第34話 問答無用

要塞の制圧が完了した後、要塞の広間で戦利品の確認をしていると、ユニが氷漬けの占い師の水晶玉のようなモノを持ってきた。


「コウスケ様、ダンジョンコアらしきモノを見つけました。モンタに鑑定してもらったところ、やはりダンジョンコアとのことです。」


(氷漬けして、風魔法でコーティングしてある…。完全に危険物だな…。)


「直接触っても大丈夫なの?」


「わかりませんので、氷漬けにしてあります。鑑定でも不明だそうです。一般的にダンジョンコアはダンジョンマスターが死ぬと消滅するといわれていますので、ダンジョンコアの扱いに対する情報は乏しいのです。」


(ということは、ダンジョンマスターはまだ生きているってことか。…待てよ。ダンジョンマスターが死ぬとコアが消滅するということは、逆にコアが消滅するとダンジョンマスターは死ぬんじゃないかな。)


「とりあえず、このコアは壊そう。もしかしたら、ダンジョンマスターを倒せるかもしれない。」


ユニは頷いて、ダンジョンコアをそっと床に置いた。すると、コアから女の子の声が聞こえた。


『ヒェェエ~ン!やめてくださ~いぃぃ!』


コウスケは、クロンを構えて魔力を練り始めた。


「クロン。いくよ。」

『承知した!』


…並列思考、思考加速スキル発動…

…“ディメンション・シャープエッジ”…

(風+風+時空間+付与魔法)


『ヒェェエ~ン!!!何でもしますから~!!!助けてくださ~い!!!』


コウスケは、クロンを上段に構え直した。


「さようなら。」

『問答無用ッ!』


パキンッ!!!


……ユニークスキル「交換」を発動します。ダンジョンコアと「交換」したいものを1つ選択してください………


・ダンジョンコア(所有者:未登録、人格なし)

・交換しない


……ユニークスキル「交換」を発動します。ダンジョンマスターと「交換」したいものを1つ選択してください………


・職業オーブ(ダンジョンマスター)

・交換しない


(まさかの一択…。)


コウスケは、ダンジョンコアと職業オーブを選択した。

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