第13話

「死んでる訳じゃ無いんですよね?」


「勿論、ただ止まっているだけだから、戦う準備が出来たら解除するよ」


なんかハジメくん達がめちゃくちゃ過ぎるだろって言ってるけど無視。


「じゃあ、魔物達が動き出すから頑張ってね?」


準備が出来たらって言ってましたよね!?

ってハジメくんが叫んでるけどまぁ問題ないでしょ。


ハジメくんの方が一旦放置してルージュの方をみる。


10mサイズのドラゴン五体VS 30cmのドラゴン、ルージュ


パッと見ルージュに勝ち目なんてなさそうだけど、レベルだって上がってるしロケット頭突きを使わなくてもルージュが圧倒出来るだろう。


ブルードラゴンはサイズで判断しているのかめっちゃ油断しているみたいだけど。


ルージュは時間をかけるつもりはないらしく

ロケット頭突きですぐに倒すつもりらしい。


だけど前に見たロケット頭突きより少し進化していた。

まず、ルージュが全身に火を纏っていた。

今までは自分の前の魔力障壁を張ってそのまま突進だったから返り血とか浴びていたけど、全身に火を纏っているからルージュが汚れていない。

ブルードラゴンにぽっかり空いた風穴も表面が焼かれているので血が出てきていない。

魔物には血も利用出来るのもいるからね。

あれなら血も回収出来るだろう。


ブルードラゴンはルージュの魔法での爆発で超加速したルージュの頭突きを避けられず、

特にいい所も無く、五体全員の討伐された。


「ルージュお疲れ〜」


「ルージュもアンデットと戦うにはどうすればいいか考えたの!」


そう言う事か、火を纏っても自分が汚れない、相手の止血が出来るぐらいしか効果無さそうだなって思ってたけど、ゾンビとかの対策って事か、でも汚れないからってルージュをゾンビにロケット頭突きさせるのもな〜。


「ルージュ、そうやって考えてくれたのは嬉しいけど、ルージュが何もかも倒す必要は無いからね?汚れ無いからってゾンビとか腐ってるやつに突っ込みたくないでしょ?」


「うん!やだ。けどそれじゃルージュ主の役に立てない。それはもっと嫌」


「腐ったやつだけが出てきた時はそうかもしれないけど、それ以外のやつがいた時はそっちを倒してもらえばいいよ。それに戦うだけが、役に立つ方法じゃないよ」



「う〜ん確かに。でもドラゴンの姿じゃ戦闘以外に出来ること少ないよ?人化練習してるけど難しいし」


それの練習もしてるんだね。


「コウ、流石に勇者達を完全に放置するのはどうかと思うぞ?」


そうだった。ルージュがいるとつい構いたくなっちゃうんだよね。


「と言う訳だからルージュはこっちだ」


フィアにルージュを取られてしまった。


しょうが無い。ハジメくん達がどう戦っているか観戦するとしますか。


ハジメくん達と巨大なアリゲーターの方を見ると、巨大なアリゲーターは既に尻尾を斬られていた。

それでも、まだまだ元気そうだけど。


ハジメくんとネロさんが前衛で巨大なアリゲーターの動き牽制しつつ、レイラさんとフィロさんが魔法でダメージを与えていくって戦法らしい。


光の上位精霊のサリーさんは光属性の魔法で

スタミナ回復とか身体強化とかしてサポートしている感じかな?



「まぁ、上位精霊が攻撃したらあの程度の魔物だったら一瞬だから、サポートに徹するのも仕方ないのかな?」



「あぁ、それは違いますよ。彼女、今はサリーでしたか。サリーは攻撃魔法が一切使えない精霊です。その代わり、回復などの補助系の魔法の効果は高いという特性を持っています。そのせいで他の光の精霊にいじめられて色々大変だったみたいですよ」


サリーさんも割と壮絶な精霊生を歩んで来ているらしい。


「やっぱり精霊もそう言うの有るんだね」


「いじめの事を言っているのなら寧ろ人間種より多いと思いますよ。暇しているやつも多いですからね」


暇つぶしにいじめって…もっと楽しいことしようよ。


「かく言う私も変なやつだと多くの精霊にいじめられました…」


まぁ料理が好きな変わった精霊だからね。

今は他の精霊のも料理という概念を理解している人が増えたみたいだけど。

きっと最初の方は色々あったのだろう。

やっぱりディアーネさんも苦労しているだな。


「まぁ私の場合。いじめて来たやつ全員ボコボコにして返り討ちにしましたが」


ちょっと可哀想って思った俺が馬鹿だった。



「それより、勇者の戦闘を観戦しなくて良いんですか?」


「まぁ確かにそうなんだけど、退屈だし。

そもそも、ハジメくん達がその気になればばもう方がついてるでしょう?」


ハジメくんたちが遊んでいる訳じゃないけど、強化クラーケンと戦う前に連携の確認をしている感じなんだもん。


「後思ったんだけどさ、ハジメくん以外の人も普通に強くない?」


フィアとイスカには勝てないだろうけど、マルタとメルだったらいい勝負になるんじゃないかな?


「勇者のスキルに同行者の成長倍率をあげるものが有るらしいですよ。後、勇者ハーレムの一員だからエステル様が加護あげて強くしてたとかフェムト様が言ってた気がします」



連携の確認が終わったらしく巨大なアリゲーターの首を切断したハジメくんを見ながら

やっぱり勇者補正ってあるんだな〜と思うコウだった。


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