Fire HD 10(第11世代)[2022.11.06 追記]
Fire HD 10(第11世代)を中古で買った。
Fire HDを買おうと思ったのはつい最近で、外出先で気軽に使える高機能ポメラみたいなものが欲しいな、と思ったのがきっかけ。
一応ノートパソコンはあるが、古いものでバッテリーが劣化している。すぐ電池切れになるので、家ではともかく、出先では使いにくい。
安い中古ノートパソコンか、あるいはタブレットを買ってポメラ的に使えないかな、と思って調べていると、AmazonのFire HD 10が意外とその役目を果たせそうだった。10インチのストレージ32GBモデルで定価15800円。セール中だと1万円程度で買える。この価格なら気軽に買って試すことができる。
そこで、購入を検討するため、Fire HDについてお勉強することにした。
Fire HDの第1世代が発売したのは2011年。Fireの「世代」は、2011年を1として、発売年によって付けられている。2021年モデルなら第11世代、ということ。要するに年式みたいなもの。
Fireはもともとkindleの発展版として登場した。kindleは電子書籍を読むための専用端末だが、それにもうちょっと機能を付けて、カラーで電子書籍を閲覧できたり、Amazonでお買い物ができるようにしたもの、という位置付けだった。
Amazonが動画配信に力を入れるようになると、Fire HDでも快適に動画再生する能力が求められるようになり、それで性能が強化されたようである。
Fire HDの10インチモデルがラインナップに追加されたのは2015年で、以後、17年、19年、21年と、2年置きに新型が発売している。
第5世代の性能はイマイチで、しょぼいCPUにメモリも1GBしか積んでいなかったが、現行モデルはCPUはそこそこの性能で、メモリも3GBに強化されている。ストレージは32GB版と64GB版があるが、1TBまでのmicroSDを使用可能だから容量は問題ない。
第11世代にはPlusという上位版があり、こちらはワイヤレス充電が可能で、メモリは4GB。通常版との価格差は3000円。
昔のFireはKindleに毛が生えたものでしかなく、Amazonでショッピングができる電子書籍リーダーという、よほどのAmazon信者でない限り無用の長物だった。安価でそこそこ使えるタブレットとしての性能になったのはつい最近のことのようである。
Fire HDのOSは、Androidベースだがカスタムされており、そのままだとGoogle Playは使えない(やりようはあるらしい)。Fire用のアプリはかなり少なく、お寒い状況らしいが、私としてはそこそこ快適に動作して、wifiでネットに繋がり、テキストを打って保存できたら充分で、そのくらいのことはできそうである。
私は当初、Fire HD 10 Plusの32GBにBluetoothキーボードとマウスを付けて小型ノートパソコン化する計画だった。
Fire HD 10には専用のキーボード付きカバーがあるが、見た感じ、このキーボードは微妙に使いにくそうだった。レイアウトが普通のキーボードとは微妙に異なる。それで、普通のレイアウトでそこそこコンパクトで文字も打ちやすいロジクールのK480を買おうと考えていた。持ち運ぶには少々重いが、そこは気にしない。
ただ、Amazonでは最近プライムセールがあったばかりで、当分Fire HDの安売りはなさそうだった。下手したら11月末のブラックフライデーセールまでないかもしれない。どうせ試すなら早く欲しいが、セールで5000円ほど安くなることがわかっていながら定価で買うのも癪である。
それに、過去のペースからすると、来年には第13世代が登場するはず。買うのが遅れれば遅れるほど「少し待って新型を買った方がいい」状態になりかねない。そうなると買い時を見失ってしまう。
どうしたもんかと思っていたら、11世代のFire HD 10 32GBモデルのキーボード付きカバー付属のものが中古で売っているのを見かけた。見た感じ、画面キズなどの深刻な問題は無し。値段は1万ちょっとで、キーボード付きカバーが付属することを考えると安かった。
発売から1年しか経っていないモデルのため、酷使されてへたっている可能性は低いし、キーボードカバー付きということは、そこそこ大事に扱われた個体だと考えていい。中古ということに懸念はない。
問題は、このキーボードが使い物になるかどうか、ということくらい。
