買ったもの

オーディオテクニカ AT-HA2(ヘッドホンアンプ)

 私は今までパソコンとテレビの音を、HDMI音声分離器で抽出し、それをコンポのDENON RCD-M37に入力し、RCD-M37のヘッドホン端子からスピーカーやヘッドホンに出力していた。


 図式化するとこんな感じ。


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■パソコン・テレビチューナー

 ↓(HDMI)

■HDMI音声分離器 →映像(HDMI)→ ■モニター

 ↓音声(RCA)

■RCD-M37

 ↓(ミニプラグ)

■ヘッドホン・スピーカー

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 モニターにも音声出力機能はあるので、こんな複雑な接続をせずともモニターから直接ヘッドホンやスピーカーに接続して音を出すことはできる。しかし、モニターに搭載されているアンプは質が悪いらしく、音質が大きく劣化してしまうので、このような構成になっている。


 しかし最近になって、出力にハムノイズが乗るようになった。ブーンという雑音。

 ハムノイズが乗る理由はいろいろある。近くの電気機器だったり、コンセントだったり、コードだったり、コンポに搭載されているアンプの劣化だったり。

 なので原因の特定には手間取ったが、結果はRCD-M37のヘッドホンジャックの劣化が原因だった。長いこと使いすぎたせいで接続が甘くなり、それでノイズが乗る。

 なんでわかったかというと、プラグを手で強く押し込むとノイズが消えるから。手を離すとまたノイズが乗る。


 RCD-M37は2008年発売。もう13年ほど使っている。その間、CDの読み取りが甘くなったのでレーザーの出力を調整したり、分解して清掃したり、電源スイッチのプラスチックが疲労で折れて押せなくなったりといろいろあった。良く保った方だろう。


 ジャック内のホコリを取ったり、接点復活材を塗布することで直ることもあるので試してみたが効果なし。たぶん、あまりに長いこと使いすぎたせいで、ジャックの板バネが緩くなっている。


 部品を交換すれば直るが、近所では売っておらず、手に入るかもわからない。もしやるならはんだごても買い換える必要がある。家にあるはんだごては古いし非常に使い勝手が悪い。そこまでして直す必要があるのかを考える。

 現状、RCD-M37は、アンプとしてのみ使われている。音量を調整するためだけの装置である。そのわりには場所を取っている。いっそこの機会に、小さいアンプを買った方が便利かもしれない。


 ネットでアンプを探してみると、オーディオテクニカのヘッドホンアンプ、AT-HA2が見つかった。小さいし値段も手頃。これを買ってみることにした。



 AT-HA2の仕様は入力1系統(RCAまたはミニジャック。使わなかった方がスルーとなる)、出力2系統(ミニジャック)、スルー1系統(音声をそのまま通す。AT-HA2の影響を受けない)。電力供給に小型のACアダプタを使うが、一般的なプラグと同等の大きさで、隣のコンセントを邪魔しない。


 早速、送られてきたAT-HA2を接続して使ってみる。さきほどの図式で、RCD-M37がAT-HA2に変わっただけ。

 接続に難しいことはない。機能や音質や音量についても文句ない。

 ただ、ヘッドホンで使用時、無音部分でホワイトノイズが乗っているのが気になった。


 ホワイトノイズとはサーという雑音。主に音をブーストしすぎたときに乗る。AT-HA2は音量を最小にしてもホワイトノイズが乗っている。


 調べてみると、AT-HA2にホワイトノイズが乗るのは有名な現象らしい。ヘッドホンによって聞こえたり聞こえなかったりするのだとか。

 私が使っているのはオーディオテクニカのATH-SX1a。これももうボロボロで、イヤーパッドはYAXIのstpad-DX-LRに交換、ヘッドバンドの合成皮革は剥がれたので黒い布テープを巻いている。


 なお、スピーカーはヤマハのMSP5を使っているが、こちらはスピーカー自体がホワイトノイズを出すのでAT-HA2のノイズは問題にならない。そしてこのノイズはスピーカーにかなり耳を近づけないと聞こえないから支障もない。

 これに限らず、スピーカーはだいたいホワイトノイズを出しており、それが問題になることはほぼない。問題になるのはヘッドホンやイヤホンに乗るとき。耳の側で音が鳴るものだから、ちょっとしたノイズでも気になる。



 このノイズ対策は、要するに出音のボリュームを絞ればいい。AT-HA2の出力とヘッドホン(スピーカー)の間に、抵抗入りか、ボリューム調整機能付きの延長コードをかませる。

 抵抗入りコードは調整が効かないので、買ってみてダメだとどうにもならない。それよりは調整できる方がいいかと思い、調整機能付きコードを買うことにした。


 買ったのはオーディオテクニカのAT3A50ST/0.5。3段階で音量を調整することができる。その辺で売ってるかと思ってホームセンターや電気屋を覗いてみたが、なかったのでネットで注文した。二度手間である。

 なお、この手のボリューム調整機能は、抵抗を段階的に増やすことで音量を下げる仕組み。音量を上げたいならアンプがいる。また、無音にすることもできない。


 結果は良好。1段階下げるとノイズはほぼ消えた。最小にすれば完全に消える。音質も特に問題なし。若干ごちゃごちゃした構成にはなったが。

 ただ、AT3A50ST/0.5のコードはちゃっちいので、すぐ断線しそうではある。もしすぐ壊れるようなら、今度は抵抗入りコードを試した方がいいかもしれない。


 余計な買い物をすることになったが、それを含めてもAT-HA2は安価だし小型で場所を取らないから便利。おおむね満足している。

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