第15話
ソードビットを1人だけ上手く使えなくて少し落ち込む事になった、アイの新作魔道具発表会から1夜。
夜なべしてお願いした杖を作ったらしく、朝食を食べてる間に完成報告を受けたので朝食を食べ終わった後に全員で訓練場に移動した。
「まさか夜なべして作るとは…。もっとゆっくり作れば良かったのに」
「楽しくなちゃって、集中してたらつい…」
完成した杖を手に握って、魔力を流したりしてみる。
「まだ、この杖しか無いわけだから分かんないけど、良いんじゃない?」
魔力の流れがおかしくなったりしないし。
「結構大変だったんですよ?先輩。杖の素材として貰った木は場所によって魔力の流れがスムーズに行かない場所とかあって、杖に使えるような場所を探すのも一苦労でしたし」
ただ木を杖の形にして魔力玉を付ければ良いとかそんな簡単な話じゃ無かったらしい。
確かにそんなに簡単だったらアイが夜なべする必要ないもんな。
ちなみに今回はフロンダンジョンで採集した溶岩に投げ込んでも燃えなかったし、フェニックスの炎にも表皮が燃えるぐらいしか被害のなかった。抜群の耐火性を誇る8階層に生えてる木を杖の素材にした。
使う魔力玉と同じ属性の素材を使った方が最終的な倍率が高くなるので、火属性ならこれだろと思い今回はその木を使ってもらった。
ぶっちゃけ世界樹の枝を使えばお手軽にやばい杖が出来るんだろうなって予想はついてるけど、それは最終手段という事で今回は使わなかった。
「ちなみにこの杖は火属性魔法の効果を1.4倍してくれます」
セラスがくれた魔力玉は前回と同じ1.1倍の物だったからプラス0.3追加されたみたいだ。
「お〜。中々強化してくれるね。わざわざ訓練場に来てるんだし、早速使ってみるか」
適性のある水属性以外の魔法だったら俺も杖の恩恵を受けられる筈なので、訓練場の端に氷で的を作って杖を構える。
杖に魔力を流して杖先からレーザーがでるように想像しながら魔法を発動すると、想像通りに杖からレーザーがでた。しっかり的にも命中している。
1度レーザーを出すのを止める。ちょっと思いついたことがあったので杖を念動魔法で宙に浮かせて、その状態から先程と同じ杖の先からレーザーをだす。
杖無しでも、同じことは出来る筈だけど、レーザーって何もない空間から照射されるよりかは、杖の先端とか照射装置のようなものがある方が想像しやすいからか、当たったら相手を凍らせるレーザーを何もなしで出そうと練習していた時よりすごくスムーズにレーザーを照射することができた。
コレはファンネルと言っても良いんじゃないだろうか?
盾を操作するのは上手く出来なかったのに。今は自由に動かせている気がする。
「ねぇ、アイ。水が火の魔力玉ってまだ残ってる?」
今回は属性につき、1つづつではなく何個かまとめてセラスがくれたので何個かまだ持っているはずだ。まさか全部なにかに加工したとかないよね?
「も、勿論残ってますよ?」
そう言って水属性の魔力玉を2つ渡された。
各属性につき10個づつぐらい貰ったはずなんだけど…。しかも火属性の魔力玉に関しては使い切ったんだね。
まぁ何も考えずに全部渡した俺にも責任はあるので何も言わない。
受け取った魔力玉も念動魔法で宙に浮かせて杖を含めて3つから同時にレーザーを照射する。1つは火属性、2つは水属性と別の属性だったけど、割と普通にできた。
盾の時と比べて動かす数を増やしても問題ないし。
盾の場合、自分の動きと盾の動きと攻撃って3つのことを同時に考えて動かないと行けないけど。
今みたいにファンネルで攻撃だったら、自分の動きとファンネルでの攻撃ふたつで済むからだろうか?
盾を攻撃使うように使えば俺も上手く使えるかもな。
その後は的を増やして同時に攻撃したりと使ってみたけど、中々楽しい。
実際に戦う時に使うかと言われると使わないかもしれないけど。
わざわざこんな事しなくても相手のまわりの気温を絶対零度にするだけで終わっちゃうし。
「先輩。ソードビットは使いこなせなかったのにファンネルは大丈夫なんですね。それに杖を浮かせて使うって言うのは良いかもしれませんね。見たら真似したいって思う魔法使いが多そうです。ソードビットの技術が使えるんで作るのも難しく無いですし。先輩セラちゃんから、もっと魔力玉貰えないんですか?」
既に魔力玉をほとんど使っちゃってるんだろうな。一体この杖以外に何を作ったんだろうか?後でちゃんと見せてもらわないと。
「さぁ?セラス次第じゃない?来たら貰えないか聞いてみるけど。タダでは無いはずだし。聞いては見るけどあまり期待しないでね」
作るのにいくらかダンジョンポイントを消費してるはずだからな。
その後はソードビット対ファンネルと言った形で全員で模擬戦をする事になった。
途中何度かソードビットを試させて貰ったんだけどやっぱりダメだった。
ファンネルの方は問題ないんだけど…。
読んでいただきありがとうございます。
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