第57話【レオン視点】
レディファースト部門初の商品開発等、方針が決まった俺はセレスさんに転移をお願いする。
「それじゃセレスさんは孤児院に戻ってレナちゃんを国立錬金術研究所までお願い。シオンはここから一人でも行ける?」
「えっ、ええ……」
「レオン様はどちらに?」
「私はいったん監督室に戻るよ。レティファとエリスに確認したいことがあってね。もしかしたらクウには複数のことをお願いするかもしれない」
「……僭越ながら秘書広報室長を拝命した私もご一緒した方がいいのでは」
ありがたい申し出だ。
セレスさんって普段は毒舌のくせに俺が働くときだけ妙に忠誠心があるんだよね。
孤児院の執務も決して手を抜かない。
私がレオン様のお尻を叩かなければ、とか思っているんだろうか。仕事じゃなくてプレイとして叩いて欲しいんだけど。そう。スパンキング。もちろん反対でもいいよ。大歓迎。一度セレスさんのデカ尻を叩いてみたかったんだよね。パチーン、と!
とはいえ、彼女はやはり根っからのドSということだろう。俺が嫌々働いているときだけ優しくなるという。やっぱり納得がいかない。働きたくないでござる! 響さんにおぎゃりたいでごじゃる!
「それじゃこうしよう。セレスさんはレナちゃんを研究所に転移させてクウとシオンに引き継いでもらえる? シオンは自己紹介や状況説明をした後、生産体制に入るために必要な手順や事項をリストアップし、レナちゃんに確認を取る。値段設定や販売方法、販路の見極めに入ってくれ。あとはおそらく必要な素材や開発を急ぐものが出てくるはずだ。それを今度はクウに意見を聞いて欲しい。天性の直感力が発揮されるはずだ。そこで調達のめに魔物討伐となれば今度はレベッカの出番に、帝国への仕入れになればシオンの仕事になる。私が指示を出しやすくなるよう情報の引き出しと整理をシオンにお願いしてもらえるとありがたい」
「もちろんよ! 任せてちょうだい!」
クール系美人のシオンが少女のようなキラキラ視線を笑顔を振りまいてくる。
ぐっ……! そんな純粋な感情で見つめられると心が痛い。俺が言ったことと言えば、命令しやすいように下処理しておいて! である。これで素敵、抱いて! みたいな視線を向けられてもさすがの変態ドスケベも躊躇する。
いや、シオンのこの表情は新規市場の開拓とう期待によるものか。キラキラ目線でなくて瞳に$ってこと? やはり女の子は強かさを兼ね備えている。
ぶっちゃけ綺麗に育ちドストライク過ぎて、脳死も悪くないなと思い始めていた。
もちろん息子の介護もしてくれるよね? 答えは聞いてない!
「それじゃセレスさんはあとで合流してくれる?」
「かしこまりました」
とお辞儀するとセレスさん。
俺を働かせようと必死なんだろうけどそうは問屋がおろさない。俺がG7秘書広報室を新設したのは雑用を全て振るためだ。
こうなったらトコトン働いているフリをしてみんなを顎で使ってやる。
えっ、最低?
俺を多数決で囲んで働かせようとした報いだろ。嫌がっている俺に仕事ばっかさせやがって。だいたい成果を上げても待っているのは出世じゃねえか⁉︎ 責任と仕事だけが増える地位なんてごめんだね! せめてエッチさせてよ! そしたら俺、結構頑張れるのに!
そういう意味でもレティファの俺に対する嫌がらせは上手くできている。やはり俺のロリヒモ光源氏スパイラルを邪魔するラスボスは彼女だったか。腹黒女王め……!
ドチャシコエロボディで誘惑してきやがって。鬼ピストンで孕ませるぞ?
ええい、こういうのは勢いが大切なんだ。レオン知ってる。部下を酷使して使い潰して、成果が上げられない上司が一番クソなんだって。
もちろん最初から失敗前提とはいかないが、そのときは責任を取って監督室長を降りればいいのさ。
こうなりゃ『七つの試練』をさっさとクリアしてやるぜ。
さあ、次はレティファとエリス。この二人から詳細を確認して一気に四人の課題解決だ!
俺はまだ怠惰な生活を諦めてはいない――!
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