2-4 青波ちゃん、恐ろしい子…!
― 青波の弟の話から何気ない会話を続けた早見たちだったが、そんな青波の口から最後に出た言葉は、奇想天外なものだった…!
早見 渚の場合
「んゥうウ!?」
私はなんとも言えない変な言葉を発してしまって、少し顔が熱くなるのを感じた。そしてそれをごまかすように、一番聞きたかったそれを口からこぼした。
「それを先に言わんかい!」
それストーカーじゃん、とか、大丈夫なの、とか、今までなんともなかったの、とか、もっと気の利いたことから言えればよかったのかもしれないけど、私の口から真っ先に出たのは、イントネーションコテコテの関西弁ツッコミだった。
当の青波ちゃんはぽかーんとした表情を浮かべ、頭の上にハテナマークを浮かべている。この場にいる青波ちゃん以外の全員には、なんと声を発するべきか、しばし考える時間が必要だった。
なんとも言えない空気が流れる。一緒にご飯を食べていた
青波ちゃん、恐ろしい子…!
その空気に堪え切れなかったのか、先に口を開いたのは青波ちゃんだった。
「ああ、でも、今のところはなんともないから、全然大丈夫だよ。」
両手を合わせて微笑む彼女。
「可愛くいってもダメーーー!」
私は反射的にそう叫んでしまった。青波ちゃんがちょっとビクッとして謝ろうとしているように見えて、私はすぐに謝ろうかと思ったけど、それを二人が遮った。
「渚の言う通りだよ。何もないのは、今のとこ、でしょ、なにかあってからじゃ遅いよ!」
「そういうものかなー。」
私たち全員の心配が、いよいよ大きくなってきても、青波ちゃんは未だにぽかーんとしている。
そうだよ!それでいつからなの?
なんでつけられてるってわかったの?
二人は口々に質問を投げかける。青波ちゃんは面食らった様子で、しばらく大丈夫だよ、なんて言って抵抗していたけれど、私も含め皆の勢いはそんな抵抗もろともせず、青波ちゃんはすぐに観念して事件の内容を語り始めた。
―――。
「友達が困ってるなら心配になるし、助けて当然だろ。そこに友情の深さとか、友達やってる時間の長さとか、そんなの関係ねぇよ。」
あいつはあの時私にそう言った。なら今回も、頼っていいかな?
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