第114話 害虫駆除

「害虫駆除しよう。海を復活させる。」


(そして、時間がかかってでも海の食材を手にいれる。)


コウスケは、気配遮断スキルを使い土竜ドラゴンに近づき、右腕に10秒間触れた。


…条件を満たしました。ユニークスキル「マリオネット」を発動します…


…成功…


…今すぐ操りますか?今すぐ操らずにリストに追加しますか?…


“今すぐ操る”を選択すると土竜ドラゴンの表情から感情が消えた。


コウスケは、次元収納から土竜ドラゴンの拳程の巨大な球体を取り出した。


「土竜ドラゴン、これを持って海底龍の所へ行け。モンタ、土竜ドラゴンの傷を直してあげて」


モンタは土竜型ドラゴンに飛び乗ると回復魔法を使った。


…エクストラ・ヒール(回復魔法)…


『よしッ!その玉にはハッチャン達が入ってるから、大切に持って行けよ。頑張れよ、土竜ドラゴンッ!』


白も激励を送る。


『自分の命を犠牲にしてでも確実に任務を遂行しなさい。情報を引き出されそうになった時は、迷うことなく即刻自害なさい。』


(白、それ激励になってる?)


土竜ドラゴンは来た道を引き返して行った。


……


コウスケ達は、結界の中でピクニックシートを敷いて軽食を食べながら、塩湖の風景を楽しみんでいた。


(本当に雪みたいに見えるなぁ。モンタはチョココロネ、人化した白はシャケおにぎり、人化したクロンは日本酒かぁ。海の食材があれば、「寿司」「刺身」「天ぷら」「フライ」「おにぎり」「味噌汁」「スープ」「サンドウィッチ」…すべての料理がパワーアップする。「ダンジョンカタログ」でもある程度は手に入るけど、やはり天然ものにこだわりたいし、何より安定供給したい。)


コウスケは迷宮甘芋で作った大学芋を食べながら海産物に思いを巡らせていると、白が異変に気づいた。


『止まっていた龍脈の力が流れ出しました…。主様ッ!見事成功したようですねッ!』


(ハッチャン達が、無事に龍脈の源泉にたどり着いたみたいだな。後はトラップダンジョンとここを繋げて、駆除を始めるか。)


コウスケは転移魔法陣を展開する。


…転移門…トラップダンジョン…接続完了…


魔力を練り上げ転移門をつくり、トラップダンジョンに移動すると、コウスケはダミ吉に指示を出す。


「ダミ吉、これから海を破壊した害虫を駆除するから、この転移門を通して、熱湯をひたすら流し込んでくれる。あと、熱湯に環境に優しい毒も混ぜ込んでおいてね。マンドレイク、睡眠魔草、呪怨草、鬼爪痕、デッドプラントなんかは1日たつと毒成分が抜けると思うからオススメだね。」


<マスター。了解ッス。マンドレイクと呪怨草、デッドプラントは相性が良いし、混ぜても環境に悪影響はないので、混ぜ込んでおいてみるッス~。敵が攻め込んでくる可能性もあるッスから、罠もふんだんに仕掛けておくッスね。後は、トラップダンジョンの守護者-ホネホネ君-も配置しておくッス。なかなか活躍の機会が無いってボヤいてたんで。>


(ホネホネ君か…。ユニが名付けたアンデッドモンスター。自分の名前で悩んでないかな?それにしても、ユニのネーミングセンスはモンタに匹敵するな。人のこと言えないけど…。)

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