少女漫画シチュ→グロ

「これで何匹目?」


 スパキラ剣をゴブリンの頭から抜きながら、ダリアに尋ねる。

 

「えと……三十五匹目です」


 ダリアがバンズとゴブリンの耳を回収しながら答える。

 二人とも精霊魔法を使うようで、器用に水の刃でゴブリンの耳を剥ぎ取っている。

 時刻は20:50。

 ゴブリンの繁殖エリアは抜け出せたようだが、そこからひっきりなしにゴブリンと出会う。今現在いるエリアは、兎に角、曲がり角が多い。何度となく、角を曲がる度に出会い頭のサプライズゴブリン湧いてくる。

 多分あの角曲がるとパンを咥えた——


「グギャアアア」

「うるさい!」


 ゴブリン数匹を瞬殺する。

 合計三十八匹。カエデが歩けばゴブリンに当たる状態だ。『ゴブリンどこ?』と嘆いていた数時間前が嘘のようだ。


「ダメ。お腹すいたから、食事にする。串焼きだけど、いる?」


 ダリアとバンズがモジモジしている。別に遠慮はいらない。


「あの……」

「遠慮せずに食べて」


 串焼きを受け取らない二人。お腹すいてない? カエデちゃんは、ハングリーだから二人が受け取るのを待たずに串を食べるけど。

 指に滴る串のタレを舐めていると、ギンがきゅうりとパンを差し出してくる。


「これだえ~」

「え? これ? もしかして、これなら食べれるの?」


 二人は、きゅうりとパンを受け取ると、凄い勢いで食べ始めた。やっぱりお腹すいてたよね。

 ホブゴブリンは、なんと草食のベジタリアンだという。食べれる物があって良かった。パンなら結構な数を買ってきた。


「ユキとうどんもオークがあるから。ギンちゃん、玉いる?」

「玉だえ~」


 暫しの休憩、少しだけでも目を閉じて身体を休める。


◇◇◇


「カエデ……さ……ん。カエデさん!」


 あ! 普通に寝てたじゃん! ダリアに肩を揺さぶられ目が覚める。

 ん? 何、この振動。トンネル全体に振動が伝わり、パラパラと天井から土が落ちてくる。


「なにこれ?」

「つい先程、振動が始まったんです」


 これは、地震じゃない。

 嫌な予感がする。ユキとうどんも警戒体制に入っている。


「先を急ごう!」


 曲がり角エリアを抜け、少し広い場所に出る。ああ、ここが臭いの根源の場所だね。むせ返るような悪臭で、折角食べた串を吐きそう。

 暗くて、先が見えない。中心の土盛り部分にヘッドライトを照らし後悔する。


「ビジュアルが、R指定じゃん」


 ここは、ゴブリンの食糧庫? 目を背けたくなるような、色んな何かがグチャグチャになってまとめて置いてある。あれ、人の腕じゃないよね? あー、多分、いや絶対、人の腕じゃん。


「ここは、素通りするよ。早く行こう」

「ヴゥー」


 ユキが上を見ながら唸る。見上げると……


「ああ……最悪じゃん……」




 

 

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