考えた末に、これを買ってみることにした。もしキーボードが使いにくかったら、改めてK480を買えばいい。もしくは、出先ではこのキーボードを使って、家では使いやすいフルサイズのを使ってもいい。
買ってきたFire HD 10を確認したところ、外観上に目立ったキズ等はなく、ほぼ新品と言っていいものだった。
セットアップを済ませてざっと使ってみたが、動作はかなり快適。画面もきれいだし動画も問題なく再生できる。
スピーカーは最低限の仕事はしてくれるが、音質は良くない。そこはそもそも期待するべきではないだろう。Bluetoothスピーカーを使えばいい。
テキスト入力に関してはマイクロソフトの無料アプリ版Officeが使えるが、これが使いにくい。印刷物を作成することを前提にしたレイアウトになっているため文章がぺージごとに区切られるのだが、こちとら印刷物用の文章を打っているわけではないから無意味な機能だし、無駄な余白が多くなって見づらい。
Windows版のワードにはWebレイアウトという表示機能があり、これを使うと要するにメモ帳みたいな表示になって使いやすくなるのだが、アプリ版オフィスにはこの機能は付いていないようである。
FireにはWPSオフィスが標準で付いてくるが、こちらにはWebレイアウトモードが付いている。おかげで圧倒的に扱いやすかった。ただ、頻繁に「強制終了しました」と出るのが鬱陶しい。実際には強制終了していない? っぽくて実害はなさそうなのだが、標準で付属する基本ソフトの挙動が不安定なのは勘弁して欲しい。
ネットに繋がる環境で使うなら、カクヨムで直接文章作成すればいい。
オフラインで作業する場合はWPSオフィスを使い、後にカクヨムに投稿するか、googleドライブなどを使ってデスクトップパソコンとデータのやりとりをする。
懸念だったキーボードは、やはり使いにくい。キータッチは悪くないが、「ろ」や「む」の位置が違うし、Enterの位置も変で、使っているとしょっちゅう間違ってShiftを押してしまう。ファンクションキーがないため、カタカナで入力したいときにF7一発でできないし、日本語と英語を切り替えるにはShift + スペースを押す必要があり、これも手間。
この文章はFire上で打ってカクヨムに投稿している。ということで、この程度の文章を打つのはやってやれなくはないが、使い心地は良くない。
出先でちょっと文章を打つくらいなら我慢できるが、Fireをメインのテキスト作成機器として使うのであれば使いやすいキーボードは必須。
あと、ノートパソコン的に使うのであれば、やはりマウスは欲しい。たいがいのことはタッチパネルでできるが、ちょっとしたところで「マウスがあればなあ」と思うことがままある。
というわけで、本格的に使うならBluetoothキーボードとマウスの追加は必要になりそう。
総評としては、思った以上に使える端末だった。ポメラどころか、軽作業をするだけならノートパソコンの代わりになる。これで1万円台ならものすごくお得。中途半端な性能のノートパソコンを買うくらいならFire HD 10を買った方がいい。
付属のメールアプリはまだ使っていないが、これも使えるようなら、いまデスクトップパソコンでやっていることの大半はFireでこなせる(後にメールアプリを使ってみたが、使いにくかった。アプリを使えば複数のアカウントを一括管理できるが、ブラウザからGmailやOutlookにアクセスした方がまだ扱いやすい)。
ゲームをやるには高性能パソコンが必要だし、それ以外にもデスクトップパソコンでなければできないことはあるので、すべてをFireのみで完結させることはできないが、日常的な作業をFireメインに移行することも考えている。
[2022.09.08 追記]
家にスマホ用に買ったBluetoothキーボードがあったので、試しにそれをペアリングしてみた。ELECOMのTK-FBP043。かなり小さくてキーが詰まっており、これはこれで使いにくいが、Fire純正キーボードの変なレイアウトよりはマシ。
このキーボードをメインとして使う気はないが、Fire用にキーボードを買ったとき、本当にちゃんと動くのかのテストにはなる。
ネットではキーボードは問題なく使えるとあるが、それはローマ字打ちに限った話かもしれない。私はかな打ちしているので、かな打ちでも問題ないかは確認しておきたい。
ペアリングは何も問題なくうまくいったが、使ってみると入力がおかしかった。どこを押しても「へ」が出ないし、「む」を押すと「ろ」が入力される。
