第63話 物資回収のこと

物資回収のこと








「・・・うし、筋肉痛は治ったぞ!」




「嘘でしょぉ!?」




あの後結局文句を言いながら未来刑事ロボの3まで見て、俺たちは床で就寝した。


朝起きたら神崎さんが目の前にいて心臓が止まるかと思ったぜ。


全く、俺じゃなきゃ即死だね。


それで慌てて跳び起きた所、上半身の筋肉痛と右腕の痛みがなくなっていることに気付いたのだ。


ふむ・・・リラックスしたのと映画でストレスが吹き飛んだからよかったのかもな?




「田中野さん、気付いてないだけでやんわりゾンビになっちゃってるんじゃ・・・」




大木くんはドン引きである。




「あのねえ、じゃあ今頃北欧美人も裸足で逃げ出すぐらいの白肌になってるっての」




「田中野さんの北欧へのイメージがひどく雑な件・・・」




一方の神崎さんは、目をキラキラさせている。




「流石です!田中野さん!」




さすたないただきましたー!


やっぱり神崎さんはわかっているな、うん。






「(・・・いや、大丈夫なんスかあれ)」




「(・・・田中野さんはいつもあんなものです。もう、慣れました)」




「(あっふーん・・・(察し))」






なにやら2人してぼそぼそ言っているが・・・たぶん俺のあまりの超回復ぶりに感嘆しているのだろうな、ははは!




「ま、なんにせよこれで電気柵とかの改造もできるな!」




「・・・いや、左掌の傷は大丈夫なんですか?」




「なんか塞がりつつあるからテーピングして手袋はめれば大丈夫でしょ、たぶん」




大木くんは目を真ん丸にしている。


化膿もしていないし、熱も出ていない。


榊のナイフが鋭利だったぶん、治りも早いんだろうな。


知らないけどきっとそう。




「田中野さんって・・・いや南雲流って一体・・・」




「古臭い古流武術ですがなにか?」




「いやそうじゃなくて・・・ああ、もういいですいいです。田中野さんたちは〇イヤ人だと思うことにしますよ、僕は」




随分と投げやりな物言いですなあ大木くん。


サ〇ヤ人なら手から気功波くらい出したいところである。


でも出せないので俺は一般人!証明終了!!




「田中野さんの体のおかしさは置いておいて、朝食にしましょうか・・・手伝ってくださるんですよね?」




「かなり引っ掛かりますけど・・・喜んでお手伝いしますよ、約束したんでね」




神崎さんのスルースキルが上がっている気がする。




「はいはい・・・いいコンビですね、お二方とも」




大木くんは何やら朝から疲れているなあ。


やっぱり昨日の、飲み過ぎだったんだろうなあ。




「ええ!最高のコンビですね!田中野さん!」




「はっはっは、そうですともそうですとも!」




神崎さんは朝から元気だ。


うむうむ、相棒が元気だと俺も嬉しいなあ!




「朝からお腹いっぱいですよ僕は・・・」




「やっぱりなあ、飲み過ぎだって大木くん」




・・・大木くん?


なにその『こいつマジか』みたいな顔!


あ!前にもされたことある気がする!




「ひゃうん!わぉん!!」




ぬ。


階段の下からサクラの呼ぶ声がする!


行かねば!!




「おっはようサクラ―!飯だぞ飯ー!」




俺はその声目掛け、階段をダッシュで駆け下りた。






「・・・あの、神崎さん・・・心中お察しします・・・ね?」




「にゃぁ!?にゃに、にゃにがでしゅか!?わた、私はなんにも思っていませんから!そうですから!!」




「あ~こっちはこうなんだあ・・・(こりゃあ、先は長そうだ・・・)」






「私も手伝う、よー?」




俺と神崎さんが朝食の準備を始めてすぐに、葵ちゃんがとてとて部屋から出てきた。


早速サクラが突撃している。


どうやらサクラ、子供たちの中でも一番葵ちゃんが好きなようだ。




「おや、今日もいい子が来たなあ!じゃあ・・・どうしましょっか神崎さん」




「ふふ、そうですね・・・では葵ちゃんにはコーンスープを作ってもらおうかしら?できる?」




神崎さんが、袋入りのコーンスープを渡す。


どうやら鍋で一気に作るようだ。




「はーい!」




葵ちゃんは元気よく返事をすると、鍋でコーンスープを作り始めた。


火傷しないでね・・・?




