第14話
「今日はマカロニグラタンなんだね」
こないだマカロニを作る専用の魔道具を頼んだのに、アイとフェムトは関係ないものばっかり作って全然作ってくれないってディアーネさん愚痴ってたけど、やっと作って貰えたんだ。
鶏肉、玉ねぎ、ブロッコリーが入ってる正統派マカロニグラタンといった感じだ。
キノコとかタケノコを入れても食感が違って美味しいから今度作る時はそれを入れたのも作って貰おう。
ラザニアも良いよね。自分で1から作るのはちょっとアレだけど、作ってもらえるなら大歓迎。
今日の晩御飯も美味しかったなと食休みをしていると手のひらサイズのダンジョンマスターが騒ぎながらやってきた。
「ひとまず改良が終わったわよ!」
ビー玉見たいな魔力玉を持ったままじゃ戦いづらいんじゃない?杖とかに加工できるようにしたらどう?って言ったら、それもそうねとダンジョンに帰って行ったあと放置だったけど。セラスなりに改良が終わって、それを見せに来たようだ。
それにしてもダンジョンで作り出した物の改良ってそんな半日もかからずに終わるものなんだな。正直、数週間ぐらいかかるものかと思ってた。
これで数週間は顔の前を鬱陶しく飛び回りダンジョンマスターも大人しくなるだろうとか思ってたのに。
「そう、でどんな感じに改良したの?」
見た目は前と全く同じなので、鑑定が出来ない俺には何が変わったか全く分からない。
仕方が無いわね!とドヤ顔でセラスが説明を始める。
「先ずは杖に加工するのが手間だと言う人もいるだろうから、そのままでも使えるよう、そこは変更しなかったわ」
倍率も変わらず、1.1~1.3倍までランダムで出現するようだ。
「ここからが改良した部分で、相性のいい素材と合わせると倍率が上昇するようになってるの」
杖以外にも自分の使いやすい形って有るだろうし。杖って加工先を固定すると魔力玉を作りだす時に必要なダンジョンポイントが上がったからやめたと言う。
俺もちょっと思ってたけど、指輪だとかブレスレットだとか杖以外にもアリかなとは思っていたし。そっちの方がコストが安いならそっちの方が良いだろう。
後は魔力玉自体に倍率設定はそのままで素材の相性によって倍率がプラスされりするのも
良心的でいいと思う。
「これをコウに実際に使って貰って、実験して欲しいの」
やっぱりテスターがいると改良が早くすんで楽ね。と言いながら魔力玉をいくつか渡された。
ダンジョン産の高性能な物を試せるのは良いけど、失敗するとこっちが怪我する様なものは辞めて欲しい。流石にそんなものは持ってこないよね?
「じゃあ話すことは終わったし私は帰るから。フェムトとコウがダンジョンに入ってきたおかげでサブダンジョンも作れそうだし」
自分の言いたいことだけ言ってセラスは帰って行った。
ちょこちょこセラスが言ってるサブダンジョンについて聞く暇も無かったな。
まぁ今度来た時に覚えてれば聞けばいいや。
こっちから聞かなくても説明してくれる気もするけど。
「と言う訳で、アイこれを使った装飾品作ってみる?」
アイがすごい目をキラキラさせながらこっちを見てるのでそう声をかける。
「勿論、先輩はどんなのが良いとか注文有りますか?」
「とりあえず、火属性でハ〇ポタ風の杖をひとつ。後は自由に使って良いよ」
ひとつはスタンダードなものって事で無難な物にしておいて、後はアイの自由にやらせれば良いだろう。その方が面白いものが出来そうだし。
「それと先輩、流れ的に丁度いいので私の作ったものの発表会も始めていいですか?」
漫画やアニメの武器を魔道具で再現したものってことか、ご飯前にちょっとフラグ建てちゃったけどまさか知能のある武器とか出てこないよね?
と言っても断る口実なんてないし、知らない方が危ない気がするので、素直になのにを作ったのか見せてもらおう。
「勿論、何を作ったのか気になるし」
じゃあ早速と言ってアイが取り出したのはひし形の盾。
その盾にアイが魔力を流すと盾は浮かび上がった。
「見ての通り。魔力で浮かぶ盾です。先輩に分かりやすく言うとソードビット見たいな物ですね」
へぇ〜。また扱いの難しそうなものを作ったな。
「じゃあ使用者の意思である程度自由に動かせるんだね?」
「勿論です。防御には勿論攻撃にだって使えますよ。分割だって出来ちゃいます」
そう言って自分の周りをグルグル移動させる。一通り動かした後、盾の動きを1度止めると、菱形の盾が小さい5つの菱形に分割された。
そして、5個に分裂した菱形の盾を別々に動かして見せてくれた。
「よく作ったなって思うけど。1個の状態でも戦いながら盾を動かすのは難しそう。少なくとも俺は」
ただ立ってる状態の時でも5個に分割させたら一つ一つ別の動きをさせるのも無理だと思う。
と言う事で俺は使わないかな?って言ったら。俺以外の人達からは結構人気で皆普通に盾を操作している。
なんか悔しかったので俺も実際に使って見たけど、やっぱりみんなが動かすより動きが悪かったので大人しく諦めた。
読んでいただきありがとうございます。
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