第18話 オシドリどころじゃない夫婦のこと

オシドリどころじゃない夫婦のこと








「あ、あの・・・」




リュウグウパーク前のゾンビを(主に先輩が)粉々に粉砕した後、しばらくして我に返った警官が俺たちに声をかけてくる。


うん、俺がそっちの立場でも我を忘れると思うよ。


某無双ゲームが実写で展開されたようなもんだからな。




「お願いします、神崎さん」




「はい、任されました」




横に立つ神崎さんに状況説明をお願いする。


俺や先輩はそういうのに向いてないと思うし。




「こんにちは、私は詩谷から参りました。神崎凜二等陸曹です」




神崎さんは警官に向かって綺麗な敬礼をした後、懐から免許証のようなものを出した。


へえ、自衛隊にもああいうのあるんだなあ。


知らんかった。


てっきりドッグタグ的なものがあるのかと思った。




「じ、自衛隊の方でしたか・・・!」




気弱そうな40代中ごろほどの警官が、慌てて敬礼を返す。




「本当に助かりました、ありがとうございます!」




「いえ、目的あってのことですので、お気になさらず。それで・・・」




神崎さんと警官が話し始めた。


俺は先輩の所にでも行っていよう。






「お疲れ様です先輩」




「おーう、ちょいと疲れたわい」




あれで『ちょいと』ですか・・・


恐ろしや、化け物ですなあ。


これも愛のなせる業か・・・




「交渉やらなんやらは神崎さんに任せました。俺じゃ何の説得力もないですし」




「わしもおまーも無職じゃけえなあ、しかもお互いにぶち武装しとるしのう」




確かに。


傍から見ればやけに戦闘力の高い無職2人組である。


・・・俺なら絶対避難所に入れないな。


リスクの権化みたいなもんじゃん。




「しかし、おまーも強なったのう。チラチラ見よったけど、ええ動きじゃったぞ」




・・・あの戦闘の最中に俺を確認していただって!?


え?嘘でしょ流石に。




「逸らしからの打突、精度も速度もぶち上っとったわーや」




・・・嘘じゃなかった。


恐ろしい、俺はこの人が恐ろしい。


あれほどの狂乱の最中にも冷静な部分が残っているなんて・・・




「い、いやあ、俺なんかまだまだですよお。先輩こそ実戦で『金剛錫』なんか使っちゃって・・・脱帽ですよ」




「・・・いんにゃ、ありゃあ失敗じゃ」




「えっ」




何のどこら辺が?