俺は缶詰を開封してパンを取り出し、機械のようにトースターで焼くのを繰り返す。


いや、そのままでも食えるけど・・・やっぱりあったかい朝食を食べてほしいからな。


特に子供たちには。


今まで散々辛い目に遭ってきたんだ。


ここにいる間は、せめて楽しく過ごしてもらいたい。


・・・今度鶏小屋の材料を探しに行くときに、子供たち用のおもちゃとかも探してこよう。


なんかこう・・・運動になるボールとかそんなのを。




「ん~?んん~?」




葵ちゃんが袋が上手く破れないので困っている。




「どれどれ・・・おじちゃんに貸してみな」




子供だから仕方な・・・んぐぐぐぐぐぐ!!!


・・・なにが『こちら側のどこからでも切れます』だよ。


全然切れねえじゃねえか!


腹が立ったので脇差で・・・切ろうとして包丁で切った。


さすがにこんなのに使うわけにはいかんな。




「ありがとー!」




「なんのなんの」




頭を撫でると、葵ちゃんは満面の笑みだ。


どうしてこう、子供の頭って撫でたくなるんだろう。


不思議だ。




「わふ!わふ!」




あ、ごめん。


今は無理だサクラ。


飯の支度ができるまで待ってておくれ。


毎日風呂に入ってるから綺麗だとは思うけど、お前さっき地面でグルグルゴロゴロしてたからな。




「あ、神崎さん横のバター取ってくれます?」




「はい・・・これですね」




「どうもどうも」




子供が増えたから、結構準備にも時間がかかるなあ。


まあ、そんなにやることがあるわけじゃないからいいのだけれど。


好きで保護したんだからな。




「・・・」




気付くと、葵ちゃんが俺をじっと見つめている。


ん?どうしたんだ・・・何か用でもあるのかな。




「どした?」




「おじちゃん・・・パパみたい」




・・・葵ちゃんのお父さんもこんな迫力のある顔面だったのかな?




「そうかい?」




「うん、ママのかわりに毎日あさごはん作ってくれたの・・・ママ、おねぼうさんだから」




そうか・・・いいお父さんなんだな。


今はどうしているんだろうか。


まさかふれあいセンターに・・・いや、よそう。


無理に聞くもんじゃない。




「へえ、そうかあ・・・いいパパだね」




「うん!」




葵ちゃんは、嬉しそうに鍋の中のスープをかき回している。


ちなみにお湯は俺が入れた。


・・・やっぱり心配じゃん!




「じゃ、じゃあ私はママみたい・・・かしら?」




皿を並べている神崎さんが葵ちゃんに聞く。


なんでそんなキョどってるんですか?




「ママはぽよぽよだったから、ちがうー。凜おねーさんはカッコいいから・・・お兄ちゃん?」




「お、おにい・・・ちゃ・・・」




「わふ?」




そうか・・・葵ちゃんのママはポッチャリ系なのか。


お兄さん扱いを受けて落ち込んでいる神崎さんの足元で、サクラが首を傾げている。




まあ、神崎さんは綺麗でカッコいいからな・・・


っていうかお兄さんではないな?


