第78話 瀧聞会の現状のこと

瀧聞会の現状のこと








「ふむ・・・コイツが例の『新種』かい?」




古保利さんが、卓上のデジカメを見つめている。


いつもと違い、その顔には飄々とした雰囲気はない。


深く皺の寄った眉間が、その悩みを物語っているようだ。




「確かに、黒い個体とはまた違った筋肉の発達具合ですね・・・」




「またニュータイプ、デスカ」




八尺鏡野さんとオブライエンさんも、同じような表情を浮かべている。






ここは、御神楽高校の校長室。


昨日謎の白黒ゾンビと遭遇した俺は、今までの報告も兼ねてここを訪問している。


ちなみに神崎さんは先にまとめて報告をした後、お祖母さんに会いに行っている。




俺はそこらへんで暇を潰そうとしていたが、『実際に新種と遭遇した感想を聞きたい』と言われてこうなっているというわけだ。


感想と言われてもなあ・・・




「それで、戦った感想はどうだった?」




「そうですね・・・まず力は強いです、これは通常のゾンビと同じですけど。それよりも、道具を使うってのはビックリしましたよ」




今までのゾンビ・・・黒ゾンビですらなかったことだ。


人間離れした力だけでも脅威なのに、さらに武器まで使われると・・・




「腕前というか、実力はどうですか?」




八尺鏡野さんはそこが気になるらしい。




「技術はそこら辺のチンピラに毛が生えた程度で、それ自体は大したことじゃありません。あくまで、俺が遭遇した個体に限ってですが」




見え見えの大振りだったしな。


腕前は素人だ。




「でもねえ・・・武器を使えるってことは」




「intelligence・・・知性が、あるということデスね」




古保利さんの後を引き継いだオブライエンさんが、溜息をつく。


そう、問題はそこなのだ。


そこらの襲撃者よりよっぽどタチが悪い。


(ほぼ)不死身のゾンビが武器まで使う・・・そんなのが大量にいたらまさしく、悪夢だ。


黒ゾンビの時点でお腹一杯だというのに。




「少なくとも、原始人程度の頭はある・・・っていうことですね」




「・・・ああもう、田中野くんが遭遇した個体が唯一の突然変異であることを祈りたいねえ」




古保利さんはそう言うと、ソファーに背中を預けて頭をガシガシ搔いている。




「希望的観測は足元を掬われますよ、古保利三等陸佐」




「・・・わかってますよぉ、八尺鏡野警視殿」




八尺鏡野さんは、その鋭い目を俺に向けた。


・・・こっわ。


美人さんがそう言う顔すっとすごい迫力なんだよなあ。


神崎さんで慣れていなければ即死だった。




「そしてさらに『ヨロズヤ』・・・鍛冶屋敷一家、ですか。ほとほと大物と縁がありますね、田中野さん」




「せ、積極的にポイしていきたい縁なんですけど・・・」




「あなたが南雲流である限り無理です。恨むなら田宮先生を恨むことですね」




シッショオオオオオオ!!!


・・・もう諦めようかな、うん。




「万象千手流、か。この前の神州無尽流といい、古流のバーゲンセールだね」




苦笑いする古保利さん。


嫌だよそんなセール。


金を払ってでも逃げたい。




「マーシャルアーツ、デスか?」




「そうだね、しかもとびきり性格が悪いヤツ」




「oh・・・」




オブライエンさんも顔を歪ませた。




「ご存じなんですか?古保利さん」




なんか知ってそうな雰囲気だな。




「爆破テロの関係でちょいと調べたことがあってね・・・キッツイよ、ありゃあ」




「古式然としたものでは、ないと?」




八尺鏡野さんも興味があるようだ。


・・・ちょっと、神崎さんと同じような感じ。




「いつ頃成立したかはわからんけど・・・人体の構造を驚くほど正確に把握しているんだよ。禁じ手は・・・ナシ、何でもありの殺人拳ってとこかな」




うん・・・まあそうだろうけどね・・・


改めて聞くと嫌な流派だなあ。


南雲流が言えることじゃあ、ないけども。




「加えて武器が鉤爪付きの特殊手甲ときたもんだ」




・・・鉤爪のオプションパーツは聞いてねえぞ!後藤倫先輩!!


