114話 整理とメロン
『縲絶蔓笆?縲代↓繧医k笘?サ昴?????謾ケ騾?縲∝所縺ウ笘??蠅を確認しました』『実行中……』『失敗しました』『条件を確認』『条件は満たしています』『強制ログアウトを開始します』
見慣れた天井だ。自分の部屋の天井だからか。また強制ログアウトさせられたようだ。
なんかどっと疲れた。あんだけバチバチ戦ったしな。
ハァ〜〜、何もしたくない。
一旦色々現状を整理するか。目的を見失うのが一番こわい。
そもそも俺たちが、三本皇国に来たのは北にいる敵を見るための船を出してもらうためだった。その船は坂本さんが持ってるから革命軍に協力している。
途中でタラッタちゃんを召喚で……もう来てたから召喚は終わったか。
それで、シロ、リューゲ、ソルさんとタラッタちゃんはあのクソを何とかしに行くので別れて行動する。
残った俺、ネア、マツ、フニフニさんと坂本さんが北に行く。
先程の戦いは、勇者、聖女のペアと戦ってかなりギリギリ倒した。その後将軍さんの所に行って変な陰陽師が勝手に死んで、将軍さんと戦った。
最後にキャシーちゃんのナイフが折れ、謎の女性が現れて眠気を感じ、強制ログアウトさせられた。
正体も目的もわからずじまいだったな。
「前の強制ログアウトは戦闘後だったし、もしかして死んだのか?」
眠気と死はかなり近い気がする。よく死ぬ描写で眠くなるとか言うし。
こんなもんかな。
「そういえば最後、“怠惰の”って言ってたな」
マツの【謙譲】の例もあるし、かの有名な大罪のスキルっぽいな。俺もそういうカッコイイスキルが欲しい。
あとは――――
「――く〜ん、こ〜く〜ん」
寝てたのか。昼頃に寝て、今はもう夕方みたいだ。
布団の中で考えごとはやはり良くなかったな。しかし、布団はこの地獄と化した現代の、唯一のアオシスなのだ!
「ご飯買ってきたよ〜」
「何ー?」
「メロンシャ〜ベット〜」
「マ?」
「マ〜」
未曾有の危機でごさいます、どうしましょう。姉がメロンシャーベットに脳をやられちまった!
「いちお〜、メロンライス大盛りも買ってきたよ〜」
「……メロン、ライス?」
「そ〜、メロンライス〜」
メロンブームか。あるよね、何故か同じ物を食べたくなる現象。メロンでは珍しい気もするけど。
「そうだ〜! ゲームで何か悩みとか無い〜?」
「悩みか…………」
プレイヤーは俺以外変人なのかもしれない事とか、あそこまでリアルなのにトイレ行かなくていい事とかかな。
「プレイヤー、変人多いなーって思ってるぐらい」
「変人?」
「俺だけがまともだと疲れるんだよー」
「大丈夫〜! そんな貴方に――」
CM始まったな。一体どんなお薬が紹介されるのか。
「こちらの言葉を〜」
お薬じゃないのか。名言を紹介してくれるのか。
「“類は友を呼ぶ”で〜す」
「……もしかして喧嘩売ってる?」
「そんなことないよ〜。それより早くご飯食べよ〜!」
そう言って俺の部屋から出ていった。釈然としない。確かにステータスでも変人とか狂人とか好き放題書かれててるが、俺は至って普通の男子高校生だ。特別目立つような属性も持ち合わせてないし。
さて、これからメロン三昧と洒落込むか。もう二度と姉さんにご飯を買いに行かせない。冷蔵庫や冷凍庫がメロン臭くなるのは勘弁だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます