第82話 再スタート

「......ということで私もついて行くわ」

「『ということで』と言われても何も説明されてないんだけど」

 私はアヤナの突然のついていく宣言に迷惑気味に言葉を返す。

「ほら、マコトさんに変な女が寄り付かないようにするために、私のような美少女がガードしてあげないといけないわ」

 アヤナは胸に手を当てて誇らしげに宣言した。

 まあいいか。チカちゃんを探すなら人手は多い方がいいし......

「それじゃあ戻ろうか」

「「はい!」」

 私の言葉にアヤナとカーミラが返事をした。

「じゃあ2人とも私につかまって......オールテレポート!」

 私たちはその場から消えてまたミリムとシオンの前に移動した。

「あ、戻ってきたのじゃ」

 ミリムは私たちを指差して言った。

「ちょっと待って1人増えているわよ」

「はじめまして。マコトさんの彼女のアヤナよ!」

 シオンの言葉に反応してアヤナが自己紹介を始めた。

 自己紹介をするのはいいけど間違った紹介をするのはやめてもらえないだろうか?

「か、彼女じゃと!? ではカーミラはさしずめ愛人といったところじゃったのか!?」

「な、何でですか!? 違いますよ!」

 ミリムの言葉にカーミラが否定した。

 その横でアヤナはシオンのことをじろじろ見ていた。

「何よ......」

 シオンはその様子を見てアヤナのことを不審者を見るような目で見る。

「ふっ......エルフ族......しかもおばさんね。私の敵じゃないわ」

「な、なんだと!?」

 アヤナはやれやれと言わんばかりの態度でかけた言葉にシオンが怒りをあらわにしていた。

「あーもう! 喧嘩はやめて! どうしてもやめないなら睡眠魔法使って喧嘩をやめさせるけど? ここでお昼寝でもしてみる?」

 私が一言そう言うとアヤナとシオンがびくっと体を震わせる。

「わ、私たち喧嘩なんてしてないわよね......ええっとエルフの人、名前は何ていうの?」

 アヤナはシオンに尋ねた。

「私はシオンよ。私も大人げなかったわ」

 うんうん。仲直りできたようだ。それじゃあ今度こそチカちゃんを助けに行こう。

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