。


「たしかに大変な事になりそうね。わかった、この事は秘密にするわ。」


「明日香、ありがとう。」


「イチロー様、子供の件はどうなりました?」

イリスが懇願するように見てくる。


さて、どう説明しよう。

下手に嘘はつきたくないし‥、神様の呪いを教えると萎縮しそうだし‥。


「神様のお陰でイリス達との間に子供が出来るようになったよ。ただ、普通より出来にくいみたいなので気長に作っていこう。」


「出来る様になったのですね?」


「うん、少し出来にくいけど。」


「出来にくいなど、微々たる事です。数をこなせば問題ないですよね?」


えっ?数をこなすの?


「神になったということは、体力も精力も無限に湧きますよね?」


「もちろん!」

何故か緋莉がドヤ顔で答える。


あれ?さっきまでの雰囲気が急に変わってきたような。

何か雲行きが怪しくなってきました。

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