第11話
「あっという間だったな。それにしても後半はやりたい放題だったな」
野生のシロイルカを見に行った時も、シャチ、クジラ、イッカクなどなど色んな生き物に出会えたのに、何故かシロイルカだけは現れず、結局3日かけてようやく野生のシロイルカに出会うことが出来た。
しかも野生のシロイルカと出会った翌日にシロイルカが見れる水族館が再開するというおまけ付き。
野生の動物たちを見れて面白かったから俺としては良かったんだけど、シャルは落ち込んでいた。
ディアーネさんが日本のカレーだけじゃなくてインドのカレーも食べてみたいと言うのでじゃあお昼はインドカレーのお店にしようかって言うと。
日本で探すんじゃなくてインドでインドカレーが食べたいんです。ついでに現地の食材も買います。
とディアーネさんに説得されて、インドまで魔法で飛んで行くことに。
日本語しか喋れないしコミュニケーションどうやってとろうかって思ってたんだけど、フェムトの魔法で相互に自動翻訳できるようにできるものがあったのでそれを使って会話をした。
「地球って言語が沢山あるんですね」というのがフィアたちの感想だった。
異世界は神様たちによって言語が統一されてるからね。地域によって訛りとかは有るけど。元は同じ言語しかない。
ちなみに、その言語は転移した時にフェムトによって喋れるようにして貰ってるので、俺も普通に喋れる。
インドカレーはお店ごとに味が結構違って多くのお店をハシゴすることになった。
その後、観光客が行かないような地元の人が利用する市場に行ってディアーネさんの目利きで食材を買い漁った。
と言っても、買いすぎると周りに迷惑をかける可能性もあるので自重はしていた。
1度、海外に行ったことで折角だから他の料理も本場のもの食べて見たくないと言う空気になって、海外に行くのは辞めといた方が良さそうって思ってたのに、飛び回って海外発祥の料理を本場にいって食べまくる事になった。
観光にもなったし、特に巻き込まれたりもしなかったから結界オーライだったけど。
日本にいた時の方が物騒なことに巻き込まれるって…結果的には俺の想像と真逆の感じになってしまった。
約束通り、博物館にも行ってあっちにも魔物の博物館を作りたいって話も説明できた。
ダンジョンの近くに建ててそのダンジョンから出てくる魔物の展示にすれば、初めて挑戦する冒険者にも想像しやすくなって良いかも知れないと言う案もでた。
普通の冒険者はアイテムバックとか収納魔法みたいな便利な物持ってないから、大きい魔物を倒したら、その場で解体していた重量比のいい素材を選択して持ち帰る必要がある。
でも、どの素材が高く売れるのかしっかり調べない冒険者も多いので、結果的に損してしまう冒険者も多い。
魔物の素材について書いてある本も有るけど、文字が読めない人も多いからそもそも本を読めない人も多いし、本は高価で貴重品だ。
当然、冒険者ギルドには魔物に関する本は常備されているけど、ダメにされると困るし、ある程度ランクが上がってからじゃ無いと貸してもらえない。
最初っから調べるつもりがない人はそれでも構わないけど、知りたいけど調べられないって言う人の為にそう言った博物館もありだなと思った。
その案で行くとフロンのダンジョンが1番魔物を倒しているので必然的にフロンに博物館を建てることになるけど、そこまで計算してフィアはこの提案をしたんだと思う。
広い敷地を確保しなきゃ行けないから、領主が全面的に協力してくれるだろうって言う点もやりやすいし1箇所目はフロンかな?
最終日は酒造会社の工場見学に行った。フェムトがこれを参考にして帰ったら今までより美味しいお酒を作るっていきこんでいた。
個人的には見学が終わって色んなお酒が飲めるのが最高だった。
まさか一日で2件も工場見学行くと思ってなかったけど。
でも、工場見学は製造過程が軽くだけど見れるし、異世界で再現する為には結構重要だったかも?と今更ながら実感。
最終日だからこれ以上、工場見学に行くことはできないけど。
「別に今回の旅行の最終日ってだけで、一生これ無いわけじゃないよ?」
「そうなの!?」
「だからアイちゃんの家を魔改造した訳だし。今度来た時も拠点として使えるように」
家に対して、なんか色々やってるなと思ってたけどそいう訳だったのか。
「そんなに頻繁には無理だけどね。多くて一年に1回ぐらい?」
別の世界に行くって考えれば、それでも割と頻繁に行けるんだなって感じる。
もう一生来れないと思ってたからちょっと拍子抜け。
「そうなら、最初からそう言ってくれれば良かったのに。今回に色々詰め込む必要なかったじゃん」
「説明してなかったっけ?」
「してないよ。まぁいっか。それでハジメくん達を含め全員、あの島に転移で良いんだよね?」
ハジメくん1家もいきなり人のいる所に転移するより、人がいない所で魔物と戦ったり魔法を使ったりして、人と交流を持つのは異世界に慣れてからの方が良いだろうという事で
この話になった。
あの島は人間は入って来れないし、精霊界見たいな強い魔物もいないから慣らすのには丁度いい場所だからね。
リバイアサンが沢山いるけど、味方だし人間みたいに騙して陥れようとしたりしないから大丈夫だろう。
コウたちは地球に今1度別れを告げて異世界へと帰って行った。
読んでいただきありがとうございます。
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