第9話

「見た目的には胡椒なんだけど、このサイズを粉砕するミルは持ってないから、これは帰ってからのお楽しみだね」


拳大の胡椒なんて一個あればじゅうぶんだろうし。フィアはまとまった数採集して来た見たいだけど。


「インパクトでこっちも手に持って帰ってきたけど、本命はこっちだ」


フィアがそう言ってフェムトの作ったマジックバックから真っ赤ないちごを取り出した。


「今まで食べたいちごの中で1番甘かった」


それは俺も食べてみたい。

フィアからいちごを受け取って少し冷やしてヘタを取ってから口に入れる。


「美味しいけど甘酸っぱい感じだね?フィアが食べた時は甘かったの?当たりハズレがあるって事かな?」


果物なんだし、個体差は有るだろうけど。

フィアが今まで食べたいちごの中で1番甘かったって言ったいちごだって考えると味の幅が広すぎないかな?


フィアがもう1ついちごを用意して自分で冷やしてから食べた。


「成程。コウ、今度はいちごを冷やさないで食べてみて」


もしかしなくても冷やす冷やさないで味が変わるのか!

フィアに言われた通り冷やさず、そのままいちごを食べてみる。


「なにこれ!甘っ」


正直、甘すぎない?ってレベルの甘さ。

これだけで食べるんじゃなくて何かと一緒に食べるのが良いかも。


「砂糖を一切入れなくてもジャムが作れるんじゃないの?ってレベルの甘さだね」


まさか冷やす冷やさないでここまで味が変わるとは…。8階層は面白い物が多いいな。


「コウは美味しい食材が手に入って嬉しそうだな」


「勿論。こんな暑い階層とっとと抜けてやるって思ってたけどマップを埋めるぐらいの勢いで探索することにする」


水の精霊になったからか、対策して暑くなくても長居しよないで早く抜けたいって思うようになったんだよね。

逆に雪原とか寒いところは長居したくなる感じ。


「そう言えば魔物と遭遇した?俺は魚捕まえてる間1度も遭遇してないんだけど」


スタート地点近くだからか1度も魔物が邪魔してこなかったんだよね。


「リザードマン系の魔物と火を吐くトカゲみたいな魔物、後はダンゴムシの魔物と遭遇した。ダンゴムシの魔物は最初落石かと思ったら魔物だったからびっくりしたぞ」


割と色んな魔物がいるみたい。ちなみに溶岩の中を泳いでいた魚は体内に魔石が無かったので普通の魚枠だ。


「聞いた感じ食べて美味しそうな魔物はいないね。まだ遭遇してない魔物に美味しい食材になるやつがいる事に期待しておこう」


「こんな場所にいる魔物だからどの魔物も火耐性が高い素材として結構な値段がつくと思うんだけど。コウはそれより美味しいか美味しくないかか」


「何を分かりきったことを。それにお金に困ってないし。寧ろお金の使い道が無くて困ってる」


基本、自給自足で生活できるし。その方が質の高いものを用意できるからマジでお金を使う機会が少ない。


「地球に旅行に行った時に話していた。魔物の博物館を建てればそれなりにお金を消費出来るんじゃないか?」


それが良いかな。ダンジョンから出たらオルトレーさんに相談しに行こう。

費用は全部こっち持ちだし、反対はされない筈だから問題は博物館を作るような大きいスペースが空いてないって事だな。

フロンはコラーソ公爵家の領都、今から大きな博物館を建てる程の土地はもう残ってない。


オルトレーさんが拡張工事を検討しているって前に言ってたし。拡張工事にお金を出す代わりに博物館を建てる土地を確保させて欲しいって言えば買わせて貰えるかな?


「ダンジョンから出たらオルトレーさんに博物館の話持って行ってみる」


フロンだけにお金を使うと変な勘違いをし始めて有り得ない噂を流し始める輩も居るから、他の嫁さんにも話を聞いて何かしらお金を使う様にしよう。

全部博物館ってのも芸がないし、何かいい案が浮かべば良いけど。ただ寄付ってのもあまり良くないだろうし。


「今はダンジョン攻略優先だけど。アンキロサウルスの尻尾のハンマーがクリスタルになった感じか?」


普通ならダンジョンの攻略中って分かってんの?って怒られるレベルで関係ない話をしながら歩いているとアンキロサウルスのしっぽのハンマーがクリスタルになっている魔物が出てきた。クリスタルは薄い赤色で中々価値のありそうな感じだ。

クリスタルは宝石としての価値だけじゃなくて魔力を流しやすいので魔道具の重要部品として重宝されている。

魔道具作りにハマっているアイのお土産にピッタリだろう。


そんな考え事をしている間にしっぽのハンマーの射程まで近づいて来て、フルスイングで攻撃してくる。

当たったら痛そうだけど、振りが大きいので見てから回避も余裕だし、当たることはないだろう。空をきった攻撃は壁に激突して、大きな音を立てる。

直撃した場所は大きく陥没して、周りにも大きなヒビが入った。

崩れてきたらやだし早めに倒しちゃおう。

攻撃を躱したあとクリスタルを傷つけないように首を切り落とした。

そして死体を直ぐに収納魔法にしまう。


「大丈夫だと思うけど、万が一もあるし早くここから移動しちゃおう」






読んでいただきありがとうございます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る