323.天使
青髪の天使はラファエルさん。
ラファエルさんはレイラお姉さん担当となった。
赤髪の天使はカマエルさん。
カマエルさんはヒメガミさんの担当となった。
緑髪の天使はガブリエルさん。
ガブリエルさんはディアナの担当となった。
金髪の天使はウリエルさん。
ウリエルさんはアリサの担当となった。
紫髪の天使はアリエルさん。
アリエルさんはソフィアの担当となった。
黒い髪の天使はアズライールさん。
アズライールさんはセナお姉ちゃんの担当となった。
みんなはそれぞれのダンジョンの最奥から『天使の試練』を受ける事となった。
僕とリッチお爺さんを残し、それぞれダンジョンに向かった。
◇
「クロウくんや」
「リッチお爺さん、どうしました?」
「うむ、儂だけ暇じゃの」
「まぁ……天使の皆さんは奥さん達と行きましたからね」
「ふむ……それでじゃ、クロウくんが儂の試練を受けてはくれぬかの?」
「僕ですか!? いいんですか!?」
「おお! いいとも! ぜひ受けて欲しいのじゃ」
「こちらこそ! よろしくお願いします!」
リッチお爺さんは嬉しそうにガハハハッと笑うと、一緒に『ミカエルのダンジョン』に向かった。
◇
ミカエルのダンジョンの十層に着いた。
既に全てのダンジョンの十層には『次元扉』があるので、簡単に来れる。
「ふむ……懐かしいダンジョンじゃのう」
リッチお爺さんが何かを懐かしんでいた。
そう言えば……さっき、ラファエルさんがリッチお爺さんに向かって「ミカエル様」と呼んでいたけど、気の所為かな?
リッチお爺さんがボスモンスターに近寄っていく。
「リッチお爺さん!? 危ないですよ!?」
「問題ない! 大丈夫じゃ」
リッチお爺さんが近づくと、不思議とボスモンスターが甘えてきた。
えええええ!?
ボスモンスターが甘えてるなんて……何だかシュールな光景だ……。
「ガハハハッ! 元気にしてるようで良かったわい。いつも
その後、リッチお爺さんはボスモンスターの真下に、地下に続く扉を開けた。
…………。
えええええ!?
ダンジョン十層に更に下に降りる階段があったの!?
「クロウくんや、こっちじゃ~」
リッチお爺さんは何でもないぞ~と言いながら手を振っていた。
リッチお爺さん……本当に偉い人なのかも知れない。
◇
十層の下。
つまり、十一層になるのかな?
その階層も他の階層同様に不思議な階層だった。
『ミカエル』のダンジョンは『天使系統モンスター』が主軸のダンジョンだ。
実はこのダンジョン。
僕と非常に相性が
何故なら、天使系統モンスターは魔法耐性が非常に高いからだ。
なので、魔法主軸の僕には相性の悪いダンジョンだ。
…………何故か天使系統モンスターも魔法一発で消し飛んでいたけどね。
「クロウくんや、今から
リッチお爺さんが指差した場所には、美しい天使の羽が四枚の天使が立っていた。
天使特有の整った綺麗な顔、鍛え抜かれた身体、強いけど不思議な気配の威圧を放っている。
天使の目が僕とリッチお爺さんを交合に見つめた。
そして――――リッチお爺さんの前で跪いた。
「ほっほっほっ、そなたも長い間、その身体を守ってくれてありがとうのぅ、今日からクロウくんの為に一肌脱いで欲しいのじゃ」
「ははっ、光栄でございます」
リッチお爺さんの指示で僕と天使さんが戦う事となった。
◇
「クロウ様、宜しくお願い致します」
「は、はい! よろしくお願いします」
「私はこのダンジョンに紐づけられている存在ですので、思いっきり来られても大丈夫です。私の怪我など心配せずとも大丈夫ですので」
「分かりました!」
こうして僕は天使さんと対峙した。
最初に動いたのは天使さん。
両手に二つの剣が現れ、高速接近戦闘を仕掛けてきた。
僕もステータスだけなら高いので天使さんの攻撃を避けつつ、闇の手を応戦する。
意外にも、闇の手の速度に追いつき、攻撃を跳ね返していた。
合間に多属性魔法を複数混ぜて攻撃してみる。
しかし、天使さんは顔色一つ変えず、魔法の盾を作り、僕の魔法にぶつけてきた。
そこから半日。
僕はひらすら天使さんの攻撃を凌ぐだけで時間一杯になってしまった。
◇
屋敷の食堂に帰ると丁度奥さん達も試練の時間が終わったようで、一緒に食事となった。
みんなの顔色が優れない。
「クロウ」
「ん? どうしたの? セナお姉ちゃん」
「……クロウも『天使の試練』を受けてるのよね?」
「……うん」
「どうだった?」
奥さん達の視線が僕に集まる。
「…………防ぐのに精一杯だったよ」
「そう……クロウでもそうなのね。分かったわ、私も頑張る」
両手をぐっと握り締めるセナお姉ちゃんが可愛らしい。
「うん。僕も頑張るね。天使さんがあんなに強いと思わなかったよ」
「ふふっ、そうね。私も想像以上かな? 全力出してもかすりもしなかったから……」
セナお姉ちゃん言葉に他の奥さん達も同じ状況だったみたいで少し表情が暗くなったけど、美味しいご飯を食べて、風呂に入って、気づけば楽しい時間を過ごしていつの間に眠りに着いた。
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