11、佐々木絵美は威圧する

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番外編の投票はクズゲスが多数となったので、話の区切りが付いたら谷川家の話を書かせていただきます!

原作の話も見たいという意見があったので、違う機会に秀頼無双か秀頼ざまあかはわかりませんが、いつかまた彼に暴れてもらいたいと思います。


やりたい話がありすぎて美月の出番がドンドン後回しに……。

8章がシリ回以外シリアスだけだったから9章がめっちゃ書いていて楽しいです。

誰かにスポットを当てれば誰かが空気になるシステムになっているのでたまにはレギュラー全員でなんかしたいこの頃。


和とか最後いつ出たかよくわからんレベルですが、下ネタ耐性で目立って良かったです。

ゴールデンウィーク最終日に津軽姉妹にスポット当てるのでファンの方は楽しみにしていてください。


今は全力で絵美に秀頼を誘惑してもらいます!








絵美、シリにキスをしろと迫られる。

これ断れない空気になってる……。

え?俺が絵美にキス……?


マジで!?


来栖さんにもしたことないのに!?


確かにスゲー絵美は可愛いし、俺にはもったいない女の子だ。

前世の記憶を思い出さないと真っ先に秀頼と付き合っていた女だ。

意識をするなというのが無理な話……。


あー、もう、本当に俺、絵美大好きなんだよ!


ようやく最近気付いた……。

多分絵美はタケルに恋してない。

自惚れて良いなら、多分俺に気があるんだと思う。


ただ絵美はライクとラブのどっちを俺に向けてるの!?


見えてない、気付かないのが無理なんじゃ?と思うくらい、絵美の距離感が近いのにようやく気付いた。

こないだ夢で来栖さんと会ったことによりだいぶ重なる。

絵美の目や仕草が来栖さんから向けられるものと似ているんだ。


来栖さんと絵美は別人だけど、女の好意の目くらいは気付いた。




後は三島遥香の影響もある。

来栖さんと三島の雰囲気から取ると永遠ちゃんや咲夜、ゆりかとかも俺に好意があるんじゃないかと考える。


せめてタケルに対するヨルみたいな露骨なアピールがあると『絶対好きやん!』と察することもできるのだが……。


わからない……。

俺に好意があるんじゃないかと該当する女の子が多いのだが、そんなみんながみんな俺が好きとか考えるのはナルシスト過ぎて俺には無理だ……。


自惚れても1、2人そんな子が居るかもしれない程度だ。

仲の良い絵美、理沙、円、咲夜、永遠ちゃん、和、星子、ゆりか、三島全員が俺をラブ的な意味で好きとは考えられない……。

絵美と三島がちょっとラブに近いのはなんとなく気付いた。


理沙は兄妹喧嘩して真っ先に俺を呼んでるから可能性はあるかも。


円も最近妙に優しくて好きな感情がある気がしないでもない。


咲夜は距離感が近いけど、彼女が意識してるかは本人の性格がわかりにくいのもあり、俺を意識してるかもよくわからない。


永遠ちゃんは俺をからかってきて、好きだからなのか、性格的に俺が弱いから被害を受けてるのかわからない。

でもライク以上ラブ微妙くらいはあると思う。


和はゴミクズ呼ばわりするくせに俺に合わせてくるから本気でわからない。


星子は兄妹の距離感とはなんか違う気もするけど、30年一人っ子の俺に兄妹の距離感の正常値がわからない。

でもライク以上はあると思う。


ゆりかからはストーカーをされてるのもあり、好かれているんだろうとは想像が付く。

ただ、弟子として好きなのか、女として好きなのか曖昧だ……。






──そもそも俺は誰が好きなんだ?


俺なんか好きになってくれる子がいるのか?とトラウマになっているのが大きい。


部長に貶され、叔父さんに否定され……。

なんで俺ばっかり前世も今世も苦しむ人生を歩まなくちゃいけないんだ……。

人の2倍ぶんの人生を苦しんで、俺の先の人生はほぼバッドエンドが決まっていて……。


なんで記憶なんか蘇ってしまったんだよ……。


俺なんか前世を思い出したくなかったし、ここがゲームの世界と同じとか知りたくもなかった……。


そんな俺が恋愛をしても良いのか……?


