第46話

「なるほどねー。それで研究所に来たんだね。それなら好きなだけ持って行ってくれ、対グラトニー用薬剤はこの部屋にストックしてあるから、あとは第7倉庫にポーション系がしまってあって、第10倉庫に息抜きに作ったシリアルバーが有るからそれも好きに持って行って」


確かにポーションとシリアルバーも救援物資として役にたつだろう。


と言うか俺が俺が知ってる中では倉庫は第5倉庫までだったんだけど、最低でも倍は倉庫の数が増えてるってどれだけ物を作ってるんだか。


「倉庫まではグラちゃんがナビしてくれるから」


俺が知ってる倉庫は第5倉庫までなので大人しく案内してもらおう。


「マスター失礼かと思いますが。こんなゆっくりしていて宜しいんですか?グラトニーがダンジョンから溢れて来ているんですよね?確かに物資は必要でしょうが。マスターが持っていく必要は無いのでは?」


グラちゃんの言うとうり、俺は今すぐグラトニーの溢れているダンジョンに向かって。

物資はあとからキュアノス島にいる誰かに持ってきてもらえばいい。

と言っても俺が今すぐ行っても戦闘は終わってると思うんだよね。

そりゃ最初は完全に後手に回ったってちょっと焦ったけど。そのダンジョンがある場所はソールシュルテンだって聞いてある意味落ち着いた。

ソールシュルテンはエルフたちが多く暮らす国で世界樹が生えている国でもある。

世界樹には守護者として神獣ニーズヘックが巻きついている。


普通のスタンピードならニーズさんは助けてくれないだろうけど。

今回のスタンピードはグラトニーにダンジョンが乗っ取られてグラトニーを生み出すようになってしまって起きた異常事態なので、ニーズさんも動いてくれるはずだ。


あの人が動くなら、スタンピードでダンジョンから溢れてきたグラトニーなんて相手にならないだろう。


「だから、俺は時間が少しかかっても物資を持って行こうかなって」


俺の出番無くね?とも思ったけど。

ニーズさんは恐らくだけど、ダンジョンに潜ってダンジョンを乗っ取ったグラトニーの討伐までは手伝わないだろうから、そこで俺の出番が回ってくるはず。


ニーズさんは世界樹の守護しなきゃ行けないからね。ダンジョンに入っていると世界樹に何かあった時に行動する時にワンテンポ遅れてしまう。


グラトニーが世界樹を狙っている可能性だってゼロじゃないし、ニーズさんがダンジョンに入るってのは、ほんとの最終手段だろう。


ニーズさんも俺が来るだろうから、ダンジョンの中は任せれば良いかとか思ってるだろうし。


「なるほど。神獣がいるのなら増援は不要でしょうね」


「あ、そうそう。あとついでにこれの効果も試して来て欲しい」


カナデさんがスプレー缶用意していた。


「いまさっきやっと完成したんだよ。グラトニーに吹きかけたらそれだけで金属を錆びさせて劣化させれる…はず」



スプレータイプか…。今までで1番使いやすいかも?



まぁ、使って見ればわかるだろう。



「分かりました。使って見て後で感想を言いにきますよ」


その後はグラちゃんのにナビゲートで倉庫を回って物資を補給していく。


最後の第10倉庫に到着したのだか。

シリアルバーの味が多すぎて少しビビる。

ところどころなんでそんなもの作った?って味のものも存在している。


「チョコ味だったりフルーツだったりは良いけど。なんで納豆味とかピータン味、シュールストレミング味とか作っちゃったかな…」


作るなとは言わないけど。シリアルバーで好き嫌いがはっきりわかれる味を再現するのはダメだと思う。


折角なら甘い味の方が喜ばれるかな。

甘いものって少ないし。甘いものが苦手って人もいるだろうし。チーズ味とかカレー味みたいな甘くないのもある程度は持っていこう。

甘いもの、そうじゃないもの8:2の割合で持っていくことにする。


「結構時間を使ったな。まだシリアルバーしか準備終わってないのに」


まだ、ポーションに対グラトニー用の薬剤を取りに倉庫に行かなきゃ行けない。


「後は奇抜なものも無いのでここまで時間を消費する事はないと思いますよ」


確かにポーションと対グラトニー薬剤に奇抜なものは無いだろう。


「…ねぇ、グラちゃんやっぱりあれフラグだったのかな?」

たこ焼き味、ハンバーガー味と書かれたポーション瓶を持ちならがグラちゃんに話しかける。


「申し訳ございません。博士の発明は全て把握しているつもりだったんですが…なんか色々作っているようです」


「ポーションってゲロマズだから、ポーションが不味くなくなるって言うのは歓迎すべきことなんだけどね。味の代わりに効果が落ちてるとか有りそうだし、カナデさんにしっかり聞いておかないと。グラちゃん確認お願いできる?」


今から自分で聞きに行ったらまた時間がかかっちゃうし。

ちゃんと普通のポーションもストックされていたので、グラちゃんが確認をしている間にそちらの方を収納魔法に仕舞っていく。


「博士が言うには普通のゲロマズポーションの7割の効果だそうです」


そのぐらいだったら、こっちの味付きの方を選ぶ人が多そうだな。

味付きのポーションもいくつか持っていく事にした。



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読んでいただきありがとうございます。

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