第122話 閑話 リヴァイアサン1
妾は、龍脈の管理者にして魔界の海を統べる最強の水龍リヴァイアサンである。
現在は、人間界の海を統べる海底龍とその配下を下僕に加え、領土を拡大しておる。
領土を拡大するためには大量の水が必要であるため、下僕どもには悪いが水を生産させたり、水を献上させたりしている。
もちろん、龍脈の力など他の者に配分するなどの愚かしい真似はしない。
むしろ、下僕の龍脈の力まで奪い取って力を溜めている。
お陰で、我が力と領土は日々拡大を続けておる。
…フェッフェッ…
…今度はどこを攻め滅ぼしてくれようか…
そう考えていると、下僕の海底龍が我が城にやってきた。
海底龍のカラダはボロボロで目も虚ろだった。
…ふむ、そろそろ人間界の海も枯れ果てた頃じゃから、海底龍も水製造マシーンとして使い潰すかのう…
…龍脈の管理は別の者にやらせれば良いじゃろうしのう…
…うん?…
…海底龍の手に持っているのはなんじゃ?…
海底龍の両手に美しい球体の宝石が輝いていた。
『フェッフェッ!海底龍。献上する水がない無いと泣きついてきたのかえ?…うん?わかったのじゃッ!その手に持っている宝石で許してもらおうという魂胆じゃろ?フェッフェッ!』
海底龍は頷くと、ゆっくりと近づいてきた。
…ふむ、今回ばかりは許してやるとするかのう…
『フェッフェッ。まあ、お主の心意気に免じて今回だけは許してやろうとするかのう。しかし、次はないぞよ。妾も領土拡大のために水は欠かせないのじゃ。そちらの水が枯れたのであれば、ソナタには水製造マシーンになってもらうしかないからのう。水製造マシーンは辛いぞよ。毎日毎日、MPが尽きるまで水魔法で水を製造するのじゃからのう。そうそう、お主の元眷属達も妾のところで元気に水製造マシーンをしているから安心するがいいぞえ。フェッフェッフェッフェッフェッフェッフェッフェッフェッフェッフェッ!』
…この絶望した時の表情…
…あぁ…これは良いものじゃ…
…これだから弱い者をいたぶるのは止められんのう…
!!!パリンッ!!!
『おいッ!海底龍ッ!貴様ぁぁぁッ!今、龍脈の源泉に何を投げ入れた?』
突然、配下のシーサーペントが声をあげた。
…なんじゃ、急に一体どうしたのじゃ…
海底龍が配下のシーサーペントを尻尾で吹き飛ばす光景が目に飛び込んできた。
…このッ…
…海底龍めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!…
…謀反を起こしおったかぁぁぁぁぁッ!…
『皆の者ぉぉぉぉッ!であえぇぇぇッ!海底龍を追うのじゃぁぁぁッ!』
…許さん…
…許さんぞぉぉぉぉぉぉッ!…
!!!ドカンッ!!!ドカンッ!!!
!!!ドカンッ!!!ドカンッ!!!
!!!ドカンッ!!!ドカンッ!!!
強烈な爆発音と振動が城内に響いた。
…爆弾まで仕掛けておったのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!…
…ふぅ…ふぅ…
…落ち着け…
…落ち着け…
…短慮で失敗したときのことを思い出せ…
…理性を失っては彼奴の思うつぼじゃ…
…恐らく水の少ない場所に誘いだして袋叩きにするつもりじゃろう…
…すると、協力者がいるのか?…
…領土争いしている同格の上位龍か?…
…どちらせによ、犯人には妾に喧嘩を売ったことを心の底から後悔させてやる…
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