なんだその物騒な〇ルヴァリンは!!




「何ちゅう嫌なご近所さんなんだ・・・」




加えてカミさんの方は爆弾まで作れると・・・


娘の戦力は未知数だが、そんなご立派(意味深)なご両親がいて英才教育を受けていないはずがない。


いや、十中八九受けている。




「遠くから爆撃でもして処理したいですな・・・」




「ま、それには同感かな。ちょっとリスクがデカすぎる相手だ・・・避難民とは絶対に遭遇させたくない」




どう考えても太刀打ちできそうにないもんな。




「ひろーい荒野かどっかで、田中野くんとカチ会ってくれればいいんだけどねえ、あはは」




「笑えない冗談はやめていただけませんかねえ!?」




荒野はともかく、1人でいる状況で会ったらヤバい。


せめて各個撃破を・・・


オヤジならともかく、母子の戦力は未知数だしな。


離れて爆弾ポイポイでもされたらしめやかに爆死してしまう。


大木くんのお陰で、爆弾の恐ろしさは身に染みている。


・・・いや、オヤジになら確実に勝てるというものでもないんだが。




「新種のゾンビに、ヨロズヤに・・・後はヤクザと有象無象・・・命がいくつあっても足りやしな・・・え?なんです皆さんその顔」




3人とも、何故か目を丸くして驚いている。


俺なんかまた変なこと言っちゃいました?




「ああ・・・そういえば昨日のことだったからまだそっちに報告してなかったかあ」




「新種のゾンビ発見に気を取られていましたね」




「ミステイクでごわす」




3人は何やら困った顔でお互いに顔を見合わせている。




え?なになに何なの?


新たな勢力でも参戦!したの?


もうお腹いっぱい過ぎて胃が爆発するぞ。




「うん、あのねえ田中野くん・・・今君が言ったヤクザ・・・『瀧聞会』なんだけどさ」




続いて、八尺鏡野さんが口を開く。






「昨日、我々の偵察隊が壊滅しているのを確認しました」






一瞬、呆けてしまった。




・・・はえ?


壊滅?


壊滅って・・・え?




「えっと・・・黒ゾンビの大群にでも襲われたんですか?それとも例のクソ宗教の仕業ですか?」




できれば後者であってくれ。


山盛り黒ゾンビとか完全に俺のキャパオーバーだ。


戦車の出番だぞ。




「違います、恐らく・・・『ヨロズヤ』の仕業かと」




・・・そっちかァ~~~~~~~ッ!!




「ええと、マジですか?」




彼らの情報収集能力に疑問を持っているわけでもはないが、外れていて欲しい結果もあるのだ。




「・・・見た方が早いでしょう。こちらをどうぞ」




ごとり、と八尺鏡野さんがテーブルにタブレットを置く。


そのまま『偵察記録』と書かれたフォルダをタップする。


その中には、多数の写真が収納されていた。




「日付は・・・ここからですね。どうぞ」




そう言って渡されるタブレット。




「・・・うわぁ」




そこに写っていたのは、さながら戦時下のような状況だった。




6階建てのビル。


その中央が、まるでえぐり取られたように綺麗に吹き飛んでいる。


ビルがUの字になってるぞ、おい。


周辺には飛び散った瓦礫と・・・なんか人間のパーツみたいなものがチラホラ見える。




まだ画像はあるようなので、スライドさせて見ていく。




散らばる瓦礫。


バラバラのパーツ。




うげ、なんか実際に見るよりグロくないか?




