第22話

トマトをすり潰してからさらに裏ごししてトマトピューレを作る。

作ったトマトピューレで試しにチキンライスを作って味見してみたらケチャップで作るよりちょっとトマトの酸味が強いぐらいで全然問題なかったので人数分ケチャップライスを作る。


「おにぎり食べてる間に何作ってるの?」


この何作ってるの?はどんな料理作ってるの?じゃなくて作るのは海苔だけって話だよね?模擬戦は?約束破るの?と言う意味の

何作ってるの?である。


「お昼ご飯食べてないしお腹すいたな〜って思って」


「模擬戦前にご飯食べてコウは食べた物戻したいのかな?」


速攻で使っていたものを収納魔法にしまって代わりに精霊刀を取り出した。


「先に模擬戦でお願いします」


一緒に来ていた3人はいつの間にか椅子とテーブルを出しておにぎりとお味噌汁を食べながら談笑していた。


「魔法で防御はOK後は剣だけってルールで模擬戦するつもりだったけど。権能以外なんでもありの模擬戦にしようか」


流石にそれは……って言おうとしたら足元に魔力が集まってきていた。

嫌な予感がしたので瞬時に水魔法の身体強化を使って全力で回避。

離れた瞬間ついさっきまでいた場所で大爆発が起きた。


「ちょっと殺意高すぎない!」


問いかけに対する返事はなく背後から転移魔法を使った反応を感知、すかさず転移魔法の反応があった一帯の空間を魔法で氷漬けにする。


これぐらいで終わる訳が無いのでそのまま追撃しようとしたら、また転移魔法の反応を感知、今度が目の前に転移してくるつもりらしい。

転移してくる瞬間に合わせて攻撃仕掛けたが

しっかりガードされてしかも後ろから剣で腹部を貫かれた。


「やられた、同時に転移魔法を発動してしかも片方感知しやすく調整して上手いこと本命の方に気づかなかった」


ガッツリ剣が突き刺さってるのでめちゃくちゃ痛い。

剣を抜いて魔力を消費して怪我した部分を再生させる。


「戦闘中に目の前に転移してくる奴なんてよっぽどのバカか今みたいに何かしら対策をしているかのどちらかだから注意しないと今みたいに痛い目見ることになるよ」


「肝に銘じておく」


「コウは戦闘経験が皆無だから。今みたいな搦手に注意しないとあっさり殺されちゃいそうで凄い心配なんだよね」


日本人に戦闘経験を求めないでください。

でも今回なんでフェムトが模擬戦をさせたがるのかと思ってたけどちゃんと戦闘経験を積ませつつ搦手を実際に経験させる為か。


「分かってくれた?コウと正面から戦おう何て思う人間なんてほぼいない。基本殺すなら搦手で来るだろうから今のうちに慣れてもらおうと思って」


「最初から理由を説明してくれれば良かったのに」


「来るって分かってたら効果が半減しちゃうでしょ?」


「確かにそれもそうか、で模擬戦はまだやるの?」


「今日はもういいかな。今すぐだったらコウも不意打ち的なのを警戒するだろうし」


「じゃあ昼ご飯にしようって思ったけど韓国海苔を作ってからにしようすぐにできるし」


胡麻油を今日作った海苔の反面に塗って塩を適量振って焼けば韓国海苔の完成。

普通の海苔も美味しいけどたまに韓国海苔の方が食べたくなる時が有るんだよね。

今回も韓国海苔を思い出して無性に食べたくなったから作った。


「ねぇほんとに油と塩をつけて焼いただけでそんなに美味しくなるの?」


俺の思考を読んでるから韓国海苔の知識は有るけど味は分からないから気になるんだろう。


「はいフェムト」


「手の届くところに置いてあったらいつの間にか全部食べちゃう類の感じがする」


わかる。あったらあった分だけ食べちゃう類の食べ物。個人的にはカッ○えびせんか

ハッ○ーターンが再現出来たら最高なんだけどな〜。


「難しいの?」


「えびせんは作れるけどカッ○えびせんは無理、ハッ○ーターンも粉の作り方知らないから無理」


「それじゃ作り方を知ってるえびせんで我慢するしかないね」


「ランクの高い魔物って美味しいじゃん?

だからランクの高いエビの魔物を狩ってえびせん作れば究極のえびせんが作れるんじゃないかってちょっと思ってたりする」


「ランクの高いエビの魔物を使えばそりゃ美味しいだろうね。後思ったんだけどさカニの殻でも作れないの?カルキノスがあるよね?」


味に違いは出るだろうけど作れる。

今日はシズを使った鶏肉料理ってディアーネさんと話して決まってるからやっぱりカニせんべいも作るなら明日以降だな。

海苔だって親子丼に刻み海苔が使いたかったから作ったわけだし。

何よりシズの唐揚げが食べたい。


カルキノスは丸ごと茹でるから解体必要ない関係状いつでも料理できるから明日皆に協力してもらって茹でちゃおう。


「そう言えば3人ともこっちに来ないね」


ディアーネさんなんか料理を始めたらこっちにすっ飛んで来るはずだけど。


「3人にはまだ模擬戦をしてるように見えてるからこっちに来ないんだよ」


やっぱりフェムトの仕業だったらしい。

フェムトに魔法を解除してもらって3人の方に向かう。

魔法が解除された瞬間3人は凄い驚いていた。

模擬戦をしていると思ってた2人が料理を作ってたらびっくりするよね。

3人をを見てゲラゲラ笑うフェムトを見ながらそう思うコウだった。




読んでいただきありがとうございます。

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