第40話

「4層が砂漠階層だと言うことは前に説明したと思うのでそこはスルーして1番の問題は広すぎる事です。3階層を1日掛からずにボスの所までたどり着けるのに、4階層は3日ぐらい掛かりました。因みに1日10時間ぐらいずっと移動してその日数です」


「普通の冒険者だとどれだけ時間が掛かるか検討も着きませんね。そして、この階層も何らかの移動手段が必須ですね。そんな長い距離、砂漠を歩くなんて現実的じゃないです」


歩きにくい砂、40度を超える気温。

しかも絶えず魔物の襲撃を受ける。

俺もあの階層がもし飛行禁止とかだったら攻略しないで帰ってたと思う。


「それと、魔物の襲撃頻度も高かったです。日が出てる時間が大体戦闘する事になるでしょう。ボス付近以外には空を飛ぶ魔物が出てこなかったので、人を乗せて飛べる魔物がいれば戦闘はボス付近以外は回避できますよ。何故か日が落ちると魔物の襲撃がやんで安全に野営出来ましたから」


「それは、朗報と言えば朗報でしょうか。

3階層を超えるには今のところ人が乗れる飛行系の魔物をテイムしている事が条件と言われてますから。ですが今のところ話を聞いて挑戦したいと思う冒険者がいるか?と言えばいないと思いますが・・・魔物の売却額によっては或いはという感じでしょうか?」


結局のところ冒険者は儲かるかどうかだよね。


「お金自体は稼げるんじゃない?サソリ系とかワーム系なんかじゃんじゃん出てくるし、ボス付近なら宝石竜も出てくる。後は砂を泳ぐ魚とか。あ〜でも砂を纏って自由に操れるサンドゴーレムは厄介かも。周りはただの砂だから攻撃してもノーダメージ、倒すにはコアの魔石を直接取り出すか、破壊するしかないからめっちゃ面倒」


「砂漠の暑さの対策したりが必要な事を考えるとサソリ系やワーム系で利益を出すのは大変でしょうね。しかも、コウ様が厄介と言うサンドゴーレムに遭遇してしまったら、普通の冒険者は全滅するかもしれません」


やっぱり4階層は渋いって判断か。

俺もあの階層をもう1回真剣に攻略してって言われたら絶対やだもん。

今度からは転移で階段までひとっ飛びだ。

ただアペプ対策のミストソナーは忘れないようにしないと攻撃を受ける可能性があるから気をつけないと。


「聞かない訳には行かないので、お聞きしますが、ボスはどんな魔物だったんですか?」


「サバールさんはアペプと言う蛇の魔物が出てくるおとぎ話を知っていますか?」


「エルフ以外ではあまり有名じゃないおとぎ話ですが、史実が元にされていて魔物が出てくるお話なので読んだことが有ります。

わざわざ、それを聞くということはボスはアペプだと言うことですか?」


サバールさんは冗談と言って欲しいって顔をしている。


「アペプかは断言が出来ませんが、おとぎ話に出てくるアペプと同じ能力を持っていたので、俺たちはアペプと読んでいます」


「姿を消して襲いかかって来たということですね?」


「そうですね。それどころか、自分の幻影まで用意する徹底っぷりでした。俺たちは皆その幻影を見破れなかったです。

攻撃されるギリギリで俺がアペプに気づいて誰も怪我しなかったですけど、後数コンマ遅かったら大怪我、下手したら死者が出てたかもしれません」


「そんな魔物どう討伐しろと?」


「難しいでしょうね。そう考えると3層の方が稼げるし、4層に行く冒険者は出てこないでしょうね。3層にはオリハルコンの鉱脈が有りましたし」


「3階層にオリハルコンの鉱脈!?それはほんとですか!?」


オリハルコンの情報でサバールさんのテンションが今日一で上がった。

オリハルコンのインゴットを一つ取り出してテーブルの上に置いた。

フィロさんがオリハルコンのインゴットを

説明に必要だと思うのでと言って幾つかくれたので、それをありがたく使わせてもらった。


「これがオリハルコン・・・初めて見ますが、これが普通の鉱石じゃないことは分かります。因みにどこで採掘されたのか教えてもらうことは可能ですか?」


オリハルコンの情報になると簡単には教えて貰えないと思われてるね。

そんな事は無いけど、信じて貰えるかだよね。


「俺達が見つけたのは3層の海底に纏まった鉱脈が有りました。因みに水深100万mぐらいですね。3層全体を調べた訳じゃないのでもっと浅い場所でも採掘できる可能性はあると思いますよ」


信じて貰えないかな?って思ってたんだけど、逆にやっぱりそうですかと納得した顔をしている。


「正直、俺がオリハルコンの鉱脈を秘匿する為に嘘をついていると思われると思ったんですが・・・」


「オリハルコンは伝説の金属ですから。そのぐらいの難易度の方が納得できるんですよ」


あ〜そう言う。


「深さは公表せず、海底にオリハルコンの鉱脈があったと公表しましょう。一応、信じられないほど深かったと付け加えはしますが」


そもそも水中に入る時点で冒険者にとっては自殺行為なので、挑戦する冒険者はほんとに少数だろうとサバールさんは言っていた。


一旦、休憩を挟んで本題に戻り5層の説明を始めた。




読んでいただきありがとうございます。






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