「狙いがちょい下にズレた。完璧に決まったら胸骨を粉砕して心臓を破壊できるはずなんじゃが・・・」




「半分くらいは胸骨いかれてたんじゃないです?あれ」




「ありゃあいけん、一撃で動きを止めにゃあやれんけえのう・・・熱うなりすぎたのう」




・・・うん、この向上心が強さの秘訣なんだろうよ。


そうに違いない。


俺からは若干しか取れない成分だ。




「『金剛錫』じゃのうて『無拍鳴神むはくなるかみ』にしといたらえかったかのう・・・」




先輩はブツブツと1人反省会をしている。




ちなみに『無拍鳴神』というのは棒術の奥伝の五にあたる技である。


昨日先輩が俺に使った『無拍子』をさらに練り上げたもので、一呼吸の間に変則的な打突を最低でも三連撃繰り出すというものだ。


一度だけ師匠が使っているのを見たことがあるが、木の棒で放ったのに巻き藁が轟音と共に粉々になっていた。


・・・そっかあ、先輩アレも使えるんだあ・・・


棒術においては師匠に並ぶ実力がありそうだ・・・


恐ろしや。


俺なんか剣術の奥伝もろくに使えないというのに。


『飛燕』だけは安定して使えるが・・・でも脇差に遠慮しちゃうし・・・




それに意味が分からん技も多いんだよなあ。


名前だけは知ってるが、『屠龍太刀とりゅうのたち』なんかどうやって使うんだよ。


いやむしろ何に使うんだよ・・・


ドラゴンなんかいねえぞ現世に。


・・・南雲流ができた時代にはいたのかな、ドラゴン。




「お2人とも、入場の許可が出ましたよ」




悶々としていると、神崎さんから声がかかる。


おや、随分すんなり決まったな。


もっと長引くかと思ってたけど。


自衛隊のネームバリューのお陰だろうか。




「ただ、巴さんのことはわからないそうです。中で自由に探してくれとのことですが・・・」




申し訳なさそうに神崎さんが言う。


ふむ、詩谷みたいに把握がまだできていないんだろうか。




「すいませんが・・・」




気が付いたら先輩が入り口の警官に話しかけている。


判断が早い!




「『ウラノ』っちゅう会社なんですが、どこに行きゃあ会えますかいのう?会社ぐるみで避難して来とるはずなんじゃが・・・」




「ああ!ついこの前避難してきた方々ですよ!・・・ええと、たしか中央センターにいるはずですが・・・」




警官はなにやら手元のバインダーを見ながら答えた。


おお、団体ごとには把握しているのか。




「おお!ありがとうございます・・・行くぞ田中野ォ!」




喜色満面といった感じの先輩が俺たちを振り返る。


付き合いの長い俺には最高にうれしい顔だとわかるが、パッと見は戦いに喜びを見出す戦闘民族の笑みだ。




「あ、ちょっと待ってくださいよ・・・あの、すいません」




俺もゲートにいる警官に尋ねた。




「ここに元々いた職員の方も探しているんですが・・・名前は『山中美登里やまなか・みどり』さんです、獣医をされてるはずなんですが・・・どちらに?」




山中姉弟の母親の所在も聞いておこう。


名前は姉弟の叔母である朋子さんにこっそり聞いていたのだ。




「職員の方は動物園ゾーンの管理棟で生活されているはずですが・・・個人名まではちょっと・・・」




ふむ、まあ場所が分かっただけよしとするか。


先輩の用事が済んだら探しに行こう。




・・・おや?


さっきゲートを守っていた一団から、走って中央センターの方へ行く人間がいるな。


無事を知らせに行くんだろうか?






入り口の警官に別れを告げ、まずは先輩と一緒に中央センターに向かう。


ここリュウグウパークは、中央センターできっかり遊園地と動物園で分かれている。


掲示してある園内地図を見るまでもなく、このまま直進するのはわかる。


俺も子供の頃は何回か来てたしな。


中央センター内で東西に分かれたことを覚えている。




妹は絶叫マシンが大好物だったが、俺はからきしなので毎回動物園ゾーンに行っていたなあ。


跳んだり跳ねたりは平気なんだが、何故だか絶叫マシーンだけは無理なのだ。


・・・不思議だなあ。




そんなことを考えて歩いていると、正面に大きな建物が見えてきた。


オシャレなドーム型の白くて大きな建物、あれが中央センターだ。


確か・・・中にはレストランやら土産物売り場やらがあったな。


今はどうなってるんだろうか。




屋根は半分ガラス張りだから天井付近は見えるが、内部は見えない。


入り口の自動ドアを、警官2人が警備しているな。


電気が来てないから手動ドアになってるけども、


俺たちを見てたじろいでいる。


・・・いや、正確にはライフルを持った神崎さんをだな。


見た目は美人なお姉さんだからなあ、迷彩服も着ていないし。




「こんにちは、私は神崎凜二等陸曹です。ゲートの山下巡査部長から入場の許可をいただきました・・・後ろの2人は私の協力者です」




片手で敬礼し、また身分証を出す神崎さん。


うーん、敬礼ってかっこいいなあ。


映画で見るのと違って、なんていうかわざとらしさがないというか・・・


あの気の弱そうな警官、山下さんって言うのか。




「はい!ご苦労様です!どうぞ!」「お入りください!」




若い2人の警官が、敬礼を返して道を開ける。


顔が真っ赤だ。


ううむ、若いなあ・・・恋愛感受性枯れススキの俺も見習っていきたい。


・・・見習ったからって相手がいないんだがね!悲しいね!




神崎さんがまず中央センターに入る。


俺も先輩もにこやかに会釈して入場する。


さて、まずは巴さんを探さなきゃ。




「こっちじゃな」




と思ったら先輩が当然のように先頭に立って歩き出す。


え?なにこれは。




「あの、先輩・・・?」




「巴の気配がしよる、こっちじゃ」




・・・ふうん。


そうなんだあ。




「・・・愛っていいですね、神崎さん」




「ふぇっ!?そ、そそそそうですね!ね!」




急にキモいことを言われたからか、挙動不審になる神崎さんを伴って先輩に続く。


うん、もう考えるのはやめよう。


先輩は先輩だ。


それくらいできても不思議じゃない。


目からビームとか出したら驚くことにしよう。




死んだ目で先輩の背中を追い続けていると、不意に先輩が止まった。


施錠されたドアでもあったのかな?


前を覗くと、前方に男が立っていた。


20代後半くらいのイケメンだな。


なんとなく腹の立つ顔をしている。


・・・イケメンだからか?




「巴さんの、ご主人ですね?」




先輩を見上げるようにして声をかけてくる。




「そうですが、あなたは?」




営業モードの先輩が答えた。


イントネーションは方言だけど。




「申し遅れました、私は奈良橋といいます。巴さんの同僚です」




・・・どうでもいいけどそこは『奥さん』とか『奥様』じゃないのか?


