第52話
「ふぅ、やっと終わった。貴方の言う通り1人で作業をしていたら危なかったようですね。礼を言わせていただきます」
無事のダンジョンコアの引き継ぎを終わらせたダンジョン神がこちらを向いてお礼を述べる。
ダンジョン神が捕まって全ダンジョンがグラトニーの手に落ちるなんて事になったら人間界は終わりだからね。襲撃を防げてほんとに良かった。
「ダンジョン神がグラトニーに取り込まれるという最悪の事態を防ぐことが出来て良かったです」
「それでは、これ以上襲撃を受ける前に私はさっさと神界に帰ることにします。それでは」
こちらとしても、そうしてもらった方が安心なので、引き止めることはせずそのまま見送った。
「とりあえず。今回はこれで終わりかな。まだ領主に今回の報告が残ってるけど、できるだけ早く終わらせて家に帰ろう」
とにかくお風呂に入ってちゃんとしたベットで寝たい。
グラトニー関係の問題は、まだまだ解決できてないけど。
1日ぐらいは何もせずにボーッとさせて欲しい。
「家に帰ってからもカナデさんにグラトニー用の薬剤の報告が有るから、それなりの時間を拘束されることになると思うぞ」
そうだったな…とは言えグラトニー用の薬剤は今1番重要な物と言っても過言ではないものだし。
報告が明日以降で許してとは言えないか…
「それに関しては、仕方ないって諦める。2人ももちろんついて来てくれるよね?」
2人も巻き込もうとしてみる。
「私はフランの面倒を見ないといけないからな。残念だがついて行くことはできない。非常に残念だが…」
「私はリバイアサンの里の別荘にある水槽のメンテナンスしないと。そろそろ海ぶどうの収穫時期なので…」
2人とも無理やりこっちに引き込みにくい言い訳を…。
特にフィアとかフランのことをだされちゃったら、俺には何も言えない。
シャルに関しては、カナデに報告しに行くより海ぶどうの様子をみる方が大変なんじゃない?ってちょっと思うけど。
そこまでして研究室に行きたくないのか…
「それなら1人で行くからそんなに必死にならなくてもいいよ…」
まぁ、余計なことを言わなければ3時間ぐらいで開放されるだろう。
「まずは、地上に帰ってみんなと合流しよう」
いつまでもここにいる意味はないしさっさと外に帰ろう。時間がもったいないし。
それより、途中ですっぱりグラトニーからの干渉が無くなったのはどうしてなんだろう?
相手が諦めたと言えばそうなのかもしれないけど、そんなに諦め良い連中じゃないと思うんだよね。
少しモヤモヤしたものを残しつつ地上に戻った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー???ー
「ごふっ」
「どうしたのですか!?」
自分たちのトップが突然喀血したのに驚き近づく。
「今、近づいちゃダメだ!って、あ〜あ遅かったか」
喀血しているグラトニーに近づいたグラトニーは溶けて消えてしまった。
「やられた。気をつけていたつもりだったんだけど。こっちが干渉しているのに合わせて攻撃された見たいだ。とりあえず。今、私に近づくと彼みたいになるから絶対に近づかないように」
みんな不安そうに王のことを見つめるが、近ずくとどうなるのか目の前で見ているので近づくことができない。
「それにしても、あの瞬間ダンジョン神を守っていた存在も、攻撃してきた存在も想像以上だったな。これは今回の世界は食事ではなく、敵との戦闘と言う意思で赴く必要がありそうだ」
グラトニーの王は喀血をしながら、今回の世界は大当たりだ!と笑った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー神界ー
「ちっ、殺りきれなかった。致命傷は回避されたよ」
「まぁ、これで殺れるぐらい簡単な相手だったら、ここまでの事態になってない。しっかりとしたダメージを与えられただけで十分だろう」
神界で世界神とフェムトが会話をしている。
あの時、グラトニーからの干渉がパッタリ無くなったのは、ダンジョン神を取り込もうとダンジョンに干渉しようとしたのを逆手にとってフェムトがグラトニーの親玉に攻撃をして傷を負わせたからだった。
「それにしても、その姿を見るのは久しぶりだな」
世界神にそう言われたフェムトはいつもの幼女姿ではなく20代中盤のお姉さんと言った姿になっている。
「まぁ、本気を出すにはこの姿じゃないと無料だからね。それに幼女姿だとコウは僕に手を出してくれないから、最近夜は意外とこっちの姿のことの方が多いよ?」
ここからフェムトの惚け話が始まる。無理に止めてフェムトを怒らせると面倒臭いので半分以上話を聞き流しながら、フェムトの話に相槌をうつ。
「話聞いてないでしょ?」
「そんなことないぞ。話を聞いていたら私も久しぶりに妻に会いたくなって来た。今から会いに行きたいが、先にグラトニーを排除しないとな」
世界神の妻は別の世界の最高神。会うためには別の世界の神界に行かなきゃ行けないのでグラトニーの襲撃を受けている現在会いに行くこができない。
「コウも早く解決しちゃいたいって思ってるだろうしそんなに時間はかからないからすぐに会いに行けるでしょ。後、世界神様がいない間の管理、僕がするのは嫌だから。他の神にお願いしてね」
「分かっている。実力的には問題なくてもわざと失敗しそうだから、ちゃんと他のやつに頼む」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます