第2話

「コウ起きろ朝だぞ!」

フィアに体を揺すられ朝だぞって

起こされる。

普段だったら嬉しいんだけど

今日はマジで眠いホムラに暇つぶしに

付き合わされ深夜まで戦い続けてた。

フィアも起きて待っててくれたんだけどね。

「コウほんとに起きないと不味いぞ

王国認定魔導師試験に遅れるぞ」

実は30分前からこの状態で

起こされ続けている。さすがに起きよう。

「おはよう」

フィアからはぁというため息が聞こえた

「やっと起きたか早く着替えろ

朝ごはんは馬車の中でサンドイッチだ。」

本当にぎりぎりだったみたいだ

急いで着替え

既に用意された馬車に乗り込んで

会場に向かった。

馬車でサンドイッチを食べてると

フィアがチラチラこっちを見ていた。

フィアが作ったのか貴族令嬢なのに

料理できるのか。普通に美味しかった。

「美味しかったよ。ありがとうフィア」

「そうか、それなら良かった。

でもなんで私が作ったって思ったんだ。」

「チラチラサンドイッチを見ながら

こっち見ていたから」

そう言うと恥ずかしそうに俯いてしまった。

「到着致しました。」

そうこうしてる間に着いたみたいだ。

「コウついてきてくれ

まずは受付をしなきゃ行けない。」

そう言われてついて行く。

と言ってもステータス画面の名前のところを見せるだけであっさり通った。

その後フィアに

「試験は単純だ王国の用意した試験官と

戦い魔法を見せる。強いと認められれば

試験合格だ。」

単純でわかりやすい。

「あとこの闘技場であれば殺しても、

場外で復活するから気にしなくて

大丈夫だぞ」

成程、そう言う気遣いは必要ないと

試験を受けるのは最後みたいなので

少し待機する事になる。

暇つぶしに見てたけど大したの居ないな。

この会場実は多くの貴族が来ていて。

王国認定魔導師になれなくても

優秀なのがいたら

スカウトしたりするらしい。

自分の番になったので降りていくと

最後の受験者は公爵家の推薦で

かなりの実力者ですので

試験管を勇者どのに交代致します。

どうやらどうしても

俺を失格にさせたいらしい。

公爵家にも推薦したくせに

大したことなかったと

ケチをつけたいのだろう。

奥から1人の少年が歩いてきた。

「初めまして召喚者で勇者のハジメです。

勝てなくても魔法が凄かったら

試験に合格できるので頑張って下さいね」

「ドリフターのコウだ」

こいつ何勘違いしてるんだ。

自分の方が強いと思ってやがる。

「試験初め!」

その合図とともに顔以外に氷を作り出し。

箱から頭だけ出てるみたいな状態にする。

突然の事で観客共がうるさい

勇者も理解出来てないみたいだ

「何を勘違いしてるんだ勇者君

格上は俺だ

これで終わりじゃつまんないから

拘束解いてあげるから殺す気でこい」

少し挑発してあげると

ちょっと切れてるみたいだ。

「僕はこんなに優しくないですよ。

あれで決めなかったこと

後悔させてあげます。」

そう言い突っ込んできて斬りかかって来た

魔法が間に合わないとでも思ったのだろうか

でも実際は

ミストソナーで動きはどんなに早くても

バレバレ魔法の行使も余裕である。

氷の壁を1枚作り出しガードする。

勿論傷ひとつ付かない。

「硬すぎる傷すらつかないなんて」

びっくりしてるところ悪いがこれでも

かなり手加減してるからな?

「〈限界突破〉光の精霊よ僕に力を」

そう言いと光の精霊が集まっていき光り出す

速度や威力も倍ぐらいになっているが

所詮その程度全く問題ない。

「これでも傷が付けられない。なら」

そう言うと勇者の光が剣に集まっていく。

「これなら〈ビクトリースラッシュ〉」

剣に集まった光が斬撃となり

こちらに向かってくる。

さっきまでとは比べ物にならない威力だ

でもこちとら精霊王である

この程度余裕である。

新しく作り出した氷でガードする。

ぶつかった瞬間大きな音をあげるがそれだけ

結局壁に傷一つつかない。

「そんな、全力の一撃が」

現実は非常である。勇者だから最強とか

そんなことはないのである。

「じゃそろそろ攻撃するね

〈コキュートス〉」

ただ一言、言っただけでフィールドが全て

凍りつく勿論勇者も氷像になってる。

氷像を砕き終了。

フィールド外に勇者が現れる。

このままだと怒られそうなので。

氷も溶かしておく。

勝負は着いたのでフィアのところに

帰っていく。

「ただいまフィア」

「おかえりコウただのいじめだったな」

まあ、ホムラが勝負にならないって

言ってた意味が分かった、

俺ですら今回相当手加減したからな。

「まあね、世界には強いやつがいっぱい

居るよって勉強的な?」

フィアは苦笑いしていた。

「それとこんなことをした。

貴族は報いを受けてもらわないとな」

公爵家として舐められる訳には

行かないからだろう。

「これから試験の結果を発表致します。」

そう言われフィールドにおりていく

結果は俺だけ合格だった。

王城で行われる祝賀会で正式に任命されると

説明され終わりかと思ったら。

「それではこれより

王国認定魔導師同士による

模擬戦を始めます。マーリン殿とコウ殿は

そのまま残ってください。」

「君も面倒なことに巻き込まれたのー」

この人がマーリンさんなのだろう。

「このぐらいなら計算内ですよ。

それよりマーリンさんも

変わった腕をしてますね。」

この人は精霊のいたずらにあったのだろう

腕が精霊のものになっている。

すると驚いた顔をして

「人前では見せたことないんじゃが

見破られるとは」

そんな話し合いをしていたら

準備が終わったらしい。

「模擬戦初め!」

開始の合図が出た。

もうやる気は無いので氷で椅子を作り座る。

「なんのつもりかわからんが

宮廷魔術師長として手加減はせんぞ」

そう言って巨大な火球を作り出す

火魔法だけじゃなく

風魔法を使って火力を上げてる。

複合魔法かな?

後ローブで精霊化してる左腕を

上手く隠している。

別に動く気は無い。

相手の魔法が完成するまでまつ。

「最後までそのままのつもりか

喰らえ〈白火〉」

唱えた通り真っ白な火球が

こっちに向かってくる。

人間の尺度で考えれば

すごい魔法なのだろう。

だが火の精霊王と戦闘してる俺だぞ

この程度で驚くと?

「凍れ」

その一言で終了。勇者と同じ結果だ。

こんな結果想像してなかったのだろう。

この場にいる人、誰も動かない。

わざわざ付き合う必要も無いので

フィアの元に向かう。

「やりすぎだ。あの方は

王国最強の魔導師なんだぞ」

人間ではでしょ、

それにホムラの血が流れてる王家が

最強だろう。

「王家が本気を出せば

あのぐらい余裕だろう。」

フィアが苦笑いをして答える

「そうらしいとは言われているが実際

王家が力を使うことは滅多にない。

故に最強はマーリン殿だったのだ」

「属性の相性が悪かったね。俺水だし」

「わざわざ凍らせたやつが何を言ってる。」

痛いところついてくるね

「まあ、終わったことはしょうがない。

やることもないし屋敷に帰ろう。」

フィアに言われて馬車で屋敷へと帰っていくのだった。


読んでいただきありがとうございます。


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