「ん?んん・・・?」




・・・なにか違和感。


嫌だけど拡大して確認していく。




何枚か見た後に、その違和感は決定的なものとなった。




「八尺鏡野さん、こいつらってもしかして・・・」




「やはりお気付きになりましたか」




比較的綺麗なヤクザの死体。


それに、どう見ても爆発によるものとは違う傷が刻まれている。




「っていうかあからさまな痕がありますからね」




苦悶の表情で半分目を飛び出させたヤクザの死体。


その喉には、握り潰したように手の痕がくっきりと残っている。




「この状況下ですので詳しい鑑定はできませんが・・・鑑識の者曰く、『かなりの遺体が爆発以前に絶命していた』とのことです」




・・・やっぱりな。




こっちの男の死体は、右側頭部に指のような陥没。


後藤倫先輩が使ったあの技にそっくりだ。




この死体は、腹に足の痕がくっきりと。




他にも眉間に拳の痕跡があるもの、首をへし折られたもの、拳打によって肋骨を損傷したであろうもの・・・そんなのがスクロールするたびにゴロゴロ出てくる。




「ってことはあれですか?鍛治屋敷がここにいた奴らをほぼ殴り殺した後で・・・カミさんがビルを爆破したってことですか?」




「まるでアクション映画みたいだけどね・・・こんな芸当ができる奴が他にいるとも思えない」




古保利さんが深刻そうに呟く。




っていうか別口だとしたらその方が悪夢だ。


鍛治屋敷以外にももう1グループ化け物がいるってことになるもんな。




「最後の遺体写真を見てみてください」




八尺鏡野さんに言われ、それを見る。




「・・・えげつねえ」




倒壊したビルの前。


椅子に座らされた男の死体だ。




60代ほどの、どう見ても堅気に見えないオッサン。




「両手足、鎖骨に肋骨・・・背骨もそうですね。綺麗に折られている」




関節が増えた人形のような状態になった死体だ。


更に、頭部には不可思議な傷がある。




頭頂部から顎に向けて、等間隔の3本の直線状の傷。


頭蓋骨を半ば断ち切っており、凄惨な傷の隙間から脳が漏れている。




鉤爪付きの特殊手甲・・・こいつのことか。




「その男は『竜造寺修三』、広域指定暴力団『瀧聞会』の・・・組長です」




お偉いさんだとは思っていたが、ボスかよ。


一体何をどうしてこんなになっちまったのか・・・


随分と鍛治屋敷の機嫌を損ねたらしいな。




「まだ残党は存在するでしょうが、こうなっては組織だった行動はもうできないでしょう。推定の死者数は、少なく見積もっても100人前後です」




そんなに殴り殺したってのか!?


銃で武装したヤクザ連中を!?




いくらなんでも、アクション映画でももうちょっと配慮する・・・ぞ・・・?




「いや、1人じゃないのか」




ぼそりと、独り言が出た。




いくつかの死体の傷。


それに、またも違和感がある。




「打ち筋が若干甘い・・・か?大分急所を外れているのがあるな・・・」




いや、それでも大怪我には変わりないんだが。


さっきの組長の傷と比べると・・・なんというか、下手くそだ。




「・・・娘の方か」




そうとしか考えられん。


よくよく見れば、拳の傷が一回り小さいような感じがする。




「ああ畜生め、キッチリ英才教育してんじゃねえか」




「田中野くんもそう思うかい?それじゃ、それで決まりかな」




しかしそれでも2人で100人近くを殴り殺す・・・できるのか?そんな芸当が。




「損傷が激しい遺体が多いもので詳しいことは何とも言えませんが・・・それでも40人前後は父子の手によるものでしょう」




・・・超至近距離での立ち回りを徹底し、死角に回り込むように動けば・・・いけるか?


ビル内では強力な銃器の使用も制限されるだろうし。


偉い奴から順に狙えば、そいつごと撃つというのも心情的に難しいかもしれんな。




社長が人質になっているのを、当たる覚悟で撃てる部下もそうはいないだろう。




え?俺?


