第40話
「ダンジョンの入口はこんな感じで2つ並んでいます。左がアイアンゴーレムが出てくるダンジョン。右が主に野菜が手に入るダンジョン。もちろん、どちらのダンジョンもそれ以外の素材も手に入ります」
転移でダンジョンの入口まで移動しても良かったんだけど。商人の護衛役にダンジョンを案内する為に行くわけだから、転移は使わない方がいいかなと、商業ギルドから歩いてダンジョンに向かった。
出来るだけダンジョンへのアクセスが良くなるような場所に作ったから、そんなに歩く必要無い。
「説明を続けますね?このダンジョンにはそこにある白い台座にさっき渡したカードをタッチすることで入場できるようになります。逆にかざさないとダンジョンに入ることは出来ません」
試しにダンジョン入口の横にある。白い台座にカードでタッチせずに入ろうとしてみるけど。透明な壁に阻まれてダンジョンの中に入ることが出来ない。
簡単な説明を終わらせたあと、商業ギルドの人にどちらのダンジョンに入りたいか確認をした結果。
今回はアイアンゴーレムが出てくるダンジョンに入る事になった。
まぁ、今回だけじゃアイアンゴーレムの居る階には辿りつけないだろうけど。
俺とティアナさん2人でだったら余裕だけど商業ギルドの人が居るし無理だろう。
「このダンジョンは坑道風の道が迷路のように続いている、まぁ下の方の階層まで行くと、また変わるけど。ちなみに坑道風なので壁から鉱石を採掘できます」
商業ギルドの人達に説明をしながらダンジョンを進む。
商業ギルドの人達は少し緊張しすぎない感じもするけど。戦えるって言っても商人の護衛が仕事なんだからダンジョンに入るのは初めてなのかもしれない。
そんなに難易度の高いダンジョンじゃないし何度もダンジョンに入っているうちになれるだろう。
もし、ダンジョン内で死んだとしてもダンジョンの入口で生き返れるし。
レベルは半分になって持ち物は全部無くなるけど。
本当だったら死んだら終わりなんだし、生き返れるだけ儲けもんだろう。
「ロックゴーレムが出てきたね。誰が戦う?」
歩いているとようやく魔物と遭遇する。
戦ってみたい人もいるだろうし、戦いたい人がいるか声をかけてみる。
「それなら私が」
両端が少し膨らんだ棍棒を装備した人が戦闘に立候補して来た。
武器の相性も悪くないだろうし商業ギルドの護衛の実力がどれほどのものか見てみたいし戦ってもらおう。
「ならどうぞ」
先頭を棍棒持ちの人に譲り、観戦モードに入る。
ロックゴーレムは打撃武器を使えばそこまで
苦戦することは無い魔物だし、心配することないはずだ。手は痺れるかもしれないけど。
石を打撃武器で叩くわけだし。
ロックゴーレムと棍棒持ちの戦闘が始まる。
ロックゴーレムは腕を地面に叩きつけ、棍棒持ちを叩き潰そうとする。
威力は高いだろうが、動きは遅いし。棍棒持ちも余裕を持って回避する。
避けるだけじゃなくて地面に叩きつけられた腕を棍棒で攻撃する。
ロックゴーレムの腕に少しヒビが入る。
「まぁ、それなりに硬いな」
棍棒持ちは1度後退してロックゴーレムと距離をとって棍棒を構え直す。
棍棒に魔力を流し始めたな。ただ棍棒の高度をあげるだけなのか。
それとも、なにか別の技術も持っているのか…。
「はぁ!【浸透撃】」
ロックゴーレムに接近してロックゴーレムの胴体に棍棒を叩きつける。
最初に腕を叩きつけた時より力を込めてなさそうだったけど 、棍棒で叩いたところから
ヒビが全体に広がっていきロックゴーレムが砕けて地面に散らばった。ゴーレムのコアの役割をしている魔石も粉々だ。
浸透撃って言ってたな。魔力を流し込んで内部から破壊する技術ってところかな?
相手に触れる必要が有りそうだし、ディルフィーニのエコローケーションの下位互換みたいな感じだな。
とは言え、防御をある程度無視出来るだろう技術。中々の技術と言えるだろう。
まぁ、ゴーレム系の敵が出てくるのは分かってるんだから、相性のいい人物を護衛として用意してきてるみたいだ。
最初っから素材の採集を冒険者ギルドに頼りきりにするつもりは無かったらしい。
冒険者ギルドや商業ギルドからしたら連れて来れる人数が多くは無かっただろうし。
それもあってかも知れないな。
いや…単純にスタンピードが起きた時に対処できるようにか?
それとも、冒険者ギルドがやらかすって最初から分かっていたから連れてきたとか……。
商人は独自の情報網を持ってたりするからな。最初から冒険者ギルドがやらかすって情報を入手していて、俺が冒険者ギルド所属を全員追い出してもダンジョンから素材を持って来れるように対処していた。
「考えすぎだな。もし、あっていたとしても俺には関係ないし」
その後も戦闘は商業ギルドの人に任せて地下2階に降りるための階段の所まで行って今日は引き返した。
地図も持ってるには持ってるけど。
これに関しては自分たちでマッピングしてもらおう。
ダンジョンから商業ギルドに戻ってドラゴンの肉などそこそこのレア度の食材を渡してから商業ギルドを後にした。
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