第62話 クロンも“ブレ”ない
<なんだか疲れる相手だったッスね~。>
(結局、何が目的だったのかはわからなかったな。)
「そうだね。お腹もすいたし、ランクエラーに帰ってちょっと早めの夕飯食べようか?」
コウスケが転移門の準備をしようとすると、足元に魔法陣が現れた。
(この紋様は強制転移トラップに似てるな。何者かが俺をどこかに強制的に転移させる気か!?)
…マジックジャマー(闇魔法)…
…マジックブレイク(闇魔法)…
…アンチマジックフィールド(闇魔法)…
パリンッ!
魔法陣は妨害系の闇魔法で無効化できた。
<マスター大丈夫ッスか?>
(…なるほど…自称ダンジョン神は囮だった可能性がでてきたな…。妨害系の闇魔法はヒスイを救出するときに滅茶苦茶使ったからほとんど無意識に使えるんだよ。残念だったね。)
「とりあえず迎撃用疑似ダンジョンに移動しよう。クロン、戦いになるかもしれないからよろしくね。」
『フハハ!そろそろ運動したいと思っていたところじゃよ。』
…転移門(時空間魔法)…
コウスケは手早く転移門を設置して、ランクエラーではなく迎撃用疑似ダンジョンへ繋いだ。
「ダミ吉は、トラップダンジョンをオートモードに設定したあと、いつものルートでダミアンと合流してプロテクトを構築しておいて。」
<了解したッス~。>
…迎撃用疑似ダンジョン マスタールーム…
コウスケ達は転移門で迎撃用疑似ダンジョンに移動していた。
「よし。このまま少し様子を見よう。転移魔法陣が現れたら作戦通りお願いね。」
(まあ、あちらも警戒してると思うから仕掛けてくる可能性は低いと思うけど…。しかし、のじゃ幼女とはいえヒトを平気でを囮にするなんて、人権を完全に無視してるな。この世界の連中には本当に関わりたくない。)
注意深く観察していると、再びコウスケの足元に魔法陣が現れた。
(一度防がれたのに無防備にも連続で仕掛けてきた。よっぽど自信があるのか、バカなのかどっちかだな。)
コウスケは強制転移が発動されるタイミングで作戦を実行する。
「…聖剣-クロン-反転解放…」
≪…咎人の千剣…≫
クロンが黒に変色し、周りに血濡れた黒剣がいくつも現れた。
「破ッ!」
漆黒の刃が、赤い血を撒き散らしながら、魔法陣の中心に突き刺さり、魔法陣は黒剣に吸収されていった。
『フハハッ!転移先を解読したぞ!場所は位置からすると“ロプト公国”か…この前取り逃がしたSS級冒険者もいると良いのう。では行ってくる。』
…咎人の千剣…殲滅形態に移行…時空間転移実行…転移先空間にいる生命体の殲滅を開始…
………レベルアップしました………
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(いやいや、どれだけ大人数で待ち構えていたんだよ。今の時点で100人は居る計算になるぞッ!)
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( ……………。数が多すぎる。よっぽど俺を殺すか捕まえたかった訳ね。)
しばらくすると、クロンが戻ってきた。
…咎人の千剣…任務を完了したため殲滅形態を解除…反動でこれより24時間活動を停止します…
『数人強いやつはいたが、それ以外は数ばかりで個々の能力は大したことはなかったのう。しかし、儀式魔法の準備もしておったから油断はできんぞ。それはそうと…コウスケ…目覚めたらいつもの頼む。』
「お疲れ様。とびっきりの用意しておくから楽しみにしてて。」
『おおッ!とびっきりとなッ!頼んだぞッ! ……。』
(クロンも“ブレ”ませんなぁ。)
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