なんか引っかかるな。




「そりゃあどうも、巴がいつもお世話になっとります・・・それで、巴はおりますかいのう?」




あ、先輩イラついてるな。


長年の付き合いでなんとなくわかる。


そりゃ、すぐそこに巴さんがいるのが分かってるのに足止めされてるんだからな。




イケメンは痛々しい表情で答えた。




「その・・・巴さんですが、避難する途中ではぐれてしm」




「嘘じゃのう」




「・・・は?」




発言を即キャンセルされた奈良橋が目を丸くする。


この答えは想像してなかったんだろう。




「巴はこの先におる。間違いない」




「いえ、ですから、ですからね?」




冷や汗をかいた奈良橋がとりなすように手を先輩の方に伸ばす。


まるで子供に言い聞かせるように。




・・・あー、わかった。


コイツも『アレ』か。


見慣れた光景だなあ・・・




「おいあんた」




いい加減うざったくなったので俺も声をかける。




「巴さんに横恋慕すんのは勝手だけどな、先輩以外の男は眼中にないから諦めな」




「んなっ・・・!?」




奈良橋が顔を真っ赤にして狼狽える。


やっぱり図星かあ。






・・・そう、昔っからこの手のことはよくあった。




巴さんはそりゃもうすごい美人だ。


対して先輩は・・・その、ゴツい。


まさに美女と野獣だ。


だからか知らないが、勘違いした男がたまに湧くのだ。




『俺の方がふさわしい』




的な世迷言をほざきつつな。


付き合ってる時も、結婚してからも。


同級生、先輩、同僚・・・


俺が知ってるだけでも3人いた。


どいつもこいつも、巴さんの方が先輩に首ったけだという事実を頑なに認めようとしない奴らだった。


騙されてるだの見る目がないだの。


ほっとけよもう。


この奈良橋もどうせその手合いだろうよ。






「そんなすぐにバレる嘘までついてさあ・・・男、いや霊長類として恥ずかしくないのかよ?」




重ねて言う。


奈良橋の顔は見る見る真っ赤になって、俺に何か言おうと口を開いたが・・・




「っひ!?」




俺の腰を見て、途端におとなしくなった。


はん、雑魚が。


ちなみに指が滑って鯉口を切っただけなのでセーフ。


抜いてないからセーフ。


こいつが勝手に勘違いしただけだからセーフ。




「先輩、こんな可哀そうな生き物に構ってても仕方ないですよ。とっとと行きましょ」




「ほうじゃな」




先輩は奈良橋の前にずずいと進み出ると。




「わぁっ!?」




「すまんけど、どいてもらうけぇな」




子供にするように脇の下を持ってひょいと持ち上げて横に置いた。


・・・大の大人を、まるでぬいぐるみみたいに・・・


すげえ力だ。




「あなたの発言は一度は聞かなかったことにしますが・・・二度目はありませんから」




神崎さんも、さりげなくライフルを持ち上げて釘を刺す。


俺の対応やコイツの態度でなんとなく察したのだろう。


不法投棄された産業廃棄物でも見る目をしている。




青い顔で項垂れる奈良橋に、先輩が顔を近づける。




「わしらぁは今日中にここを出ていくけぇ、もう構うな・・・ええの?ん?」




「い、いや、わ、私は・・・」




先輩はさらに顔を近づけ、正面から奈良橋の目を睨みつける。




「大概にせいよカバチタレがぁ・・・ぶちまわすど、おどれ」




「っひいい!?」




奈良橋は腰を抜かしてへたり込んだ。


・・・さすが、人の恋人を横から盗ろうだなんてカスは根性もプライドも何もないな。


なっさけねえ生き物だ。


せいぜい似合いの女でも見つけておとなしくしてるこったな。


・・・まあ、イラついた先輩の正面からの殺気をモロに浴びたんだから同情は・・・しないな、やっぱり。




へたり込んだ奈良橋を放置し、先へ進む。


あんなの何をやらかしても次の瞬間に叩き潰せるからな。


今の俺たちに弱みは一切ないし。


とっとと巴さんを保護して一緒に帰ろう。






「あの部屋じゃ」




しばらく歩き、先輩が目の前の部屋を指し示す。


元々研修や宿泊もできる建物だったのだろう。


大ホール的な部屋だな。




「やめるんだ!危ないから!!」




「もー!なんなんですかぁ!私もゲートに行ってもいいじゃないですかぁ!!」




と、目前でドアが開いて誰かが出てくる。


何やら揉めてる様子だ。


・・・あ、この声って。




「巴っ!!!!!!!!!!」




うっわビックリしたぁ!?


鼓膜が爆発するゥ!?


そんな大声出さなくても聞こえるでしょ!?




「・・・あ」




ドアから出てきた大柄な女性・・・巴さんは一瞬で先輩を確認。


ノーモーションでダッシュした。




「むっ・・・!」




はっや。


さすが元オリンピック候補。


断裂した靭帯の後遺症はなさそうだ。




「むーさああああああああああああん!!!!」




巴さんは踏み切ると、そのまま先輩に正面から飛びついた。


先輩はかなりの衝撃を受けたはずだが、微動だにしない。


それどころかそっと手を巴さんの背中に回し、優しく保持した。


うーん、プロの手つきだ。




・・・久しぶりに見るなあ、このムーブ。


先輩が帰宅する時は決まってこの格好らしい。


・・・いかん、もう胸やけが始まりそうだ・・・!




「わああああん!!来てくれたあ!!!やっぱり来てくれたあああああ!!!!」




巴さんは先輩の頭を抱きしめ、ボロボロと大粒の涙をこぼしながら顔を押し付けている。




「あったりまえじゃあ!巴がどこにおっても、わしは迎えに来ちゃるけぇの!」




先輩も目を潤ませている。


うん、よかったなあ・・・




「うぐうううう!大好き!むーさん大好きぃ!!」




「すまんかったのう・・・待たせてすまんかったのう!」




感動の再開を尻目に、俺は適当なベンチに腰掛ける。


お、ここ喫煙可能スペースじゃん。


煙草煙草っと・・・




「あ、あの、田中野さん?」




目の前で繰り広げられる感動劇に目をキラキラさせていた神崎さんが、我に返って俺の方へ歩いてくる。


俺は煙草に火を点けながら神崎さんに傍らの空きスペースを指し示す。




「ああなったら長いんですよ・・・お互いに相手しか見えてないんで、しばらく休憩してましょ」




「え、ええ・・・?」




まさに2人だけの世界というやつだ。


前に見た時は先輩がサプライズプレゼントをした時だったな・・・


その時は30分あの状態のままだった。


感動の再会となると、さーて何時間かかるかなあ・・・




「さあさあ、ブラックコーヒーをどうぞ、神崎さん」




ベストのポッケから緊急用の缶コーヒーを取り出し、神崎さんにも渡す。


食い物飲み物はいつも携帯しているようにしていてよかった・・・




「あ、はい、いただきます・・・」




神崎さんは俺からおずおずとコーヒーを受け取り、ベンチに腰掛けた。


釈然としない顔でプルタブを開ける神崎さんを見ていると、視界の隅に奈良橋の姿が。


おや、懲りもせず追いかけてきたのか。


情けないねえ・・・




目を見開き、信じられぬものを見る顔をしている。


これでよーくわかったろ・・・ハナからお前ごときの入る隙間なんてありゃしないんだよ、間抜け。


巴さんが好きなのに、巴さんのこと何もわかってなかったんだな。


いや、わかろうとしてなかったんだろうな。




周囲は巴さんの大声を聞きつけて出てきた人達で賑わいつつある。


ようやるなあ・・・・あの2人。


いや、周りのことなんて見えてないなありゃあ。




・・・ぬ。


あの野郎・・・




俺は、立ち上がってじりじりと進み始めた奈良橋の正面に立つ。




「やめとけ馬鹿野郎。あのな、先輩はあの状態でもすぐに反応するぞ」




ついでに、周囲に見えないように奴の右手首を掴む。


皆さんは先輩夫婦に釘付けだから大丈夫だろう。




「っぎ!?」




「や、め、と、け」




ぎちりと力を込めて握る。




「・・・こんな小さいナイフで何する気だよ。内臓どころか筋肉も貫けねえぞ」




十徳ナイフなんか何に使う気なんだか。




「今俺はすっごく気分がいいんだ・・・先輩が嬉しそうだしな」




ぎちぎちとゆっくり力を込めていく。




「このまま回れ右して、俺たちがここから帰るまでおとなしくしてろ、な?」




「っぎぎ・・・ぁ」




「一生右手が使えなくなるのと、無意識の先輩に顔面トマトジュースにされるのと、五体満足で生きながらえるのと・・・ホラ、選べ」




まだまだ力を込める。


あとちょいで手首がイカれるな。




「わっ・・・わかり、ましたぁ・・・!」




「よーしいい子だ。女は星の数ほどいるじゃん、他人のもの以外を選べよ?な?」




「わがりまじだぁ・・・!!」




泣きが入ってきたので解放してやる。


勿論十徳ナイフは没収、その場でナイフ部分のみを破壊した。




「ホレ、しっかりしまっとけよ・・・次はねえぞ、虫けら」




きつくそれを握らせて解放してやる。


奈良橋は、放心状態でフラフラと反対方向に消えていった。


あそこまで釘刺しときゃ大丈夫だろ・・・正直暴走しても俺たちは一切困らんけど面倒くさいからな。


次やったら両腕の関節全部破壊してやろう。


右手首もしばらく使い物にはならんだろうけども。


先輩にグシャアされるよりマシだろ?




「て、手慣れた様子ですね・・・」




ベンチに戻ると神崎さんが話しかけてきた。




「さすがに4人目ともなると慣れてきますよ」




「よ、4人目!?」




目を見開く神崎さん。


・・・ふむ、丁度いい。


先輩たちのハグが終わるまで思い出話でもするかあ・・・




「1人目は先輩たちが結婚する前でしたね・・・大学時代の同級生ってのが・・・」




俺は、暇つぶしに昔語りをしながら煙を吸い込んだ。

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