第8話 騒がしい朝


翌朝、外が騒がしくて目が覚める。辺りを見渡し、時計を確認する。


「やっば。遅刻する・・・ってもう学校行かなくていいんだった。」


クスクスと笑い声が聞こえてくる。

ガシッ。俺は外の空気を吸いたくなって窓を開ける。


「はあー。外の空気は美味しいなあー。・・・おりゃああああ‼」


「ひやあああああ」


何か悲鳴のようなものが聞こえてきたが気にせず、窓を閉める。


お腹も空いていたので、食堂へ向かう。


「ヒルさんご飯できてる?」


「ああ、できてるよ。今持って行くから待ってってね。」


ご飯を食べている最中、気になることをヒルに聞いてみる。


「ねえ、ヒルさん。何かあったの?」


ヒルは不思議そうにしている。


「何で?」


「いや、今朝外が騒がしかったからさ。」


それで納得したのかヒルは答えてくれた。


「ああ、あれね。何だか学校を卒業して間もない子たちがもう3つのダンジョンを攻略したって噂になっててね。

その子たちが今この町にいるって盛り上がってるんだよ。

ああそれと驚くなよ~。それが君と同じラトレント魔法学校の卒業生らしいよ。」


「ふーん。そうなんだ。」


俺は興味がなかったのでそっけなく答えた。


「”ふーん”ってロガ。君の同級生かもしれないんだよ。嬉しくないの?」


「別に。」


「そ、そうか。」


そう言ってヒルは台所に戻っていってしまった。

仕方がないじゃないか。本当に興味ないんだから。



ご飯を食べ終わると、ヘトヘトのレクスがやってくる。


「おい、レクスどこにいってたんだよ。ご飯食べ終わったぞ。」


「っ‼ロガァァァァ」


俺は空中にジャーキーを放る。案の定レクスは俺ではなくジャーキーに向かう。

ふっ。造作もない。と思ったのも束の間レクスの足が俺に向かってくる。

器用なことでレクスはジャーキーを前足で掴み、それを軸に後ろ足を俺に向けてきたのだ。・・・恐ろしい子


「いった―‼」


「ほら、ロガ。早く行かないと。」


レクスが勝ち誇っている。まだ、レクスに蹴られた頬が痛い。


「わかってるよ。ヒルさん、行ってきます。」


「ああ、行ってらっしゃい。頑張ってね。」


町の外に出ようと進んでいると誰かに声を掛けられる。




「あれ、あなた。ロガじゃない?」

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