第51話
鮎の塩焼きを食べた後、引き続き川で魚を集めている。
鮎ももっと食べたいし、他の魚も集めておきたい。お目当てのウナギは見つかってないし、うなぎって夜行性だから日中は岩の下とか隙間に隠れてそうだなと覗いて探していたら、別の生き物が隠れていた。
「これはスッポンかな?」
美味しいって聞くけど食べた事ないし、見た目的にも食べようって思えないんだよな〜。
何となく捕まえてしまったけど、いらないし逃がそうとしたらフェムトが話しかけてきた。
「スッポン逃がしちゃうの?ディアーネがスッポン鍋、美味しかったって言ってたよ」
過去の召喚者が広めたのか知らないけど、鍋は普通に食べられてるんだよね。
醤油、味噌、焼酎が合ったり。
その割には唐揚げみたいな定番洋食が広まってなかったり。
どうしてだろうって考えてたけど、もしかしたら過去の召喚者は洋食とかが広がる前の時代から来た人だったのかも?
でも、異世界から来た人はちょこちょこいるって話だったからその全員がそうって言うのは考えずらいかな?
分からないこと考えても仕方ないか。今この世界にいる異世界人は今回呼ばれた人達しかもう居ないってフェムトに聞いたし。
「フェムトはスッポン鍋食べたいの?この見た目だよ」
「確かに見た目は良くないけど、ディアーネが美味しいって言ってたし1度食べてみたいかな?」
フェムトがそう言うならということでこの1匹だけ持って帰ることにした。
うなぎが見つからないので川を下りながら魚を探していると、川幅が広がってきて水深も深くなってきた。
鯉みたいな魚が増えてきたなーと思っていると生き物じゃなくて魔物の反応を感知した。
魔物の反応がした場所に氷の槍を飛ばすと、
胴体に氷の槍が刺さったワニが暴れながら飛びかかってきた。
特に焦ることなく氷漬けにして収納魔法に保存。
ワニって鶏肉っぽいって聞いたことがあるしこいつも多分、食べられるだろう。
帰ったらディアーネさんにお土産としてスッポンと一緒に渡そう。
うなぎはいないのかな〜と諦めかけていたらにょろにょろ動く魚を見つける。
「うなぎ!」
ようやく捕まえたうなぎは日本で見たことがあるうなぎより2回りくらい大きい。
「コウはスッポンの見た目を気にしてたけど、そのうなぎって言うのも食べたいっていう見た目してないよ?」
確かににょろにょろしてるし、ヌメヌメしてるもんなうなぎでも美味しいんだよ?
ゼリー寄せは絶対作らないけど。
そう言われるとスッポンも食べたら美味しいかもって思えてきた。
「ちゃんと料理すれば美味しいんだよ?」
1匹だけじゃ絶対に足りなくなるので50匹ぐらい捕まえてから白虎の里に帰った。
白虎の里に帰ってからは、うなぎの蒲焼を作るためにすぐに調理を開始する。
うなぎの背を手前にして目打ちをして、中骨の上を滑らせるように割く。
中骨と身の間に包丁を入れて中骨をはがし、尾と一緒に切り落とす。
血合いをしごき、頭をおとす。
4等分して蒲焼の準備完了。
次にタレの方を作る。
醤油、みりん、酒、砂糖、あらかじめ焼いたうなぎの頭を入れて火にかける。
炭火焼グリルでうなぎを皮目から焼く、焦げないぐらいに焼けたら身の方に裏返して8割程度で焼き上げる。
火にかけて作っておいたタレにうなぎを入れて3分〜5分煮込んで、再度両面を焼いて完成。
(焦げやすくなってるので焦げないように注意する)
そのまま食べても美味しいけど、ご飯に乗せてうな重にしよう。
どんぶりに白米をよそってタレをかけてからうなぎの蒲焼を乗せる。
「美味しそうなうな重、完成!ってめっちゃ人がいる!?」
いつの間にか人が集まってきて俺とうな重を交互に見ている。
「コウがこんな美味しそうな匂いを里中に充満させるのが行けないんだよ」
流石にこれでみんなの分を作らないって言うのは酷か。
「ディアーネさんも見てた?」
「最初から見てましたから作れますよ。タレだけ貰っていいですか?」
タレは継ぎ足して繰り返し使った方が美味しくなるから寧ろ使って欲しい。
「タレは置いていくから継ぎ足して使って、後はディアーネさんに任せて俺はうな重を食べてくる」
いつもならディアーネさんと一緒に白虎たちのうな重を作るけど、一刻も早くうな重を食べたいのでディアーネさんに丸投げする。
「コウ、僕の分は?」
「ちゃんと作ってあるよ」
10人前ぐらいは作ってあるので、フェムト達の分はちゃんと用意出来る。
「なら、おっけー」
もし無かったら、ディアーネさんと一緒にうな重を作らされてただろうから複数作っておいてほんとに良かった。
「白虎の皆もただ待ってるのは辛いだろうから、フライドポテトでも食べて待ってて」
フライドポテトは簡単に作れるから大量に作ってストックしてるから結構な量を渡せるし、もう一度ストックするために作るのも簡単だからこういう時にも便利。
ピーラーを作って貰ってポテトチップスを作るのもいいな。
フライドポテトを渡した後、ゆっくり食べるために少し離れた場所に移動してフェムト達にうな重を渡した。
読んでいただきありがとうございます。
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