俺が恋愛をするとして、誰が好きなんだ……?





「…………」


こんな曖昧な気持ちで、俺は絵美にキスなんか出来ない。

俺も、絵美が大好きだけど、1番に好きなのかまだ考えてないからわからない……。

高校卒業までには答えを出したい。

そんな原作の終わりまで、俺は生きていられるのかわからない……。


唐突に、脈絡なく人生が終わる理不尽さは俺が経験していることでよくわかっているつもりだ。

だから、1日1日を後悔なく大事に生きていきたい。

そんな俺の人生において、隣を歩いてくれる異性は居るのだろうか……。



だから、俺が1番に好きだって思えた時に絵美にキスをしたい。

それが、俺の決断。


大事な人だから、無責任に傷を付けたくない。




「……絵美」

「秀頼君……?」

「唇にキスはできないけど……」


横になっている絵美の上に押し倒したみたいな体勢になる。

絵美の顔をこんな間近に見るのは本当に久し振りだ。


「秀頼君……」


あぁ……。

絵美は可愛いなぁ……。


このまま無理矢理キスして、押し倒してなんて男の願望を垂れ流したい欲はゼロなわけではない。


でも、そんなの本物の秀頼と同じだ。


傷付けたくない。

本当に絵美が好きだから、一時の欲に流されたくない。


本当にお互いがそういう関係になってからやりたい。


「絵美……」


俺は絵美の前髪に触れる。

いつも触る俺の髪とは少し違う感覚に不思議に思いながらかきわけていく。

絵美のおでこが露出する。


「お前がキスしろって言うから……。文句言うなよ……」

「え……?」


俺は絵美のおでこにゆっくりと唇を付ける。


「…………」

「…………」


すぐにおでこから離れ、絵美の顔から離れる。

多分、おでこが唇に触れた時間は3秒未満。

でも、3秒に満たないだけなのに俺の心臓の鼓動はこれまでの人生で1番ドキドキしている。


来栖さんにすらしていなかったことを、絵美にしてしまった。


「あ……、えと……、ごめん……」


動かなくなった絵美に謝る。

キスしろって煽るからと言いそうになるが、ここでそれを言うのは男としてださいと判断して、俺が責任を被る。


「……ぅぅぅ」


恥ずかしくなったのか絵美が俺の毛布にくるまり顔を隠す。

というかやっぱり起きていたんじゃ?とどうでも良いことを考える。


「だ、誰にもしてるわけじゃねーよ?絵美だからしたって言うか……。絵美じゃねーとしなかったって言うか……」

「ぅぅぅ……」


もじもじと絵美がじたばたしている。

絵美は俺のベッドと俺の毛布にくるまっているのでかなり恥ずかしい……。

そしてゴロゴロと転がりだす。


「好きぃぃぃぃぃぃぃぃ」


なんか小声で毛布に叫んでいた。

ハッキリとは聞こえなかったけど……。


「今、好きって言った?」

「秀頼君」

「うわっ!?」


ガバッと毛布を脱いだ絵美は腕を上げて、俺に指を差してきた。


「なんで小声で言ったのに聞こえてんですか!?普通こういうのは『何言ってんだ?まぁいっか』っていう心理描写になるんですよ!」

「……何言ってんだ?まぁいっか」

「よし」


これで満足らしい。

本人がそれで良いなら良いのだろう。


「ところで、秀頼君……。あのキスにはどんな意味があったのかなー……なんて」

「何言ってんだ?まぁいっか」

「……」


枕を投げてようとしているのか、右手に枕を持って威圧している……。


「ひでーよーりー?」

「絵美ちゃん!?ごめん!ごめん!ごめんよぉぉぉ!?」


ベッドの上で締まらないやり取りをしていた。










たまに秀頼と絵美で呼び捨てと敬称を付ける方が逆転する現象が好きです。

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