子供になりたいだなんて嘘つくな

 人に小言を言われても、勝手に決めつけられて話が進んでいっても、自分にそれを突っぱねられる証拠も何もなければ、そうやって一人で傷ついていくしかないのだ。それが子供というもので、今僕はまさしくそれをやっているのだ。それでも子供になりたいと思う人がいる事が信じられない。子供なんて、責任能力が認められないからって、周りから勝手にあれこれ言われ続ける立場にある存在なんだ。それでも子供になりたいなんて、それが責任ある大人の言う事か!?


 大抵そういう時は、恩恵おんけいばかり考えているからそういう発想になるんだろう。嫌な事を全部忘れて、良かった事ばかり思い出そうとしているから、そんな発想になっていくんだろう。結局、自分に都合の良い事しか考えていないだけではないか!


 じゃあ、じゃあ……それじゃあ書くけれど! それがそんなに悪いか!? 結構な事じゃないか! 都合の良い妄想さえできやしないってんだったら、何ならさせてもらえるんだよ!? そうやって、頭ごなしに子供扱いをするなら、こっちがいくら責任能力にんでいたとしても関係ないじゃないか!! そうやって人を小馬鹿にする人の考えている大人って何なんだ!? 言う事を聞くなら子供だってできるんだ。反抗なら大人だってするんだ。子供になりたいって、そうやってありもしない事を考えるのを、子供みたいに利己的に禁止しようとする人が、どうやって、どんな責任を果たすつもりなんだよ!?


 だから、そういう争いを無くす為には、子供になりたいだなんて、そんな嘘を、そんな出鱈目でたらめを、初めから言わない方がいいって事なんだ。それが大人のする事なんだ。そんなのが大人なら、僕は一生子供をし続ける。そうやって僕は、子供なりの責任を果たし続けてやる。だから僕は、そうやってずっと子供でいようとするんだ。そうやって、僕は周りから小言を言われ続けているんだと。

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