第11話
俺の攻撃がHPを無視出来るなら、今からでも魔王倒せるんじゃね?って思ったけど、そう上手い話はなかった。残念。
「オークエンペラーの肉、美味しいけどクジャタ、シズ、クラスのお肉と比べると霞んじゃうな」
オークエンペラーたちの血抜きをして解体して、ダンジョンに潜ってから1度も食事を取ってないしここで食事をとるのもありじゃ無いですか?と言う意見が出たのでオークエンペラーの肉を使ってピカタを作った。
クセがないので色んな料理に使えそう。
クジャタやシズに比べたら全然肉が取れないから色んな料理に使うほど量は無いけど。
元の異世界に戻ったらオークエンペラー狩りをするのもいいかもしれない。
少し食休みをとったあと全員でボス部屋の中に足を踏み入れる。
「普通にオークナイトと取り巻きのオークが三体ですね」
通常どおりのポップに俺以外の人は安堵しているようだ。俺としてはオークエンペラーの肉が欲しかったからオークエンペラーが出てきて欲しかったけど。これを言うとどんな文句を言われるか分かったもんじゃないので黙っておく。
「【魔法障壁】【勝利の加護】【ホーリーランス】」
「【挑発】【ライトニングスラッシュ】」
「【ドッペル】【ファイアーランス40】」
「【ファイアーランス20】」
ハルくんがヘイトを取って聖女の子が障壁とステータスアップの魔法を使って、魔法使いのマコちゃんが取り巻きのオーク達を速攻で倒す為に全力攻撃。
ちなみにドッペルという魔法は選択した人物コピーを作り出して戦闘に参加させられる魔法だ。
今回はドッペルの対象を自分に指定して魔法で追撃をさせてる。
ただ本人の半分の能力しか出せない。
俺との模擬戦ではハルくんでドッペルを使って前から突撃させる囮として利用していた。
この世界の魔法で初めて俺も使ってみたいって思った魔法だ。
取り巻きのオーク三体はファイアーランスの雨によって速攻で退場した。
ただ最初の数発は当たってもオークに傷がつかなかったのを見て、これがHPによるダメージの肩代わりか〜と納得した。
取り巻きが倒されたことで少し下がったところにいたオークナイトが前へ出てくる。
オークナイトがハルくんを大剣の間合い捉えて大上段から振り下ろす。
「【パリィ】」
ハルくんは振り下ろされた大剣に合わせて盾のスキルを使い大剣を弾き返した。
大剣を弾き返されたオークナイトはバランスを崩し転倒してしまう。
当然のごとく集中攻撃を受けてオークナイトはそのまま討伐された。
「オークナイトは今までの敵に比べたら段違いに硬かったですね」
「本来だったら硬かっただけじゃなくて、ほかのステータスも高かった筈よ。作戦が上手くいってほとんど何もさせなかったからそう感じなかっただけで」
実際ここの取り巻きオーク達は連携して攻撃してくるので早く倒さないと面倒なことになるし、オークナイトは取り巻きオークに対してのみ有効なHP回復スキルも持ってるらしいので、序盤にオークたちを倒し損ねると持久戦に持ち込まれて厄介な事になるらしい。
今度は部屋の真ん中に現れた魔法陣の上に乗って下の階層である21階層に移動した。
20階層までは凸凹した整地されていない迷宮だったけど、21階層からは下はレンガが敷かれていて天井と左右も綺麗に整えられている。
ただ雰囲気が変わっただけでなく出てくる敵も少し変化した。
超音波でこちらを攻撃してこちらの魔法攻撃を妨害するコウモリ、狼に乗ったゴブリンライダー、味方のバフや敵にデバフを仕掛けてくるゴブリンシャーマン、魔法攻撃が得意なゴブリンメイジ。
20階層までは遠距離攻撃をしてくる魔物はいなかったのに、21階層からはまるで冒険者のように役割分担されていて、たかがゴブリン油断すると手痛いダメージを食らう事になる。
それだけじゃなくて罠にも気をつけていないと魔物と戦闘中に起動してしまいそうな位置に設置されていた。
どうやらこのダンジョンは21階層からが本番らしい。
実際冒険者達からは1~20階層を上層。
21~40階層を中層。41階層以降を下層と呼ばれていて、その区切り事に難易度は跳ね上がって行くらしい。
ただ、手に入るお宝の質もその分上がるのでハイリスクハイリターンな感じになっている。
中層レベルじゃ魔法が使えない人でも簡単な魔法が使える杖とか属性魔法が付与されてる武器等珍しいけど、メイン武器にするには微妙と言った物が当たりらしいけど下層レベルだと聖剣や魔剣、マジックバックなど相当いい物が手に入ることが有るらしい。
このダンジョンの最高到達階層は57階層で60階層が最奥じゃないかと言われている。
ダンジョンの初攻略時には超レアなアイテムが貰えるらしいのでちょっと楽しみ。
武器やマジックバックは俺からしたらハズレなので、なにか生活に便利なものが手に入るといいけど。
敵が遠距離攻撃やバフ、デバフを使って連携するようになっても、ハルくん達は問題なく倒して問題なく下に進んで25階層に着いたところでダンジョン攻略一日目が終了した。
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます