第23話
「全く最近は大人しかったので油断してました。で、何を作ってたんですか?」
大人しく韓国海苔を渡して、明日はカルキノスを使ったかに料理にしようって話をしたと伝える。
「別に明日じゃなくて今からでもいいんじゃないですか?」
「今から?確かに出来るけど」
まず俺がカルキノスが中に入るサイズの水球を用意した後フェムトに火魔法で水球の温度を上げて沸騰したらシャモの念動魔法でカルキノスを水球の中に突っ込んで貰って茹でようと思ってたから全員揃ってるし今できるけどそろそろ昼ごはん食べたい。
サイズ的に茹で上がるのに2時間はかかるでしょこれ。
「じゃあ直ぐに始めましょう。コウ様は指示をお願いします」
ディアーネさんは何がなんでも今茹でるつもりらしい。
大人しく考えた方法を話して皆に準備してもらった。
「はい水球用意したからディアーネさんは塩ぶち込んで、フェムトは沸騰するまで温度を上げて欲しい」
俺の支持で2人が動き出した。
ディアーネさん塩そんなに入れるの!って思ったけどカニって確か海水より少し濃いめぐらいの塩水で茹でるんだったけと思い出した。
直径15mぐらいある水球を海水より少し濃いめの塩水にするならあれぐらい塩入れないとダメだよなーと納得した。
俺が聞かなくてもフィアとシャモが大丈夫なのかって質問してたけど。
「沸騰してきたね。じゃあシャモお願い!
茹でる時は甲羅を下にして茹でてね」
「わざわざ甲羅を下にして茹でるんですか?」
「確かそうじゃないと蟹味噌がいい感じに固まらないからだった気がする」
「蟹味噌って美味しいんですか?」
「凄い好みが別れる。好きな人は凄い美味しいって言うけど、苦手な人はほんとに無理って感じで。味の説明がしずらいから1口食べてみて判断したらいいよ」
このサイズなら蟹味噌沢山取れるだろうし。
そんな感じで話をしながら2時間ぐらいかけてカルキノスを茹でた。
「そろそろいいかな。じゃあ今度は温度の低い水球を作って一応氷も入れとこ。シャモ、カルキノスを氷水の水球の方に移動させて」
「分かりました!」
普通のサイズのカニは五分ぐらい氷水で締めると身が引き締まって美味しくなるって言われてたけど、このサイズのカニは何分氷水で締めれば良いんだろう?
結果20分ぐらいで良いじゃないですか?
ってディアーネさんが言ったので20分にした。
最後に真水で綺麗に洗えば茹でカルキノスの完成。
足を1本もぎ取って身をディアーネさんに取り分けてもらった。
「上手い!」
日本にいる時なんて安い冷凍カニぐらいしか食べたことないから分からないけど。
高級料理店で出てくるカニより美味しいと思う。
美味しい美味しいって食べてたら
身を外して殻だけになった足を持ったフェムトが話しかけてきた。
「これでカニせんべいが食べれるね!」
フェムトによってお昼ご飯は終了してカニせんべいを作るための料理が始まった。
「まずは殻を粉々にする必要があるんだけど…一瞬でなったね。フェムトありがとう」
この作業が時間かかるかなーって思ってたけどフェムトのおかげで一瞬で終わった。
「片栗粉が必要なんだけど……あっこれ?
花の球根から作るから量が少ない?じゃがいもからでも作れるはずだよ。えっ!早くその作り方を教えろ?ちょっと落ち着いてディアーネさんちゃんと教えてあげるから…」
片栗粉のくだりでひと騒動あったけど何とか無事。
水に溶いた片栗粉に砕いたカニの殻を混ぜて。
フライパンに油を引いて食べやすいサイズに調整して焼けば完成。
早速味見、想像してたよりカニの味がする。
塩味もちゃんとついてるしそろそろ甘くないお菓子も欲しいなーって思ってたから丁度いい。
「殻もこうやって食べれるなら捨てる場所が無いですね」
「そうだね。カニ料理……カニ鍋、カニクリームコロッケ、甲羅焼きはカニがデカすぎるからスキレットとかで作っても美味しいのかな?」
「明日の夕食の献立が早くも決まりましたね。それとじゃがいもから片栗粉が作れる件も明日お願いしますね」
明日は一日料理をする日になりそうだ。
ていうか精霊界に来てからほとんど料理してる気がする。
料理はするのも食べるのも好きだからいいけど。
むしろ理想としてはこんな感じにまったり料理しながらお嫁さんとイチャイチャしてたい。
でも実際はつぎからつぎへと問題を起こす奴がいるのでずっとのんびり料理をしている訳には行かないし…。
なんかムカついてきたな帝国だか異世界の神だか知らないけど今から滅ぼして来ようか。
「コウの気持ちもわかるけど特に異世界の神はしっかり対策してからじゃないと何されるか分からないからダメだよ。帝国だって異世界の神が手を貸してたみたいだから、なにかヤバい魔道具がある可能性だってあるし」
……フェムトの言う通りかしっかり対策しないで行ってぎゃくに状況を悪化させることだってあるかもしれない。
「僕達神連中も長引かせるつもりはないからもうちょっとだけ我慢して」
イライラしても料理が不味くなるだけと思い。
帝国や異世界の神について一旦忘れて
カルキノスを食べるコウだった。
読んでいただきありがとうございます。
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