第53話
白虎の里から帰ってきてリバイアサンの里に行くまでの7日間、みっちり戦闘訓練を受ける事になった。
皆対戦相手に俺を指名するから大変だった。
でも、1番やばかったのはフィアだろう。
剣を振ったりする激しい運動はダメでも魔法の練習はOKなのでフィアも魔法の練習をしていたのだが、その練習中に重力魔法で擬似的なブラックホールを作り出した。
しかも制御しきれなくて暴走、焦ったフェムトが消滅させたので対した被害は出なかった。それでも訓練場が1部消滅したけど。
怪我人は居なかったので良かった。
その後ブラックホールを作り出す魔法を練習する時はフェムトがいる時だけとなった。
既に、直径1cmぐらいの極小ブラックホールなら制御出来てることに驚きを隠せないけど。
フィアが制御しているブラックホールは近づいても吸い込まれる事は無いけど、触れたらその部分が吸い込まれて消滅する。
つまり、直径1cmの極小ブラックホールを弾丸みたいに飛ばしたら、相手は避ける事でしか、攻撃から逃れることが出来ない。
権能でなら避け無くてもガードできたけど、スキルや魔法だと無理だった。
いくらブラックホールって言っても魔法なんだから魔法無効の素材とかには効かないだろうと思って 、フェムトに魔法無効の素材を用意してもらってブラックホールをぶつけて貰ったら魔法無効の素材の方が消滅した。
最早、魔法の領域を超えてるって事?
「フィアなら、そのうち神様になれるんじゃない?」
と、若干冗談っぽく言ったらフェムトが
「フィアちゃんなら割と有り得そうだよね」
と割と真剣な顔で言ってたので気づいたら神様になってるかもしれない。
そんな感じの7日間を過ごして、今はリバイアサンの里にフェムトの転移で移動して来たところだ。
最初はリバイアサン状態のイスカに乗って海中散歩しながら向かうのが良いんじゃない?って行ったんだけど、かなりのスピードで泳ぎますからゆっくり景色は見れませんよ?
って言われてそりゃそうか、じゃあ転移で行った方が楽だし早いから転移で行こうってなった。
海中散歩は後でしっかり連れていってもらう予定。
リバイアサンの里は半球状の透明なドームのようなもので覆われていて中は地上と同じようになっていて人化したリバイアサン達が
人間のように生活している。
ご飯を食べる施設が多い気がするけど、と言うか居住区以外ほぼ全部飲食店なのでは?
「驚きましたか?リバイアサンが料理を楽しむ為に作った空間なのでこうなんですよ」
確か、ディアーネさんの料理を食べて、料理の美味しさに気づき、自分たちでも料理をするようになったって言ってたな。
だから人化している時間が増えたとも言ってたけど。
ここはリバイアサンの里と言うよりリバイアサンの調理場って事かな?
観光地って感じがして退屈しなさそう。
屋台もでてるから食べ歩きもできるし、食堂みたいなお店に高級レストラン見たいのもある。
これ建物は誰が作ってるんだろう?
建物もディアーネさんが関わってるのかな?
「俺も料理が好きだから来たばっかりだけど結構気に入ってる。景色も綺麗だし」
深度的には深海と言われるような深い場所なのだが、地面が発光していて明るい為、雰囲気は浅瀬にいるような感じになっている。
熱帯魚のような魚が周りを泳いだりしていて
天然の水族館みたいだ。
「気に入って頂けたようで何よりです。コウ様がお望みでしたら、自由に使える住居もご用意しすよ」
俺がリバイアサンの里に感動していると、イスカさんのお母さんでリバイアサンの長、
ティアナさんが迎えに来てくれた。
「ティアナさんお久しぶりです。結構本気でここに住居が欲しいんですけど、代金とかどうすればいいですか?」
リバイアサン達はお金なんて使わないからお金でお支払いができないし、貴金属が好きって感じでもない。
俺が持っているもので代金の代わりになりそうなものとなると、やっぱり魔物の肉かな?
リバイアサン料理好きだし。
「代金なんていりませんよ。住居があればここに来る頻度も増えるでしょう、そしたら将来、孫の顔を頻繁に見れるようになるかもしれないですから」
確かにここに自分の住居があったら定期的にくるだろう。転移で一瞬で来れるし、外の景色を見てるだけでほんとに癒される。
外で泳いでる人化してないリバイアサンが狩った獲物を口にくわえて運んでいるのを見ると現実に引き戻されるけど。
「流石にただと言うのも申し訳無いので
魔物の肉をいくらかお渡しする感じで良いですか?」
クジャタとかシズを渡す予定だから、人間からしても貴金属より高価な物だから代金にもなるだろう。
そう言えばズラトロクとかもあったな。クジャタとシズの使い勝手が良すぎて解体してもらってから食べてないな。鹿肉どんな味がするんだろう?
日本にいた時も食べたことないから想像できない。
「コウ様がそれが良いと仰るならそれにしましょう。どのような住居が良いですか?」
「家族全員でゆったり出来るスペースがある家が良いかな?休日に癒されに来る別荘的な感じで」
「景観のために建てただけで、空き住居になっている住居が沢山あるので気に入った物があるか探しに行きましょう。私がそのままご案内致します」
リバイアサンの里に着いて一番最初に住居探しを始めることになったコウだった。
読んでいただきありがとうございます。
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