第23話 家探し2


とりあえず土地は確保出来そうだ。あとは家だけど、新たに建てたりすると時間かかるだろうなぁ。


「家を新築する場合、魔法で一気に建てたり出来ますか?」


「残念ながらそんな便利な魔法はないですよ。仮にあったりして大工の仕事がなくなります。」


「一般的な家を建てるとして、どのぐらいかかりますか?」


「そうですね、新築となると半年以上かかります。」

そんなには待てない。


「まだ住めるのに、何かの理由で取り壊さないとダメな物件とかないですか?中古がダメな潔癖症の貴族とか?」


「イチロー様、その情報はどこで手に入れましたか?」

バウさんが驚きの表情をした。よし、やっと借りを返せた。ずっとやられっぱなしだったからね。まぁ、タネを明かせば神様からの入れ知恵だけど‥。


「情報源は秘密です。たしかかなり強引な契約をされて、工期がギリギリとか。もし一日で取り壊しが出来ると言ったらどうしますか?もちろん壊した資材は渡せませんが‥。」


バウさんが目を見開く。

「先程の一般の家ではありませんよ。お屋敷ですよ。どんなに急いでも取り壊すのに3ヶ月はかかる作業ですよ。もし本当にそんな事が出来るのであれば、何でもしますよ。」


「それは、取り壊した家と全く同じ作りの家の改築とかでもですか?」

バウさんが何かに気がついたようだ。


「まさか、屋敷ごと収納‥「方法は秘密です。」」


「大きなお風呂とか欲しいですね。あと成金趣味な装飾はいらないので、シンプルがいいです。あとは奥さん達に聞いて下さい。」


「さすがイリス様が結婚された方ですね。最後に一本取られてしまいました。ちなみに改造は1ヶ月以内で終わる内容にして下さいね。」


「奥さん達に次第ですね。それより一つお願いがあります。今回の工事の事を内密にお願いしたいのですが、口の固い人に工事を依頼出来ないでしょうか?」


「それでしたらご心配なく。工事する人間も我が社の従業員ですので、秘密を漏らすものは1人もいません。」


一人一人弱みでも握ってるのかなぁ、聞くのが怖いよ。


「では、今から取り壊しに行って、明日例の土地のスライム退治を行います。明後日、物件を見ながら改築を話し合うというのはどうでしょうか?」


「取り壊しと、土地の方を2日で終わらせるのですか?それはさすがに無理では‥。」


「バウさんも作業は早い方がいいですよね?早ければ早いほど、いろいろ改築出来るでしょうからね。」


「お手柔らかお願いします。」


「それでは、案内をお願いします。」


取り壊しの現場にはバウさん自ら案内してくれるようなので、みんなで現場に向かった。

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