第52話 精霊纏装
『いくわよッ!コウスケッ!”精霊魔装”じゃなくて、“精霊纏装”よ!』
「…聞きたいことは色々あるけど…、―精霊纏―」
…精霊纏装―スピネル―…
≪闇衣―グリムゾン・ダークネス―≫
コウスケに漆黒のマントが装着された。
(このマント…自由に動かせたり…剣や楯とか色々なものに変形できる…。)
『へへ~ん!こっちの方が汎用性が高くてコウスケ好みでしょう?』
『フハハ!わかっとるのぅ!どこかの駄龍の魔装とは違うわい!我は気に入ったぞッ!』
(インテリジェンスウェポン被りしないからクロン好みでもあるよね。見た目は…、完全に中二病全開だけど、それはもう今さらだよね…。)
コウスケは闇衣をクロンに纏わせ、巨大な漆黒の大剣を造り出した。
そして、脇構えの体勢になって、とあるイメージをしながら力を練り始めた。
(≪闇の精霊≫の言う通り、闇衣を纏えば問題なく力が練れる。初めて使う力だから、試しにあの技を使うか…。アイツの技を使うみたいで気持ち悪いけどねッ!!)
イメージが完成すると、大剣を横薙ぎに一閃する。
「闇の力の奔流よ、敵を飲み込め―“ダークメイルシュトローム”―」
台風の様に円形状に闇のオーラが渦巻き始めると、回りの物体を引き寄せながら、引き寄せた物体の生命力を吸収していく。
闇のオーラの渦は、やがて、白の集団に向かって進路を進んでいった。
(前に見た技よりも倍くらい規模が大きいし、この規模にしてはなかなかスピードで敵に向かっていく。これが本当の力か。)
半径4m以上の闇のオーラの渦に近づけずにいた白の集団は、今度は自分達のところへ渦が進んできたことでパニックを起こしていた。
「な、なぜこの結界の中で、これほどの魔法を行使できるのだ???…おのれッ!反射型のカウンター魔法で跳ね返せッ!」
白の集団の数人が前に出ると魔道具を取り出して、シールドを展開した。
台風の様に接近する闇のオーラの渦は、シールドをものともすることなく巻き込みながら物体の生命力を吸収していき、シールドを展開していた人間が意識を失いバタバタと倒れていった。
(凄まじい…。カウンター魔法にも効果は抜群だ。念のためにもう一発準備しよう。)
コウスケは、再度、脇構えの体勢になって、先程のイメージに改良を加えて力を練り始めた。
一撃で大損害を受けた白の集団は、コウスケが追撃準備している姿をみて驚愕する。
「お、おいッ!≪ハズレ≫ッ!もう一発打つ気か!?や、やめろッ!」
イメージが完成すると、大剣を横薙ぎに一閃する。
「闇の力の奔流よ、敵を飲み込め―“ダークメイルシュトローム”―」
最初よりも規模は小さいがスピードは早い闇のオーラが渦が敵に向かって進んでいき、一発目と合流するとさらに勢いがまして、白の集団が全て渦に巻き込まれた。
(イメージで威力やスピードを調整できるみたいだ。次は生き物をイメージして一人一人に追跡させてみるかな。)
今の状況を覆せないと判断した豪華な鎧を纏った男は、白の集団に指示を出す。
「ヴッゥゥゥゥ!この渦の中にいてはHPやMPが物凄い勢いで吸収されていく!帰還石の使用を許可する!結界を解除して、総員退避だッ!」
結界が解除され、白の集団の周りに魔法陣が出現し光り始めた。
(いつも思うけど逃げるのが遅いよ。)
コウスケは、結界が解除されたタイミングで作戦を実行する。
「…聖剣-クロン-反転解放…」
≪…咎人の千剣…≫
クロンが黒に変色し、周りに血濡れた黒剣がいくつも現れた。
「破ッ!」
漆黒の刃が、赤い血を撒き散らしながら、白の集団に襲いかかる。
「ははッ!惜しかったなッ!≪ハズレ≫ッ!いい気になるなよ!ジュゼ王国は貴様を必ず捕らえて、今までの罪を償わせてやる!覚えていろッ!―帰還―」
“帰還”が発動し、白の集団が登録地に転移され始めた。
「はい、さようなら。」
『本当にッ!だ~い嫌いッ!もうわたし達に関わらないでよねッ!』
『魔王様に無礼の数々、死んで償いなさい。』
…咎人の千剣…殲滅形態に移行…時空間転移実行…転移先空間にいる生命体の殲滅を開始…
『フハハッ!大罪人よッ!≪世界樹≫を枯らした大罪を償う時ぞッ!コウスケッ!行ってくるッ!』
「うん。無理しないでね。」
………
……
…
………レベルアップしました………
……ユニークスキル「交換」を発動します。対象と「交換」したいものを選択してください………
……
…
…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。