高校時代のファンクラブの規模が気になるもんである。




「今、何を考えましたか」




ヒエッ・・・お目目がコワイ。




「・・・あ、えーと・・・その・・・」




「何を」




「お、俺の髪の毛、神崎さんよりも長いなーって・・・」




「えっ」




口から出まかせではあるが、確かに後ろ髪が伸びすぎてて気持ち悪い。


マジでそろそろ切ろうかな。


前髪はなあ・・・切ると前面に傷が目立つしなあ。




「の、伸ばした方がいいでしょうか・・・?」




そして神崎さんは何を気にしているんだろうか。




「うーん・・・神崎さんならどんな髪型でも似合いますよ」




「そ、そそそそうですか・・・!そうですか!」




とんでもない速度で皿を準備し始めたぞ・・・?


急に元気になったなあ。


でも、本当にそうだと思う。


カッコいいから綺麗までをカバーしそう。




「おじちゃんの髪、すきー」




「そうかい?ならこのままにしとこうかなあ。葵ちゃんの髪はサラッサラで綺麗だねえ」




「えへへぇ・・・」




・・・別に困ってないからいいか。


我ながら子供に弱いものである。


さーて、盛り付けが済んだら早速皆を呼ばなきゃな。








賑やかに朝食を食べた後、俺は食後の一服をキメている。


子供たちは思い思いの場所で遊んでいる。


うーん・・・やっぱり遊び道具がいるな。


柔らかいボールとか縄跳びとか。


いつまでもかけっこや鬼ごっこばかりじゃかわいそうだ。


・・・っていうか毎回毎回それだったらサクラが過労死してしまう。


視界の隅で、葵ちゃん達とキャッキャしているサクラを見ながらそう思った。




「田中野さん田中野さん」




大木くんが腕を回しながらやって来た。


肩でも痛めたのか?




「あの、後藤倫さんってやっぱり僕が撮った映像の人だったんですね・・・」




あ、そう言えばそんなこともあったな。


思えば大分昔のような気がする。




「さっき話しかけてそのこと言ったら『盗撮、変態』って言われて肩をゴリリってされました・・・」




「ありゃあ、そりゃあ災難だったなあ」




「甘いお菓子を献上したら機嫌がよくなりましたけど・・・あの人どういう人なんですか?」




「すまない、かれこれ20年くらいの付き合いになるが俺にも未だにわからん」




たぶん永遠の謎である。


宇宙の深淵みたいなものである。




「あと、七塚原さん・・・でしたよね?あの人いい人ですねえ。顔怖いですけど」




「子供にも優しいしな、顔怖いけど」




俺はもうとっくに見慣れたが、初対面ではびっくりするよな。


ライオンが擬人化したらこんな感じかな・・・みたいな感じだし。




「むーおじちゃん、もっともっと~!」「はやーい!たかーい!!」「きゃー!あははは!!」




「落ちんようにしとれよー」




当の先輩は、子供を3人抱えて小走りしている。


ウェイトトレーニングの一環だろうか・・・


ちなみに頭の後ろ、右肩、左肩に1人ずつという布陣である。


いくら子供とはいえ、よくもまああんなに・・・




「あの、まさかとは思うんですけど・・・七塚原さんの武器ってあの馬鹿みたいに重そうな棒ですか?」




「その馬鹿みたいな棒をプラ棒よろしくぶん回すんだぞ」




「ひええ・・・ゾンビもイチコロですねそれは・・・」




「人間も粘土細工よろしくイチコロだぞ」




「ヒエエエエ・・・あのあの、じゃあ後藤倫さんは・・・」




「あの映像みたいなもんだ。長巻も使えるけど、あの人は素手で人体を効率的に破壊できる」




「やっぱ南雲流ってこええ・・・確かに、比べると田中野さんは普通ですね」




普通・・・普通ってなんだ・・・?




