第4話
「ニーズヘッグさん起きないですね」
椅子とテーブルを用意してサンドイッチを食べながらニーズさんが起きるのを待っているんだけど一向に目を覚まさない。
起きてもらわないと次何すればいいか分からないんだよな〜と考えていると地面が大きく揺れだした。
ニーズさんの方を見ると目を覚ましたようで
顔を持ち上げて動き出し、世界樹にぐるぐる巻きついて行った。
それと同時に俺たちの目の前にここまで連れてきてくれた人間の状態のニーズさんも現れた。
「ホントに助かったよ。傷も出来るだけつけないように立ち回ってくれてたみたいだし。おかげですぐに復活できた」
目を覚ますまで1時間ぐらいかかったけど…早いっちゃ早いか。
世界樹の解放に行く前に休憩できたから良かったと言えば良かったし。
「上手くいって良かったです。ニーズさんはもう問題ないんですよね?」
「ああ、バッチリだ。後は世界樹だけなんだが、世界樹を元に戻すには中に入って世界樹の核のある所まで行く必要が有るから少し面倒なんだ」
世界樹の幹に触れて権能を使えばいいのかと思ってたけど、簡単には行かないらしい。
世界樹中に入る…あの世界樹は中が空洞になってるのかな?もしくはダンジョンになってるか。
「世界樹の中?世界樹の中は空洞なんですか?」
同じ事を疑問に思ったらしく俺が聞く前にイスカがニーズさんに質問をする。
「世界樹の中は空洞と言うかダンジョンになってる。核はダンジョンの最奥に有るんだ。本来なら私は最奥まで転移出来るようになってたんだが、世界樹が侵食を受けた影響でそれが出来なくてな。1からダンジョンを攻略する必要がある」
この世界の世界樹は中がダンジョンになってる系の世界樹らしい。
それにしてもダンジョンを1から攻略か…規模によっては相当時間がかかるんじゃ?
「1から攻略するとなると時間がかかりそうですね」
「規模はそこまで大きくないし、私が道順も覚えてるから、明日の昼頃には最奥に到着はできるが…このダンジョンの厄介なところは中に入ると権能の弱体化と1番得意なスキルを封印されるんだよ」
凄く行きたくなくなった。確かにそれは面倒だ。
水属性の魔法を封印されたら回復も身体強化も出来なくなっちゃうじゃん。
フェムトに剣習っといて良かった。
「と言っても、私たちからしたら敵の強さは大した事無いから、ちょっと厄介ぐらいだけどね」
くせで封印されてるスキル使おうとしたりしちゃいそうだもんな。
それにしても、スキルの封印だけじゃなくて権能まで弱体化させられるって、ダンジョンはそんな事もできるのか?
流石に世界樹のダンジョンが特別なんだと思うけど。
「ちょっと疑問に思ったんですがダンジョンって権能を弱体化させるなんてそんな事出来るんですか?」
「世界樹のダンジョンは世界神様が直接作った特別製だからね。他のダンジョンじゃそんな事起きないよ。特定のスキルに制限がかかるダンジョンはあった気がするけど」
世界神様が直接作ったからか。そう言えば人間界自体、世界神様が権能を弱体化させる結界か何かを張ってるって説明された気がする。
基本、俺が権能を使うのは人間界だけだからあんまり気にしてなかったな。
「世界神様が作ったんなら納得ですね。ニーズさんは分体で着いてくるんですか?」
ここに連れてきて貰った時に比べたら分体の方でも格段に強くなってるけど、イスカと同じぐらいかちょっと強いぐらいな感じなので、本体が人化した方が強いと思うんだけど。
「私にとってこれが人化だからね。世界樹の管理、防衛の仕事が有るから、ここから離れる訳には行かないでもそれは暇だ。その結果編み出したのがこの技術 、これなら世界樹を守りながら好きな場所に遊びに行けるからね」
遊びたいけど仕事はしなきゃ行けないから身につけた技術なのかそれ…。
でも、そういった目的の方が技術の上達が早いとも言うし。
分体の方でもじゅうぶん強いんだし、本体は世界樹を守るために世界樹に巻き付いてなきゃ行けないみたいだし。
分体で着いてきてくれるだけ有難いって思うべきだな。
「そう言う事なら分かりました。遅くなるとそれだけ最奥に着くのが遅くなるからそろそろダンジョンに入ろうと思うんですけど、入口って何処に?」
見渡す限り、入口らしきものは見当たらない。見えない位置にある可能性もじゅうぶんあるけど、世界神様が直接作ったダンジョンなんだし何か特別な方法で入るのかも?
「あぁ、世界樹の幹に触れればダンジョンに入れるよ」
ある意味特別な方法なのか?
3人で世界樹の幹が触れる場所まで移動して、幹に触れると転移魔法似た様な感じで
場所が変わっていた。ここが世界樹の中でダンジョンなんだろう。
「でもなんで図書館?」
転移した場所は天井まで本棚があって全てに本が収められている。巨大な図書館だった。
本読めるのかな?って本棚から本を抜こうとしたけど抜けなかった。
雰囲気だけで実際に読むことは出来ないらしい。
「図書館なのは世界紳様が当時読んでいたラノベに影響されたかららしいぞ」
世界神様ラノベ読むんですね。わざわざ未来視とかしてラノベ読んでるのかな?
地球にいる時に完結してなくて続きが気になってるラノベとか漫画お願いしたら読ませてくれるかな?と考えるコウだった。
読んでいただきありがとうございます。
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