前職のあのクソ社長ならむしろ喜んでハチの巣にするが。




・・・ともあれ、鍛治屋敷一家の腕前はよーくわかった。


わかりすぎるくらいわかった。


それに、その性格も。




「随分とまあ、我の強い親父だこと」




殺すだけなら、爆弾で事足りたハズ。


しかしそれをやる前に、こうして殺して回っている。


自己顕示欲の塊みてえな奴だな。




「・・・どうも、戦うことよりも勝つことが好きだって感じだよね。田宮先生が一番嫌いそうな相手だ」




古保利さんの言う通りだ。


師匠が嫌っていたのも頷ける。




「ソノ暴力が、ここに向かなければいいのデスが・・・」




オブライエンさんの声が、静寂に満ちた校長室に空しく響く。


それを聞きながら、俺は煙草を咥えた。








「あらあら、田中野さん。お久しぶりねえ、元気そうで何よりだわ」




「ほう・・・男ぶりが上がったじゃないか」




「どうもこんにちは、ご無沙汰しています」




神崎さんの祖父母・・・弦一郎さんと香枝さんが声をかけてくる。


弦一郎さん、今日は来ていたのか。


相変わらず姿勢がいいな・・・とても古希越えの爺さんとは思えん。






先程の校長室での話は沈黙で締めくくられ、加えて新たな情報があるから・・・と神崎さんを呼んでくるように言われた。


以前と同じカウンセラー室に、神崎さんたちはいた。


前もって聞いておいてよかったぜ。


こんな広い学校、探して回るだけで骨が折れるわ。




ちなみに花田さんの奥さんと息子さんは見当たらなかった。


どうも日中はお仕事らしい。


立派なことであるなあ。


仕事・・・仕事・・・ぐぐぐ、頭痛が!




「田中野さん!お話は終わりましたか?」




「なんでも追加で話があるとかで・・・呼びに来ました。ご歓談中の所すみませんけれど、お孫さんをお借りします」




積もる話はまだあるだろうから、校長室での話が終わったらまた戻してあげよう。




「はっはっは、どうぞどうぞ。なんならね、向こう100年ほど貸してあげようか?」




「まあ、いいわねえ」




「お、お祖父ちゃん!!お祖母ちゃんも!!!」




神崎さんが年相応の顔で怒っていらっしゃる。


なんか新鮮。


レア神崎さんだ。




しかし神崎さん、えらく長生きする予定なんだな・・・


貸してもらっても絶対俺が先に死ぬ・・・んん?


なんだこの考えは。




「さ、先に行っていますね!!」




考えていると、神崎さんがダッシュで部屋を出ていった。


スタートダッシュが早すぎる。


シャトルランですっげえ記録残せそう。




「うふふ、若いっていいわねえ弦ちゃん」




「はっは、そうだなあ香枝ちゃん」




・・・この2人普段はそうやって呼び合ってんのォ!?


仲いいなあ!!




「さ、爺の戯言は聞き流して行きなさい」




「アッハイ」




それではお言葉に甘えて・・・




「おっとそうだ忘れていた」




いつの間に俺の肩を掴んだ!?


『起こり』が全く認識できなかった!


御影風神流・・・恐るべし。




「孫から聞いたけど・・・万象千手流と事を構えるそうじゃないか」




お話が早い!






「―――強いよ、あそこは」






弦一郎さんの声が一段低くなる。




「まさか・・・お知り合いなんですか?」




もう何を聞いても驚かんぞ俺は。




「ふふ・・・十兵衛と奴らの2度の立ち合い、儂もそこにいた」




「えっ」




なにっ!?


毎回毎回俺の想像を超えてくるのはやめていただけませんか!?




「今の君では・・・どうだろうね、良くて相討ち・・・かな。あの若造があのまま強くなっていたら、だけど」




「・・・そうですかあ」




そんなに強いの・・・?