「・・・まあそれはそれとして、休憩も終わったしそろそろ動こうぜ。大木くんにも予定があるんだろうし」




「うーん、別に急ぎの用事はないんですよね・・・田中野さんの家の野菜も自動水やり機がありますし・・・あ、ちょっと改良させてもらいましたよ」




「マジか。ありがとう・・・助かるわあ」




・・・何から何までありがたい事であるなあ。


持つべきものは手先の器用な友人である。




「田中野さんの体のこともありますし、急に動かなくてもいいですよ?自分の食い扶持は自分で稼ぎますんで、場所さえ貸してくれれば何日でも滞在しますけど?」




「そうか、だけど動かないとこっち体が鈍っちまうから気にしないでくれ。どれだけ滞在しても構わないけどな」




「鈍るんじゃくて、普通の人はそれを療養って言うんですけど・・・まああいいか」




といわけで、近場で使えそうなものをいろいろ回収することになった。


頭の傷は痛まないし、左掌も大丈夫そうだ。


我ながら頑丈である。






「いってきまー」




「いってらっしゃーい!おみやげよろしくー!」「よろしくー!」「わふ!わふわふ!!」




璃子ちゃんと葵ちゃん、それにサクラに見送られて出発する。


神崎さんはくれぐれも気を付けろと念を押しまくって外出を許可してくれた。


油断は禁物だが・・・ここら辺にはもうゾンビが基本いないから大丈夫だとは思う。




「元々が過疎化地域とは言え、ほんっとにゾンビいないですね」




助手席の大木くんが、周囲を確認しながら言う。




「あーそれ?俺たちも大分成仏させたんだけどな・・・ほとんど七塚原先輩がやったらしい」




「・・・マジすか?」




「マジマジ、ホレあれ見てみ」




家の切れ間から見える空き地に向かって首をしゃくる。


そこには、うず高く積まれたゾンビの山が見える。




「・・・うわあ」




俺が傷やら遠征やらで留守にしている間に先輩がやってくれた成果だ。


特に子供を保護することになってからは、本気で殲滅したらしい。


あの2、3日でよくやったものである・・・




「相手がただのゾンビだと、先輩の六尺棒が一番殲滅力が高いからな。俺は死にゲーなのに、先輩は無双ゲーやってる」




「動画にしたらバズりそうだなあ・・・」




たぶんグロ描写でBANされると思うの。




「・・・しかしあの場所、綺麗な人ばっかりですねえ田中野さん。ハーレムですか?」




「何言っちゃってんの、この状況でそんなん考えられるわけないだろ」




「枯れてるなあ・・・」




「茂って早死にするよかマシだろ?それに俺にそんな甲斐性はないよ」




っていうかそういう対象に見れないだろ。


人妻や未亡人もいるし。


子供たちのことや、ゾンビに襲撃者のこともある。


そっちの方が大変だ。




「そういう大木くんh」




「僕はもう一生独身でいいので」




食い気味で闇が吹き出したァ!!


この話題に触れるのはよそう・・・






「あ、田中野さんあそこ!あそこの畑です!」




「ほいほい」




大木くんの指示で畑に軽トラを停める。


おー、確かに柵がぐるっと畑を取り囲んでるなあ。


近くには農具を収める蔵が見える。


田舎だけあってでっかい畑だなあ。




「えーと電源は・・・これか。で、こっから・・・」




大木くんは早速電気柵の電源盤らしきものの前でうんうん唸っている。


俺はもう完全に門外漢なので、周囲の警戒だ。


兜割は片手でぶん回せるから楽でいい。


ゾンビ程度ならこれでも十分だし。




「おおー!当たりですよ田中野さん!こいつは太陽電池で動きます!どんどん引っこ抜きましょう!!」




やったぜ。


力仕事はまかせろー!




通電を遮断して、電線を切らないように注意しながら抜いていく。


ぐぐぐ、猪対策だけあってかなり深く刺さっているな・・・だが、安全のためなら苦労してもリターンはデカい。




ひたすら抜き、くるくるとこんがらないように丸めて軽トラの荷台へ入れた。


ふいー・・・なかなか骨だったぜ。




「蔵も見て行こうか、何か使えるものがあるかもしれんし」




「了解でーす」




かなり年季の入った様子の蔵の内部は薄暗い。


いきなり入らずに、外から大き目の石を投げる。




「ガアア!!アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」




いかにも農家って感じの服を着たおじいちゃんゾンビが、すかさず走り・・・歩き出てくる。


やっぱり老人ゾンビは動きが遅いな。


さて、とっとと成仏させて・・・




「おっと、ここは僕にお任せを」




大木くんが俺を手で制し、進み出る。


え?キミ接近戦大丈夫なの・・・?




「よっこらせ」




大木くんは腰にマウントされていた警棒のようなものを持ち、軽く振る。


30センチほどに伸びたそれは、いたって普通の警棒であった。


・・・いや、持ち手に引き金みたいな機構が付いてるな?




「論より証拠・・・です!」




ゾンビに向かって踏み込んだ大木くんが、その胸の辺りに警棒を突く。


一瞬後、ばじん、というような音が響く。




「オ・・・ア・・・アアアア・・・ア」




ゾンビは強く痙攣した後に昏倒し・・・動かなくなった。


あ、大木くんが持ってるのって・・・




「スタン警棒ってやつ?」




「はい、ちょいといじって威力は上げてますけど・・・どうです?電気が効くことわかりました?」




確かに・・・ゾンビは動く気配を見せない。


念のために何度か兜割で軽く殴ったが、ピクリともしないな。


電気・・・すげえ。




「はえー・・・もう武術いらねえな、これ」




「いやいや、数が多かったりすると無理ですよ。無限に使えるわけじゃありませんし」




とにかく安全になったので蔵へ入る。


なにかいいものあるかなーっと。






「いやー、大量でしたねー」




「おう、子供たちへのお土産もバッチリだしな!」




収穫は大いにあった。


各種野菜の種、農業機械用の油や燃料。


そして・・・お孫さん用だろうか。


プラスチック製のバットが何本か、それに柔らかいボールなんかが手に入った。


これで子供たちも無限鬼ごっこから解放されるに違いない。




「ここら辺は手つかずですからね、あと何軒か回って帰りましょうか」




「よっしゃ!荷台がはちきれるまで物色すんぞ!」




そういうことになった。


食料や寝具なんかはいくらあっても困らんからな。


元々の住民には申し訳ないが・・・生きるためでござる!








「えーい!!」




「わーっ!大きい大きい!」




「ほーむら―ん!!」




「わん!わぉん!!」




璃子ちゃんの投げた球をかっ飛ばした子供が、ぴょんぴょん跳ねて喜んでいる。


サクラ外野手がそれを楽しそうに追いかけている。


ううむ、平和だ・・・






俺と大木くんは、電気柵やらなにやらを大量に持ち帰った。


正直機械類なんかは言われるままに詰め込んだから、半数以上は何が何やらわからん。


明日教えてもらおう。




それはそれとして、子供たちは思い思いにサッカーや野球めいた遊びに熱中している。


サクラはどちらでもボールが飛ぶので大喜びである。




そして、俺の前には男の子たちが勢ぞろいしている。


手には、今日回収したプラスチックの棒(用途不明)を持って。




「よーし!じゃあ始めるが・・・注意点は何だったかな?」




「「「あそびでふりまわさない!!!」」」




「合っ格!!破ったらお尻ぺんぺんフルコースだからな!いいかー!!」




「「「はーい!せんせー!!!」」」




彼らは俺に剣術を教えてくれと頼んできたのだ。


強くなりたいと言って。




・・・本格的な剣術にはまだまだ早いが、体の動かし方を知っていればいざという時に役に立つ。


回避動作や逃げ方なんかを、ここにいるうちに教えておこう。




「まずは素振りの練習だ!はーい、こうやって持って~!」




師匠も、俺を教え始めた時はこういう気持ちだったのだろうか。


少しこそばゆい思いを感じながら、俺は木刀を振り上げた。

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