第12話
「もしかしなくてもこの感じ最奥のボス階層か?」
9階層はまた砂漠だったけど、4階層みたいに馬鹿でかい訳じゃ無く、寧ろ半径10km程度の円形状ぐらいしかフィールドがない。
魔物の反応も1つしかない。
でも、このダンジョンであった魔物の中では1番強そうな感じがする。
なので状況的にここが最奥の可能性が高い。
「想定よりは深かったが。まだ、想定内の深さだったな。ここが最奥ならだけど」
「変なフラグ建てないでよフィア。感じからしてここが最後でしょ」
狭いけど、強い魔物を倒さないと先に進めない階層って可能性も無くは無いけど。
「倒せばわかるか」
砂の中を結構な速度で進んで来てるからそろそろ接敵するし。
少しするとだんだんドドドドドと言ったような音が大きくなり、地面が揺れだす。
砂さばくなので、そのままつっ立ってると足が地面に沈んでいく。
ただでさえ足場が悪いのに魔物の移動による振動のせいで更に足場が悪くなってる。
砂中にいる魔物の反応が俺たちの真下まで来ると、俺達に体当たりするつもりなのかそのまま上に向かってくる。
「そうだフィア。この魔物がどんな攻撃をして来るのかギルドマスターに説明する為に今回はある程度攻撃させてから倒すから、そのつもりで」
情報を集めても活用されるかは微妙だけど、それはそれ、もしかしたら活用されるかもしれないし。
「実際、コウが遊びたいだけじゃないのか?2階層連続でボスがいなかったから」
確かに9割がたそれが理由だけど。
返事をしようと思ったけど砂中からこちらを狙っていた魔物の顔が砂中から顔を出した。
見た目はドラゴンの羽が生えたトリケラトプスのようだった。足を短くして四足歩行になったディア〇ロスって感じの方が近いかも?
名前が分からないので取り敢えず砂龍としておく。
砂龍と目が合ったと思ったらそのまま突進して来る。
それに対して、あえて耐久性度を下げた氷の壁をで迎え撃つ。
氷の壁は砂龍の角は貫通してしまったけど、砕けはしなかったので、砂龍の拘束に成功する。
「ディア〇ロスには何度もお世話になってるからな。対処法はバッチリだ。残念な事に音爆弾は持ってないからおびき寄せたりは出来ないけど」
砂龍は拘束から逃れようと暴れ回っている。
本来なら攻撃するチャンスなんだろうけどまだ倒すつもりは無いので何もしないで砂龍が自由になるのを待っている。
5分程度で氷の壁にヒビが入り始めそれから3分程度たってようやく氷の壁が崩れて砂龍が自由になった。
「なんか凄いバテちゃってるけど大丈夫?」
氷の壁を壊して脱出するのに思った以上に体力を消耗したらしく、だいぶ動きが悪い。
モン〇ン的に言えばヨダレを垂らしている状態。
サボテンでもあげれば元気になるかな?
そんなくだらないことを考えていると、さっきみたいに突進して来るのでは無く、レーザーのようなブレス攻撃をして来た。
氷に壁を作ってブレスを受け止める。
氷の壁にブレスが着弾した瞬間、轟音が鳴り響いて砂が舞い上がる。
砂龍はその間に砂に潜ったようだ。
視界妨害ね。似たようなことされた事あったな。
前回同様今回も筒抜けだった訳だが。
「フィアちょっと確認したい事があるから空飛んでて」
砂龍も砂に潜っている間は音を利用して俺たちの場所を把握してるのかの確認の為空に飛んでもらった。
魔力感知で砂龍を確認すると砂の中をぐるぐる移動して、俺達のことを探しているみたいだ。
バスケットボールサイズの氷の玉を勢いよく地面に投げつけると、落下地点に向かって砂龍が動き出した。
やっぱり音を頼りに場所を把握しているみたいだ。
音がした場所に俺がいると疑っていないようでなん躊躇いもなく砂の中から高速で飛び出してきた。
「なんと言うかすごい純粋と言うか戦い慣れてない感じがする」
さっきから罠に綺麗に引っかかってくれてる。砂龍は古代龍クラスで間違いないし。
古代龍の中でも上位レベルのポテンシャルを持っているのも間違いない。でも、それを全然行かせてない感じがする。
なんなら、コノハを保護して初めてダイワに向かっている途中に遭遇した古代龍。
あれは古代龍の中で考えたらポテンシャル的には下位にあたり古代龍と名乗れるギリギリの強さって感じだったんだけど。
実際に戦わせたらダイワに向かっている時の古代龍の方が勝つ気がする。
「知能の差って事かな?古代龍と言ってもダンジョンに作り出された存在だからそこまで賢くない的な」
詳しくは分からないけど、考えても正解は分からないしこれ以上考えるのはやめた。
「最初に体力を消耗させなければもっと機敏な動きを見せてくれたのかな?」
他にも新しい攻撃をしてこないかな?としばらく砂龍と追いかけっこしてたんだけど特に新しい攻撃はしてこなかった。
古代龍と戦うのに相手に有利なフィールドで戦うって時点で人間側がだいぶ不利だからかブレス以外に遠距離攻撃が無いのか?
1時間ぐらい遊んだし、もういいかな?という事で目視による短距離転移で、砂龍の真横に転移して首を切り落とした。
砂龍の死体をしまうとダンジョンコアが姿を現した。
「フラグは回収せずにすんだか」
これで下に降りる階段が出て来たらどうしようかと。
オルトレーさんにダンジョンを攻略した事を報告するためにダンジョンコアを持ってダンジョンを後にした。
読んでいただきありがとうございます。
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