恐ろしや。




「おや、なんとも面白い反応だ。想定とは違うねえ、激昂するかと思っていたが」




弦一郎さんはなにやら楽しげですらある。


そんなこと言われても・・・




「出会ったら・・・まあやるしかないでしょうし、そこで俺が死んだら・・・俺の鍛錬が足りなかったってことですし」




「随分とまあ、さっぱりしているね」




意地を張ったって意味がないし。


この人たち相手にイキる理由もない。




「でも、まあ・・・逃げるわけにはいかんですから」




やれることを、やるしかないしな。


それしかできないからな、俺。




いかんいかん、神崎さんを待たせてしまう。




「あ、すみません・・・また後で来ますんで、それじゃ」




「ああ、行ってきなさい」




弦一郎さんたちに頭を下げ、俺は速足で歩き出した。






「・・・面白いなあ、十兵衛とはまた違った何かがある。あれほど言葉と眼が一致しない奴を見るのは初めてだ、口調とは裏腹に・・・自らの命を平然と賭けられる眼だよ」




「そりゃあ、十兵衛くんの愛弟子なんですから当たり前でしょう。十兵衛くんとは違うけど・・・あの子もいい子よ、とっても」




「十兵衛の弟子だからねえ・・・何かあるな、腹の奥底に抱えた・・・昏く、それでいて熱い何かが」




「時々すっごく悲しそうな眼、するものね。凜もアレにやられちゃったのかしら」




「ああ見えて母性本能が強い子だからねえ、菫によく似たな・・・・もちろん、香枝ちゃんにも」




「あらやだ、弦ちゃんったら」




「・・・まあ、死ななきゃそれでいいかな。凜が泣くようなことにさえ、ならなければね」






「戻りましたー」




遅れて校長室に入ると、机の上にさっきとは別のタブレットが置かれていた。


あれ?


なんかどっかで見たようなタブレットだな・・・あの頑丈そうな見た目には覚えがある。




「イエイエ、お気になさらズ」




相変わらず言い回しが上手いなあ、オブライエンさんは。


俺も外国語もうちょい勉強しときゃよかった。




促されて席に着く。


隣の神崎さんは、さっきとは打って変わってタブレットを真剣な目で見つめている。




「田中野さん、覚えていますか?これは原野で回収したあのタブレットです」




「ああ、あの!パスコード付きの!」




ここにあるってことは、解読できたのか。




「ややっこしいことに4重のセキュリティがかかってたんだよ、いやあ大変だった」




「古保利さんがやったんですか?」




「はっはっは・・・企業秘密です」




企業じゃねえじゃん・・・国家公務員じゃん。


話す気はなさそうなのでもう聞かないけど。




「昨日、内部文書の解読が終わりまして・・・どうぞ」




八尺鏡野さんはそう言うと、俺と神崎さんに何やら書類の束を差し出す。




「あの時の文書よりも、数段機密性の高い内容です。他言なさらぬように」




・・・言う相手がいないんですけど。


だが、空気は読んでしっかり頭は下げておいた。




「ま、覚悟して読んでよ」




そう言われ、俺たちはほぼ同時に書類をめくる。


1ページ目には、簡素な文字でこう印字されていた。






『実験体の脳組織内における異常』






ゾンビの脳味噌の研究・・・か?


果たして俺に理解できる内容なのだろうか。


こちとらバリバリの国文系ぞ?




将もないことを考えながらページをめくる。




いきなり写真だ。


しかも輪切りにされた脳味噌の。


・・・以前見た文書と同じように、別に何の異常も・・・!?




続けてめくったページにも、また脳の輪切り。




だが、これ・・・これは・・・?




「こ、こんな・・・ことが」




隣の神崎さんが、声を震わせている。


・・・確かにこれを見ればそうも言いたくなるだろう。




『微弱電流での脳変化』




そう書かれたその写真の脳は、俺がイメージするものと全く違っていた。


よくある梅干しめいた脳ではない。






その脳は、中心に向かってまるで渦巻のように捩じれている。






一体、なんだこれは・・・?

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