どうやらレイアウトが正しく設定されていないらしい。いろいろ設定をいじってみると、 「設定」→「端末オプション」→「キーボードと言語」→「物理キーボード」の「キーボードレイアウトを選択」で日本語を設定することで解消された。
このキーボードでも日本語と英語の切り替え操作はShift + スペースで、これはFireの仕様のようである。ただ、これは慣れればそこまで問題ではない。
F7でカタカナ入力できることなどは確認。
どうやら、安心してキーボードを買っても良さそうである。
あと、マウスを買ってきて、ペアリングしてみた。買ったのはELECOMのM-BY11BR。
Fireはマウスで動かすことを前提につくられていないので、Windowsほど便利には使えない。右クリックしてもメニューが出るわけでもなく、ドラッグした文章を切り取り張り付けするには指で画面をタッチしなければならない。
それでもやはり、Fireをノートパソコン的に使うのであれば、マウスがあった方が便利である。
[2022.09.10 追記]
キーボードのK380を購入した。当初はタブレットスタンドの付属するK480にする予定だったが、K480のスタンドはスリットにタブレットを置くだけなので角度調整ができず、文章入力の際にそれが問題になることがありそうだったので、スタンドなしのK380にした。当面はキーボード付きカバーをスタンドとして使うが、そのうちスタンドを買うかもしれない。
キーボード付きカバーはある程度角度調整できて、電子書籍の閲覧や動画観賞には問題ない。しかし、文字入力をするときには微妙に融通が効かないように感じる。
持ち運びには便利だから出先ではこれを使うとして、家で使う時のために自由度の高いスタンドを別に買ったほうがいいかもしれない。
キーボード付きカバーのキーボードは8割くらいは問題なく使えるが、レイアウトの違いからミスタッチが出る。やはり標準的なレイアウトのキーボードの方が使い勝手はいい。
ともかく、これでFireをそこそこ快適にポメラっぽく使用できる環境は整った。
[2022.09.11 追記]
Fireをいろいろ使ってみて、わかったことがある。Fireは縦向きの方が使いやすい。
もともとAndroidがスマホ用のOSで、縦向き画面を想定して作られているからか、Fireも横画面より縦画面のほうが扱いやすい。
横画面にすると左右に無意味な余白ができることが多いし、文章入力する際も一行が長すぎて見づらい。
2画面分割を利用することで横の長さを調整できるが、2画面分割するなら14インチは欲しい。10インチで2分割すると、左右どちらも中途半端な幅しかなくて扱いづらい。
一方、縦画面だと横幅がちょうどいいし、上下に長いことで多くの行を表示できる。
これは紙のノートが、横長より縦長のほうが使いやすく感じるのと同じ理屈だろう。
主に縦画面で使用するなら、10インチは少し大きすぎる(主に動画鑑賞に使うなら話は別)。8インチで充分。あとは縦置きできるスタンドが欲しい。
[2022.11.06 追記]
ようやくFireでつかえるテキストエディタを見つけた。マイクロソフトのOfficeに付属している「メモ」である。
これは要するにWindowsのメモ帳に近い機能のテキストエディタ。ページの概念がないから、ネット用の文章作成に適している。
メモはOutlookを介してアクセス可能で、Fireで入力したメモも、WindowsのOutlookから閲覧できる。もちろん逆も可能。WindowsのOutlookを介して入力したメモをFireのOfficeからアクセスできる。
Fireに標準で付いてくるWPSオフィスは、使い勝手はいいものの、オートセーブ機能がない上に突然強制終了することがあるため、作成途中のデータが消失することがよくある。それでいろいろテキストエディタアプリを試していたのだが、結局はOfficeのメモに落ち着いた。
Fireは便利だが、ひとつ、いただけない機能がある。Kindleのそこかしこにワンクリック購入ボタンがあること。間違って押すと勝手に電子書籍を購入する。
キャンセルは簡単だが、そもそも押し間違えやすいところにワンクリック購入ボタンを配置しないで欲しい。
Amazonの公式サイトではワンクリック購入機能をオフにすることが可能だが、Kindleアプリ内ではオフにできない。地雷原のようなクソアプリである。なんでこんな詐欺的な仕様になっているのだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます