罠になるもの
昨日のオークの事を考えながら、ログハウスで朝食を食べる。外で食べようかと思ったが、外ではオークが美味しく食べられているので…わざわざオークの残骸を見ながら朝食は食べたくなかった。
首や身体のあちこちに戦いの痕が残っている。不思議水で殆ど治ったので、薄っすらと赤くなっているだけだが…昨日は危なかったな。
ゴブリンは小さいから数匹で襲われても問題はない。だが、オークは私より体が大きく肉が分厚い。一匹でも苦労したのに…あれに数匹襲われたら…多分死ぬな。
オークの魔石を食べる狐親子も気になる。今朝、母狐を確認したがやっぱり少し大きくなっている。成長の魔石なのか? 私も食べたら胸が…いや、やめよう。
今できる対策としては、やはり罠か…落とし穴を増やすか? それ以外の罠が今は思いつかない…いや引っかけて転んだ所に杭とかどうだろう? でも…自分も引っかかりそうで怖い…少し遠くに設置するなら、普段は行かないので大丈夫だろう…
早速出かける。
狐親子も当たり前のようについてくる。兎を罠から回収するついでに、木に巻き付いたツルを集める。途中でツタも見つけて回収しようとしたが、手を止めた。この三枚葉、これはポイズンアイビーだ。小学生の時にキャンプでこのツタウルシに触って酷いかぶれをおこした事があった。こんなに群生してるなんて…そういえば、これって確か燃やすと煙でもかぶれるんだよね? 使えそうだけど、触りたくないな。
今日収獲した兎の頭をポイズンアイビーの群生の中に転がした。ご近所さんはあまり頭のいい生物ではないので、真っ先に食べに来るだろう。オークはどうかな?
このツタが厄介なのは、手袋をしていても中にかぶれ成分が浸透するほどパワフルなのだ。服や物にも付着してかぶれるのだ。間違って触れたかもしれないから早く帰って石鹸で洗うか。
「キュキュキュワーン」
「こら! あの兎の頭は罠だから。餌じゃないから」
それでも兎の頭を取りに行こうとする小狐に母狐が噛み付く。
「キャン」
小狐、お母さんに怒られたね。
しゅんとする小狐を無視してログハウスに帰る。ドラム缶風呂を沸かして着ていた服をバケツに入れた洗剤に浸けて洗う。自分の体や髪も念入りに石鹸で洗う。確かかぶれの症状二日目とかに出たんだよね。大丈夫だと思うけど…今後はあの辺を歩く時は気をつけよう。
昼から木こり活動を頑張っていたら、いつの間にか夕方になっていた。昼の残りを食べてベッドに入る。
狐親子は外だ。家の中にいると面倒なので夜は外に出している。
「キュワーン」
くっ。無視だ。おやすみなさい。
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