第20話

「うるさい。ここは月奈と俺だけの場所だ」



「そんな……」



そんなことを言われると、ポッと頬に熱を帯びてしまう。



「このふかふか感、たまんねぇ。天気のいい日はしっかり干せよ? このベッドには誰にも、寝させねぇ」



そう言いながら横になり、目を閉じる美影。



はぁ!?



なによそれ。



ベッドが気持ちいいから独り占めしたいだけ?



てっきり、美影はあたしと一緒に寝たいのかと……って、何考えてんのよあたし!!



ちょっと美影がかっこいいからって、妖精と一緒に1つのベッドでって……ありえないし!!



あたしは赤くなっているであろう頬を両手でおさえつつ、「ふーっ」と、息を吐きだしたのだった。


☆☆☆


そして、その日は4人の妖精たちといろいろな話をした。



妖精は何を食べて生きているのか?



妖精用の服はどこで売っているのか?



汰緒は髪を染めているみたいだけれど、妖精用の髪染めはどこでできるのか?



菜戯のメガネはどこで作ったのか?



妖精も視力が悪くなるのか。



その質問の答えは、こうだった。


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