悪い奴のせいにはできないのさ
悪い奴というのはどこにでもいる。正確には、どこにいる人でも、
それでも、自分というものを聖人と称するなら、聖人というのは
どうか、僕の言っている事が全て間違いであってくれ。僕が一人で馬鹿をしているだけであってくれ。世間の人というのは、
そう願う時、どうしようもない悪が一つあれば、諦められるだろうと思うのだ。そして、そういう時になって、僕はこう思うのだ。『悪い奴のせいにはできないのさ。だって、それを求めたのは自分なんだから。』そう思うだろうと考えると、悪い奴なんてのはいない方がいいのだ。だが、いる。そこにいる。誰かが指をさしている。誰かが石を投げている。誰かが
そんなに単純なら、全部僕のせいになってしまえばよかったのに。そうすれば、僕が一人で罪を
どうしてそうはならないんだ。どうして、僕はここで一人取り残されていくんだ。僕がみんなの後ろについていけないからって、独りにしないでくれ。おいていかないでくれ……それならまだ、傷つけられている方がマシだ。誰にも慰めてもらえないまま、一人でじっとしている方が……その方が、誰かが傷ついてしまうよりもずっと……。
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