第43話

「よかった。無事だったんだね」



「恵美も。でも顔色が悪いけど大丈夫か?」



聞かれてあたしはうなづいた。



今見たものを説明する気にはなれなかった。



掛け時計を確認すると夜明けまであと2時間ほどだということがわかった。



想像以上に木工室で時間を使ったことになる。



でも、あと2時間ならどうにかなるかもしれない。



あたしは保健室の中を見回して、ロッカーに目をつけた。



背の高いロッカーの中には先生の白衣と制服の替えがかけられているだけで、十分に他人が入るスペースがあった。



「あたしはここに隠れているから、なにかあったら言ってね」



あたしは聡介に声をかけ、ロッカーの中に身を隠したのだった。

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