第二章 私の選択
第8話 朝
チュン、チュンチュン・・ピヨッ
(鳥の声・・?)
ゆっくりと目を開けた私は周りを見回す。
薄い水色の掛け布団、花柄の少しくたびれた枕、木製の棚、白い電気スタンドに白い壁・・。
ここは間違いなく私の部屋だ。
見慣れた緑のカーテンの隙間から差し込む
出窓の光は淡く白い。
ベッドに座ったまま、棚の時計を見ると、5時30分を表示している。起きるには少し早いが朝と呼べる時間だ。
(さっきのは何だったんだろう?夢?それにしてはリアルだし、今もハッキリ覚えてる・・)
見慣れた景色に安心して、私は目が覚めるまでみていた夢らしきものを思い返す。
クロって子が言ってたこと、間違ってなかったな・・。
私は小学校で三人の親友に恵まれるが、
中学校でイジメという地獄を味わった。
高校、大学と進学するが、思い出したくもない中学校以上の苦しみや辛い出来事が私を待ち受けていた。
中学時代は、夢が私の自殺願望の抑止力になってくれたが、夢を忘れさせる苦痛が私の背中を押して、大量の薬を飲み、病院に担ぎ込まれ、入院した日を未だに忘れることはなかった。
幸い、何の後遺症も残らなかったことは、不幸中の幸いだった。
今でも心療内科とカウンセリングにお世話になっている。
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